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父
父
お父様がそう言って微笑む
褒めてくれと言わんばかりのドヤ顔だ
だけど、僕の心境は真逆だった
喜ぶどころか怒りで満ちていて、抑えることにめちゃくちゃ必死
微笑み返してあげるなんて絶対に無理だった
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父
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お父様を無理やり広間から連れ出しながら、僕は初兎様をチラリと見遣る
彼は相変わらず聖人のような神々しい表情を浮かべていて、思わず目頭が熱くなった
父
父
父
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控室に着くなり、僕は思わず声を荒らげた
誰よりも美しくて麗しくて尊い初兎様が
誰よりも優しくて聡明で素晴らしい初兎様が
この僕なんかと結婚していいはずがない
っていうか絶対ダメだ
父
父
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怒りのあまり、髪の毛がブワリと逆毛立ってしまう
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父
相当驚いているらしい
お父様は唖然とした表情でそう呟いた
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言いながら、僕は深々とため息をつく
まさかお父様が僕と初兎様を結婚させようとするなんて想像もしていなかった
だって、初兎様は人間であって人間でない…結婚なんてそんな考えに馴染むような人じゃないんだもん
いくら僕が推しているからって、結婚相手に選定しようとするなんて夢にも思わないじゃん?
本当に寝耳に水だった
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だって彼は神様の気まぐれでこの世に遣わされた聖人だもの
普通の人間と結婚なんてしたらバチがあたってしまう
たとえ世界一の美女が相手でも初兎様の美しさには敵わないだろうけど、美形がふたり並んだら眼福に違いない
そのときは初兎様単推しじゃなく、CPで推せるように努力する
頑張ってきちんと祝福する
お抱え絵師に絵を描いてもらって、婚礼衣装をプレゼントして、初兎様が大好きなユリの花をたくさん用意して、それから、それから…
父
お父様が妄想を遮る
わたしは思わずムッと唇を尖らせた
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父
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父
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歯切れが悪くなったのは、単に実物を見ていないからだ
本当に素晴らしい女性がいたら、僕は初兎様を祝福するもん
絶対にするもん
父
父
父
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父
お父様は呆れたようにため息をついた
父
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きっぱりそう答えると、僕はまじまじとお父様を見上げた
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父
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そうよ
こんなこと、絶対にあってはならない
僕ごときのために初兎様を不幸にするなんてダメ
絶対にダメ!
父
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推しの貴重な時間は一分、一秒でも無駄にしてはならない
僕なんかと婚約するように命令されて、きっとものすごく困っているに違いないもん
僕はお父様がとめるのも聞かず、急いで夜会会場へと戻った