テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
夜空に花火が咲き、街が光と音で揺れている
でも、私の胸は少し重い
胸の奥に、昨日までの自分がまだ残っている気がした
紗良
紗良
隣にいる女の子の瞳が揺れる
笑顔なのに、少しせつなげだった
紗良
手を伸ばしても届きそうで届かない距離
紗良
紗良
屋台の灯りが揺れ、
花びらが舞う
紗良
紗良
紗良
夜空に光が弾ける
紗良
紗良
私はその瞬間、胸にあった過去の痛みや迷いが、
まるで夜空に散る花火の光のように消えていくのを感じた
失敗や孤独、怖さも
全部まるで無かったことになったかのように、
静かに消えていった
紗良
紗良
風に舞う花びらが私の周りを漂い、
街灯の柔らかな光が夜の道を優しく照らす
花火の光が夜空を切り裂き、鮮やかな色の波が街全体を包むたび、
私の胸に残る切なさは少しずつ和らいでいく
遠くから聞こえる祭囃子の音が、
耳だけでなく心まで染み渡るようだった
私は初めて、自分の心の中の切なさも
ほんの少しの痛みも、希望も同時に抱きしめることができると感じた
過去に縛られることも、未来を恐れることもなく、
ただ目の前の光と音、そして風と花びらの感触に心を預ける―
それだけで十分だった
夜空に散る花火は、儚くも鮮やかで、私の心に深く刻まれる
このお祭りの中にいる瞬間だけは、
過去も未来もすべて意味を持たず、
ただ二人の間に流れる時間だけが確かに存在している気がした
胸の奥で、過去の痛みや迷いが消えたことを感じながら、
私は目を細めて夜空を見上げる
夜空に咲く光の花火は、
二人だけの秘密の記憶のように、
永遠に心に残るだろう
―儚く、でも確かに温かい、そんな切なさに包まれながら
#杏月のコンテスト.
FIESTA
end
コメント
1件
意味不 後1作品残ってるのは流石に終わってるんだが(