TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

「昨日人を殺したんだ」

君はそう言っていた。

梅雨時ずぶ濡れのまんま、

部屋の前で泣いていた。

夏が始まったばかりだと言うのに

君は酷く震えていた。

そんな話で始まる、あの日の記憶だ。

曲パロ「あの夏が飽和する」

天野 絵斗

らっだぁッ…

天野 絵斗

俺ッ、

天野 絵斗

昨日、人を、殺したんだッ……

梅雨時、ずぶ濡れのまま

今日の前で泣く君はとても震えていた

天野 絵斗

殺したのはッ……
隣の席のいつも虐めてくるアイツ…

天野 絵斗

嫌になって、肩を突き飛ばしたんだッ……

天野 絵斗

打ち所が悪かったんだよ、

天野 絵斗

ッ……もうここには居られないな、

天野 絵斗

どっか遠いとこで死んでくるわ、!

無理した笑顔で言う君に俺は言った

猿山 らだ男

…俺も連れてって

財布を持って ナイフを持って

携帯 ゲームもカバンに詰めて

要らないものは全部壊していこう

あの写真も、あの日記も

今となっちゃもう要らない

天野 絵斗

人殺しと、

猿山 らだ男

駄目人間の

君と俺の旅だ

そして俺達は逃げ出した

この狭い狭い世界から、

家族も、クラスの奴らも捨てて

遠い遠い誰も居ない場所で二人で死のう

もうこの世界に価値なんて無いから

天野 絵斗

ッぐすっ……ごめんッ、呂戊太ッ……

天野 絵斗

人殺しなんかッ……

天野 絵斗

最低な兄ちゃんでごめんッ……

猿山 らだ男

(人殺しなんてそこら中湧いてんじゃん、)

猿山 らだ男

(ぺいんとは悪くない、)

猿山 らだ男

(ぺいんとは何も悪くないから、)

天野 絵斗

やめてッ…

天野 絵斗

痛゙ッ、

天野 絵斗

ごめんなさッ、

天野 絵斗

ごめんなさいッ……

猿山 らだ男

うん、ごめん、

猿山 らだ男

俺の夢、?

猿山 らだ男

……警察官、だよ

猿山 らだ男

……うん、だよね。

猿山 らだ男

出来るわけないもんな。

猿山 らだ男

オレはぺいんと程優れてないから、

結局俺は愛された事など無かったんだ、

ぺいんとも、

そんな嫌な共通点で

俺らは簡単に信じあってきた、

ぺいんとの手を握った時

小さい震えも既に無くなってて、

誰にも縛られずに

二人で線路の上を歩いた

金を盗んで

二人で逃げて

どこにも行ける気がした

今更怖いものなんて俺らには無かった

額の汗も

落ちたネクタイも、

「今となっちゃどうでもいい」 「あぶれ者の小さな逃避行の旅だ」

猿山 らだ男

(いつか夢見たぺいんとみたいに優しくて、
誰にでも好かれる主人公だったら)

猿山 らだ男

(汚れた俺をちゃんとすくってくれんのかな、)

……警察官

「そんな夢なら捨てたよ」

「だって現実を見ろよ?」

シアワセの四文字なんて無かった

今までの人生で思い知ったじゃん、

天野 絵斗

(俺は、)

猿山 らだ男

(オレは、)

何も悪くないって誰もがきっと思ってる、

あてもなく彷徨う蝉の群れに

水も無くなり揺れ出す視界に

迫り来るう鬼たちの怒号に

馬鹿みたいにはしゃぎあって、

ふと、ぺいんとはナイフを持った

猿山 らだ男

ぺいんと、?

天野 絵斗

お前が、今まで傍に居てくれたからここまで来れた

天野 絵斗

だからもういいよ、

天野 絵斗

死ぬのは俺一人で良い。

猿山 らだ男

待て、ぺいんとッ、!

猿山 らだ男

俺を置いて行かないでッ___

ぺいんとは首を切った

まるで何かの映画のワンシーンみたい

気付けばぺいんとはどこにも居なくて、

ぺいんとだけがこの世から居なくなって、

そして時は過ぎてった

ただ暑い日が過ぎてった

お前の弟も俺の生徒も居るのにお前だけは居ない

今でもあの夏の日を思い出す

ぺいんとをずっと探してる

お前に言いたい事が有るんだ、

9月の終わりにくしゃみして

6月の匂いを繰り返す

猿山 らだ男

ッぶしゅッ、

鳥井 希

汚ぇやんか!

猿山 らだ男

なにぃー?先生は汚くない!綺麗だ!(?)

まだ、ぺいんとの笑顔は お前の無邪気さは 頭の中から離れない

誰も何も悪くない、 ぺいんとは何も悪くないから

もう、投げ出してしまおう

鳥井 希

うわ゙ッ、

猿山 らだ男

ゾムぅー、お前だけは殺したいんだァ〜、

天野 呂戊太

やばい、やばいッ、

そう言って欲しかったんだろ、なぁ、

返事しろよ、ぺいんと…

天野 絵斗

呂戊太、呂戊太!お兄ちゃんだよッ、!?

天野 呂戊太

兄さん…?

猿山 らだ男

(ッ、!ぺいんとッ……)

猿山 らだ男

(なんでお前、生きてるんだよ…)

この作品はいかがでしたか?

35

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚