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パパ

…っ。

パパ

なんで…なんでだ…。

ミマ

パパ…?

わたしが、4歳のときの話です。

わたしのお母さんは、

“てんごく”

という、遠い遠いところへ、

引っ越してしまった。

そう、父が言いました。

パパ

ミマちゃ〜ん?

パパ

起きてね〜!

パパ

起きようね〜( ◠‿◠ )

パパ

パパ

起きろっ!

ミマ

わぁ!

ミマ

あ、パパか…。

ミマ

って、もう7:30じゃん!

ミマ

なんで起こしてくれなかったの〜?

パパ

あのね、ミマちゃん。

パパ

パパは、何回も起こしました。

パパ

ミマちゃんが、起こすたびに、

パパ

「あと五分」

パパ

って、言うから、パパは我慢してたんだよ( ◠‿◠ )

ミマ

…う〜ん。

ミマ

あ…あと…五分…。

パパ

ちょっ!ミマちゃん!

パパ

起きなさい!

わたしが小学生のとき、

父は、毎日、朝起こすのに、苦労したそうです。

ミマ

朝ごはんは〜?

パパ

ハムエッグと、トースト。

ミマ

え〜。

ミマ

プリンがいい!

パパ

ダメ!

パパ

ちゃんと栄養とらなきゃ!

パパ

今日は、マラソンやるんでしょ?

ミマ

ぷりん〜…。

パパ

もう…。

わたしは、独りっ子だったので、

父に甘やかされて育ちました。

今考えると、

もっと厳しくしてもよかったんじゃないか

って思います。

ミマ

あ、あれ〜?

ミマ

みんな、どこに行っちゃったのかな…?

パパ

ミマちゃん!

パパ

班の人は、もうみんな出ちゃってるよ!

パパ

早く追いかけないと!

ミマ

できない〜>_<

パパ

あ〜もう…。

パパ

ミマちゃん!

パパ

パパが車で送ってあげるから。

ミマ

う…( ; ; )

パパ

ほら!泣かないで!

父はいつも優しくて、

優しすぎるくらいでした。

パパ

なぁ、サエ。

パパ

俺、パパに向いてないのかなぁ。

パパ

ミマも、パパのことが嫌いなのかなぁ。

パパ

このまま、1人になっちゃうのかなぁ。

パパ

嫌だなぁ。

ミマ

パパぁ〜

パパ

どうしたの?

ミマ

ミマ、ここ好きじゃない〜

パパ

なんで?

ミマ

ミマ

ミマ

お、お、

パパ

お?

ミマ

おといれぇ〜

パパ

え!?

パパ

ちょ、早く!!

パパ

大丈夫か…

パパ

ほんと、早く言うんだよ!

ミマ

ごめんなさぁい。

パパ

ふぅ〜。

パパ

じゃあ、ハンバーガー食べようか。

ミマ

うん♪

🍔

パパ

おいしい?

ミマ

ミマ、ピクルス好きじゃない。

ミマ

トマトも美味しくない。

パパ

どうしてそんなこと言うんだ…?

ミマ

好きくない。

ミマ

お野菜好きくない。

パパ

パパ

う〜ん…。

パパ

困った子だぁ…。

わたしは、いつもワガママばっかり

だったけれど、

父は笑って聞いてくれた。

ミマ

あ、流れ星!

パパ

え〜。

11月に、流星を見に行きました。

パパ

え、どれどれ?

ミマ

ほら、あれ!

パパ

あれ、飛行機じゃない?

ミマ

ちがう!ながれぼし!

パパ

そっかそっか。そうだね。

パパ

もっと近くで見たい?

ミマ

うん!

パパ

あー、でも、崖になってて危ないや。

ミマ

ぼうえんきょうは?

パパ

あ〜。持ってくれば良かったね。

ミマ

明日、ぼうえんきょう持ってまた来よう!

パパ

え〜。明日?(^◇^;)

ミマ

あした!

パパ

そっか。じゃあ、明日見に来ようね。

ミマ

うん!

パパ

あれ〜。

🔭

パパ

見えないな。

ミマ

え〜!?

ミマ

せっかく持って来たのに、

ミマ

ぼうえんきょう使えないの〜?

パパ

うん。ゴメンね。

ミマ

じゃあ、さんたさんにもらう!

パパ

え?

ミマ

もうすぐクリスマスでしょ?

ミマ

だから、さんたさんにもらうことにする!

パパ

そ、それでいいの?

ミマ

うん!

パパ

そっか。

パパ

じゃあ、

パパ

パパがサンタさんに頼んでおくね。

ミマ

ありがとっ!

ミマ

パパ大好き!

店員

はい。

パパ

あの、じゃあ、それでお願いします。

店員

かしこまりました。

ミマ

パパ。どうして焦ってるの?

パパ

え?

パパ

いや、なんでもないさ。

パパ

ほら、早く寝ないと!

パパ

サンタじゃなくて、お化けが来ちゃうよ!

や、やばい!

全然届かない!!

ずっと前から予約してた、

天体望遠鏡が、

クリスマスイブの今日になっても届かない!

ど、どうすれば…?

パパ

ほら、ミマちゃん。早く寝てね(^◇^;)

ミマ

パパ。静かにして。

ミマ

誰かが来た音がする。

パパ

へ?

いやいやいや、ちょっと待て。

誰だよ!?

誰もいないはず…

ピーンポーン

は!?

ミマ

だ〜れ〜?

パパ

も、もしかしたら、お化けかもしれない。

パパ

ミマちゃんは、早く寝ててね。

ピーンポーン

パパ

ほ、ほらほら!早く寝て!

パパ

は、はいぃ?

郵便配達員

郵便配達にまいりました。

郵便配達員

注文された、

郵便配達員

『これで暗い空もハッキリ見える!

郵便配達員

お子さまも安心して使える』

郵便配達員

おっと、失礼しました。

郵便配達員

『天体望遠鏡』

郵便配達員

ですね。

パパ

あ、ありがとうございます(^◇^;)

郵便配達員

配達時間は、これでよろしかったでしょうか?

パパ

へ?

郵便配達員

21:30 配達となっております。

パパ

郵便配達員

配達時間、指定されてませんでしたか?

パパ

あ、いえ、してました、ハイ。

パパ

うん。してましたね。

郵便配達員

よかったです。

郵便配達員

では。

パパ

は、ハイ。

パパ

自分で指定してたっけ?

パパ

すっかり忘れてたなぁ。

パパ

急いでラッピングしないと!

ミマ

パパぁ〜?

パパ

ミ、ミマちゃん!

パパ

来ちゃダメだよ?

パパ

お、お化けがいるから!

ミマ

え、ヤダ…。

ミマ

もう寝る!

パパ

うん…。おやすみ…。

パパ

よっしゃ!できた!

🎁

ピピピピ

ピピピピ

ピピピピピピピピピ

ミマ

あ、朝か!

ミマ

あ!プレゼントが置いてある!

ミマ

やったー♪

ミマ

あ、おはようパパ!

パパ

おはよう、ミマちゃん。

ミマ

ねね、見て!

ミマ

プレゼントだよ!

パパ

おお〜。良かったね。

パパ

開けt

ミマ

でも、今日はまだクリスマスじゃないよね?

パパ

え?

ミマ

だって、今日は12/24だよ?

ミマ

今日の夜届くと思ってたのにぃ〜。

パパ

(°_°)(°_°)(°_°)

パパ

…。

パパ

そ、そっっか。

パパ

きっと、サンタさんが間違えちゃったんだね。

パパ

サンタさん、あわてて、

パパ

クリスマスを間違えちゃったんだよ。

ミマ

え〜。そうなんだ〜。

な、な、なんと…!?

昨日、あんなにあわててたのが

バカみたいじゃないか!!

ミマ

ねぇねぇ、

パパ

うん?

ミマ

ぼうえんきょうが入ってたよ!

ミマ

これで、また星を見に行けるね!

パパ

そうだね(*^▽^*)

父から、この話を聞いたのは、

わたしが、サンタさんの正体を知ってからです。

今でも、2人で話すとき、

たまに話に上がります。

必死に、お母さんになりきったお父さん。

わたしのワガママをきいてくれたお父さん。

大事に育ててくれたお父さん。

本当に、感謝しています。

ちょっぴりドジで、

あわてんぼうだったけれど、

お父さんと一緒にいると、

いつも楽しかったです。

ミマ

今日の天気は、晴れです。

ミマ

夜になると、綺麗な星空が見れるでしょう。

わたしは今、気象予報士です。

わたしの全ての夢は、

あの、クリスマスの日から

始まりました。

お父さん、今までありがとう。

そして、

これからもよろしくね。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

3

ユーザー

お父さん⤵︎

ユーザー

お母さん⤵︎

ユーザー

サエは、お母さんの名前です。 長めの話になってすみません。 みなさんは、お母さんとお父さん、どちらの方が厳しいですか?

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