外見主義

この世は

理不尽だ

生きづらいほどに。

お見合いサイト

《 ハヤト

ハヤトは

落ちこぼれた私が お見合いサイトで見つけた

気の合う

友達。

好きの気持ちだけじゃ

相手がどんな顔しているのか

本当の性格はどうなのか

どんな洋服を着ているのか

そんなの全然知らないけれど

それでも私は

貴方と話して 貴方と心を許したつもりだった

好きだから。

好き、だから

何でも受け入れたいって 思った。

ただ、貴方が好きだから。

でも

貴方は違うの？

貴方も

ソッチ 主義なんだね

確かあの時も

どうして、こんな

こんなはずじゃ

なかった、

のに

あの日は確か寒い夜の日

白い息を吐いて

嗚咽を漏らしていた

私を捨てないで欲しかった

人間みんなそうなのかな

可愛くないと

美声でないと

捨てられるのか

ソッチ しか見ていないんだ

決めたのに

私はありのままに生きよう

ありのままの他人を受け入れよう

って決めたのに

な

今更なんだ。

また、そうやって捨てるの？

そんな気持ちもあったけれど

何故だか

ソッチ の方が強かった

ハチ公前

目の前に現れたのは

待ち合わせをしていた ハヤトじゃなくて

見知らぬ女性だった

驚いた。

驚いたけれど

そう言って

彼女の体を両腕で 優しく包み込んだ

もう、私のような思いをさせたくない

腕の中で ハヤトの嗚咽だけが響き渡っていた