この作品はいかがでしたか?
42
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小鳥のさえずりが聞こえる雲ひとつ無い空
地上を焼き尽くすほどのジリジリとした陽の光が彼を照らす
黒猫
黒猫
彼は黒猫。それ以上もそれ以下もない
なにか付け加えるとすれば黒猫の姿を借りた【なにか】だろう
黒猫
黒猫
カラス
黒猫
今の状況になる1時間ほど前のこと
彼はこの世界で言う死神にあたる種族だ
その死神というものは生物ではなく概念のようなものに近しい
想像しやすいのは人魂のようなものだろう
この姿は本来人には見えることは無い
ましてや他の生き物に関しても同じことが言える
彼らには与えられた仕事がある
それは【道案内】という仕事である
この世には何かしら【未練】を残した魂がその場に留まることが多数ある
そうなった魂を人の世では【地縛霊】と呼ぶのだがその地縛霊を
本来還る場所に送るのが案内人の役目だ
送る先は【弔いの里】という世界
その世界は人の言葉では表せない世界となっている
伝えやすくするのならばその人が望んだ世界に形を変える世界と言えばいいか
行く人により見える世界は変わるのだ
だからそこに辛い苦しいなんて感情は存在しない
彼はそんな世界に案内する案内人だった
なぜ過去形なのかと言うと弔いの里の里長から新たなる試みをすると話された
ざっくり話すと今までは概念の姿で行っていたものをあえて形あるもので行うということ
なぜそんな非効率なことをするのか理解は出来ないが里長の命は絶対
それを巡視するしかない
そしてその第一号に彼が選ばれた
この事は彼の上司にあたる人から聞かされたがそれを断ることは出来た
命を下したのがその人ならば
よくよく話を聞くと里長という事が判明し断るに断りきれなくなり不服だが受けることとなった
そして現在彼の上司にあたる人から【器】なるものを授かり下界に降り立つ
その時降り立った場所がたまたまカラスの巣の上ということもあり
その巣とともに落ちていき最悪のタイミングで夫婦と思われるカラスが帰ってきて
数十分程追いかけっこをしているというのが彼の現状である
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
カラス
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
カラス
黒猫
追いついてきたカラスは黒翼を羽ばたかせ天高く舞い勢いをつけて降下する
鋭利なその爪で黒猫の背面をざくりと刺す予定だったが
黒猫のとっさの判断により電柱を使い壁キックをして華麗に躱す
しかし体力的に限界がやってきて走るのもやっとのレベルまで落ちた
それを逃すはずもなくもう1羽のカラスが追撃にやってくる
諦めかけたその時彼の脳内に声が響く
【その道を右に曲がって】
これはなんなのかそれを考える余裕はなく
言われるがまま女性と思わしきその声に従い右に曲がる
【そしたら突き当たりを左に】
【その先に鉄柵があるお家がある】
【その鉄柵を乗り越えて正面の縁側に】
疑う余裕もなくその通りに道を行く
鉄柵を乗り越えちらりと後ろを見てみる
先程のカラスは鉄柵によって行く手を拒まれていた
心の中でざまぁみろと笑い縁側に向かう
するとそこにはチカチカとひかりを放つ小さな粒が浮いていた
それを見て彼はすぐに察した
黒猫
魂
黒猫
魂
黒猫
黒猫
魂
魂
魂
黒猫
魂
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
魂
黒猫
魂
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
魂
魂
魂
黒猫
魂
黒猫
黒猫
黒猫
魂
黒猫
黒猫
魂
黒猫
魂
黒猫
黒猫
黒猫
魂
黒猫
黒猫
黒猫
魂
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
魂
魂
魂
魂
魂
魂
黒猫
魂
黒猫
魂
魂
魂
そう言ってその魂はふよふよと浮きながら外に出ていく
黒猫
まだ馴染めていない体を上手く使い彼女を追う
近くの木を使いその鋭い爪で木に引っ掛かりをつけて屋根にと上る
魂
黒猫
そこにはベッドで横になる女性の姿があり
使われているベッドは一般的なものではなく病院などに使われるようなものだ
黒猫
魂
黒猫
黒猫
魂
黒猫
魂
黒猫
魂
黒猫
黒猫
黒猫
黒猫
魂
黒猫
魂
黒猫
魂
黒猫
そういい魂を女性の体の中にと入れようとする
魂
魂
黒猫
黒猫
魂
焦るその魂を沈めてゆっくりと彼女の中にと入れていく
完全に入り肉体と魂の結合を確認するや否やばっと彼女は起き上がった
黒猫
魂
魂
魂
黒猫
黒猫
黒猫
魂
黒猫
ゆっくり起き上がり2階窓にいる彼の方に近づき窓に手をつける
魂
黒猫
魂
黒猫
黒猫
魂
黒猫
魂
黒猫
黒猫
魂
黒猫
魂
魂
黒猫
黒猫
魂
黒猫
そんなやり取りをしていると扉がガチャりと開く
美奈葉の母親と思わしき人物は美奈葉が立っているのを見ると
持っていたトレイを落としただ名前を言いながらギュッとギュッと彼女を抱きしめていた
コメント
1件
これは恐らく1桁で終わる短編者になりますかね