テラーノベル
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正直、覚悟してた。 嫌がられるのも 追い返されるのも
でも
会えない、とは 思っていなかった
インターホンを押して、 返事がないまま2回目
中にいるのは分かっている 気配が、ある
さっき送っていたLINEに 既読はついていない
ぷりっつ
ぷりっつ
声を出した瞬間 思ったより優しくて後悔した
優しくしたら 逃げられる気がしたから
ドアの向こうから声が聞こえた
あっきぃ
短くて硬いけど、 あっきぃの声だ
でも、知ってるあの あっきぃの声じゃなかった
あっきぃ
この一言で胸が ぎゅっと縮む
ああ、
本気で閉じてる
ぷりっつ
自分の声が 薄っぺらく聞こえた
あっきぃ
案の定、即答だった 言い切って、迷いがない
あっきぃ
この一言で俺は分かった
ぷりっつ
ぷりっつ
ぷりっつ
反射的に言ってしまった
でも次の言葉が、出なかった
何を言っても
期待になる
希望になる
今のあっきぃには 全部
"重い"
あっきぃ
あっきぃ
この一言で頭を殴られたみたいになった
俺は 助けに来たつもりで
また期待を背負わせに来た
ぷりっつ
言ってから思った。 言い方を間違えた
でも、あっきぃは否定しなかった
あっきぃ
あっきぃ
その言葉が 胸の奥に沈んでいく
否定したかった 引き止めたかった
でもーー
ここで踏み込んだら
壊す
それが分かった
あっきぃ
あっきぃ
あっきぃ
最後の声
この言葉で 全部終わった
ドアは開かない
しばらく、 その場を動けなかった
インターホンを押さない 声も出さない
ただ、
ドア一枚の向こうにいる あっきぃを想像する
壁にもたれているのか 座り込んでいるのか
分からない
分からないままなのが、 1番怖かった
帰り道 夕方の風が、やけに冷たい
ぷりっつ
ぷりっつ
ぷりっつ
ぷりっつ
そう思った瞬間 自己嫌悪で喉が詰まった
でも、一つだけ確かだった
あっきぃはまだ そこにいる
そしてー 俺は、手を伸ばす タイミングを間違えた
ぷりっつ
そう思うと いても立っていられなかった
コメント
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主様の話の書き方がとても好きです✨ 続き待ってます📣
フォロー&♡たくさん