まふまふside
そらるさんと、両想いになった。
夢みたいだ。
僕の人生にこんなに幸せなこと、 あっていいのかな……?
そらるさんの顔を見つめる。
そらる
そらるさんの目、綺麗だな……
月の光に反射して……
月の、光。
まふまふ
『満月の日に戦が起こる。』
頭の中で文字が点滅する。
一気に、身体の奥が冷えた。
そらるさんの城と、 僕の使える城の戦。
それは僕らの別れを意味する。
この戦は、 どちらかが必ず死んでしまうから。
大名の息子と
側近の忍び
城の中で主要な人物である僕らの どちらかが死ななければ 終わらない戦だから。
大名様が亡くなろうが、 家臣が居なくなろうが、 関係ないんだ。
幸せが、崩れる音がする。
まふまふ
そらる
まふまふ
身体から力が抜けて、 僕はその場にうずくまる。
そらる
思い返せば、いつだってそうだった。
家族との幸せな日々も
師匠との楽しい毎日も
いつもいつも、 すぐに誰かの手で 壊されてきたじゃないか。
別に、今に始まったことじゃない。
今回は、 自分の手で壊してしまっただけ。
僕が僕自身の幸せを、
そらるさんの幸せを、
壊してしまった。
だから、ね。
せめて、そらるさんだけでも……
まふまふ
そらる
まふまふ
それから僕は、 そらるさんに全てを話した。
満月の日に戦が起こること。
僕は戦に加勢して、 そらるさんの家臣たちを 殺さなければならないこと。
そらるさんの命が危ないこと。
まふまふ
目頭が熱くなる。
まふまふ
そらる
まふまふ
まふまふ
まふまふ
まふまふ
まふまふ
涙で滲んで、そらるさんが どんな表情をしているのか、 僕には分からない。
まふまふ
まふまふ
まふまふ
背中に、そらるさんの手のひらが 添えられる。
そのままその手は 僕の背中をゆっくりとさする。
そらる
そらる
そらる
そらる
まふまふ
そらるさんの手のひら、温かい。
心の中のぐちゃぐちゃしたものが、 溶けて流れ出ていくような気がした。
そらる
そらる
そらる
まふまふ
そらる
そらる
まふまふ
僕が好きになった人が、 この人でよかった。
僕を好きになってくれた人が、 この人でよかった。
そらる
まふまふ
まふまふ
そらるさんが言うなら、 きっと大丈夫だ。
二人で夜空を眺める。
半分よりも少し丸くなった月。
次に僕らが会えるのは、戦の後だ。
そらるさんの手が、 僕の指の上を滑る。
二人でぎゅっと握った手が、 どうか解けませんように。
ノンカフェイン
ノンカフェイン
ノンカフェイン
ノンカフェイン
ノンカフェイン
ノンカフェイン
ノンカフェイン
コメント
6件
お久しぶりです! ( ˊ •̥ ̫ •̥ ` ) どうか、お2人が無事に生きて、幸せになれるのを願っています( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
はぁぁぁ(´;ω;`) どうか神様2人を幸せに…
最高( 'ω')