まふまふside
城の外堀の出口に、 馬に乗った武士たちが集まっている。
これから、戦本番だ。
僕は騎馬隊の後ろでお見送りする。
僕が戦に行くのはもう少し後。
敵が減り、体力を落としたところで 参戦するんだ。
志麻
先頭にいる志麻くんが声を荒らげる。
志麻
志麻
志麻
志麻
志麻
武士
武士たちの雄叫びが響く。
志麻
志麻くんが、僕の方を向く。
志麻
志麻
志麻
まふまふ
まふまふ
僕はありったけの力で叫ぶ。
志麻くんは にやりと笑うと、手綱を引いた。
ドドドッ
馬のひづめの音が響き、 土煙が上がる。
坂田
騎馬隊の後ろの方から、 声が聞こえる。
見ると、さかたんがこっちに向かって手を振っていた。
坂田
さかたんは医師として、 負傷した武士たちを救護する役割だ。
まふまふ
さかたんは薬箱を振り回しながら 走り去る。
片手で乗馬って…案外器用だな…
96猫
沢山の道具を抱えた 96ちゃんが来る。
馬も心做しか走りにくそうだ。
96猫
96猫
96ちゃんは僕に向かって 何かを投げる。
まふまふ
僕は反射的にそれを握る。
まふまふ
手を開くと、短刀だった。
まふまふ
96ちゃんに何か言おうとしたが、 既に走り去ってしまった。
僕は手の中の短刀に目をやる。
今までの短刀よりも、 刃渡りが長くなっている。
これは、僕が敵から なるべく遠いところから 攻撃できるようにという配慮。
それでも、長い刀にはしない。
筋力が足りない僕は、 長い刀を振り回しながら立ち回るのは少し難しいんだ。
96ちゃんは、 本当に人のことをよく見てる。
そして、沢山の人を殺めることを 想定してか 切り口の部分だけ別の金属が 使われている。
僕はそっと、 人差し指の指先で切り口を撫でる。
なめらかに指先が滑り、短刀に 一筋の血筋が浮かんでいく。
指先から、血が滴り落ちる。
切れ味は、最高だ。
まふまふ
前に目をやると、 既に騎馬隊が小さく見えた。
みんなが、 無事に帰ってきますように。
そらるside
今日、戦が始まる。
東の大名…まふまふの使えている 城の者が奇襲に来ることを 知っているのは、
俺と、天月だけだ。
元々俺たちの城から 攻め入るはずだったから、 一応戦闘の準備はされてる。
ただ、こちらが 不意をつかれるというだけの話。
だから、きっとこれは 全面戦争になるんだ。
何人が犠牲になるか分からない。
俺の武道を鍛えてくれた家臣も、
名前も知らない、仲間の武士も、
いなくなるかもしれない。
でも……
そらる
そらる
そらる
そらる
俺は部屋の隅に座り込む。
どこかにいるであろう愛しい人に 届けと願いながら。
自分に言い聞かせるために呟く。
そらる
そらる
そらる
まふまふside
…そろそろ僕の出番だ。
忍びの正装である黒装束を着て、
白銀の髪に櫛を通し、 髪留めをつけた。
最後に黒い手甲をはめ、 真紅の紐で結わう。
大切な、師匠の形見。
まふまふ
まふまふ
まふまふ
96ちゃんから 貰った短刀を腰に提げ、 口元まで黒い布を引っ張りあげる。
目の前を見据えて、深呼吸。
まふまふ
まふまふ
コメント
11件
実は一度見たときに速攻フォローしてしまいました...好き~
実はこの前全部見返してたっていうね...(( 好きいいいいいいいいいいいい!!
かっこいぃ…(´TωT`)