TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

幾多のループ

一覧ページ

「幾多のループ」のメインビジュアル

幾多のループ

2 - 幾多のループ

♥

501

2020年09月19日

シェアするシェアする
報告する

あまり嗅ぐことのない、紙の香り。

入った先は、静寂に包まれる図書館だった。

ぺらっ……

紙が擦れる音。

その音は、奥に人がいることを暗示していた。

誰か、いる……

ここで待ってろ。俺が行く

慎重に奥に歩みを進める秀。

この奥、だな……

ふう……

そこにいるのは誰だ!!

???

うるさいんじゃない?

お前……!?

聞き覚えのある声に、無意識に駆け寄る。

茜!!

お二人さんも……いたんですね

茜が無事でよかったよ

茜、お前ここで何してんだ?

ここの本……歴史とかを多く扱ってて、ここのことを少しだけ……知れました

じゃあ、茜。ここって……「海底」なの?

……恐らく

簡単に言えば、「海底探査船」みたいなものですかね

そういう意味で、海底……なのね

よくこんな大量な本から見つけたな

ここ、丁寧にジャンル分けしてあって、凄く調べやすかったんです

じゃあ、なんか気になったこととかない?色々読んでさ

そう、ですね……

公言している本はないんですが……ここ、本気の異世界よりは……

近未来の日本……という感じがするんです

ここが日本……?

はい。

ここの本……日本の名所とか歴史とかの本が多いんです

それに、一番の根拠はミリタリージャンルです

ミリタリー?

軍隊とか……の?

はい。軍隊なんですが、呼び方が「自衛隊」なんです

なるほど

あ、話変わっちゃうんですけどお二人様は行く場所あります?

え?行く場所……?

いや、特にないけど……

それじゃあ……ちょっと付き合ってくれますか?行きたい場所があって……

構わないよ。行こう

ありがとうございます!

茜は優しい笑みを浮かべ、すぐさま持っていた本を唯一の隙間に嵌め込んだ。

それでは行きましょう

そして、図書館には一つの欠けも存在しない本棚だけが残った。

ここです

振り返った茜の背後には、錆びついた扉があった。

ここ?

なんだここ。急に古くなったな

さっき読んだ本に地図があって……この場所に「時空の間」って記されていたんです

時空の間?

そして、もう一つの本に「時を戻す水晶を祀っている」とあったんです

時を戻す!?なんだそれ!?

そ、そこまでは……分からないですけど……

私も気になって……

取り敢えず入ってみようよ

そうだな

というか、こんなに錆びついていて…開くんですか?

どうだろうね…?秀、開けてみて

おう

へ?俺?

女子にこんな力仕事に汚れることさせるのか?訴えるぞ

男なら率先してやれ

それはそれで訴えれるぞ?

はあ、わかったよ

ドアノブに手をかけ、秀は出せる力を精一杯出した。

が、そこまでの力は必要としていなかったらしく、ギャグみたく秀は頭から突っ込んでいった。

しゅ、秀さん!?大丈夫ですかっ!!

ちょ、秀!?

俺……首…吹っ飛んで、ない?

いや、人類の形はしてる

マジいてぇ

死んでなかったんですね!!……よかったぁ

え、茜も、言い方……酷くない?

さっさと起きろ

はあ……いってぇ……

開けてくれてありがと

んー

お、お二人様……

茜…?

固まった茜の視線の先は扉の奥。

時空の間の中。

釣られるように、二人は中を覗く。

……

……

二人も、固まるしかなかった。

視線を先には、時空の間から発せられる光を遮る人型があった。

???

こんにちは。待ってたよ

この作品はいかがでしたか?

501

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚