佐野家の日常〈過去編〉

なんでイチイチあんな子全員で
迎えいくねん普通に平気で
ダチの陰口言い散らすとか
ホンマ頭イッとんやんか

はぁ？

…………ええねんて
高校なんか何も
おもんねぇし

お大事に

有難うございました

真にいちゃん、圭介

…………それよりさ
万次郎どないしとる？

なんなん

万兄…………
俺わかるやろ

春千代、やんか
俺、いま杖無くても
一応歩ける

去年より、悪化してるやん
あれ、もう
万兄とちゃうやん

真にいちゃんが
心配やな明るくしよるけど
義母は認知症でエマはそれの介護に
奮闘中やし
リハビリテーション科の免許取るのに
頑張りつつ療育センターのバイト
休める時間もないしほんまは
ズタボロなんちゃう？
………………そやけどさ
多分、万次郎はこのまま
車椅子なるやろな…………

俺な、ほんまに
万次郎が生きててくれて
安心してる
昔みたく元気に歩いたり
走ったりは出来やんかもしらんけど
まだ生きてるだけ、こうして
話せてるだけでもまだ
ええ方やねんで。儲けもんやん
万次郎が生き残ったのにまた
おまえが寝たきりなったらあかんで。
いつまでも泣きよる暇あんなら
万次郎連れて遊び行こや。

また。家族で、ユニバ
行きたいな
俺こんななってもうたけど
中学のときはおもろかったよな

せやな、やけど
過去より今楽しもうや
しみったれてる時間は
しょうもない。

あほやな、真一郎
俺もうそんな事
気にしてへんやんか
また前みたいに兄弟
仲良くやろや
せっかく俺退院できたんやで
暗なんのもう辞めてや。

ほんまに、それな
こうして皆一緒に
居れてんやからええやん
そりゃさ、あの時は俺もさ
焦ったけど。
兄ちゃん守るためなら
なんぼでも………

やけどさ、陰口叩かれてた
俺の為にわざわざ全く同じこと
いじめっ子グループに
言い返したんは、あかん事やったぞ？ けどほんまにありがとなそのお陰で俺生きてれるし

下手したら、俺も変な方向
行ってたんかも知らへんなぁ
そやけど、万次郎も春千代も
俺達の可愛い弟やからさ
何かあれば、いや無くてもやけどさ
俺達に頼ってや

言うて、圭兄が
1番頑張り過ぎてるやろ

真一郎も、やで？
頑張らんでエエから
いつも通りにしとって欲しいな
無理くり頑張る2人みてる
俺らもしんどいからさ

頑張るなとはいわへんけどな
程々にしてや
闇堕ちされても困るし

ほらほら、食べれる時に
食べときや、堅とこの食堂
やねんから気使わんでええよ

あれ、どないしたんや
真一郎

そうなん？
あァここまだ 私の店ちゃうぞ？
この店ぎ私のになんのはまだ
4年後の話やからな。確実やないが

そやろな、そないに
すぐは決まらせぇへんわ
俺でも8年かかった
自分で吹奏楽教室開くのにな

なんかさー、タイムリープ
繰り返しすぎて今が一体
何年なんか解らんなるねんな

それなー、手近なら
隆とかナホヤ……ぐらいか

真一郎、あんま無理しやんで

ホンマそれやなWWW

ま、家の家系がそうやから
仕方ないやろ
それは受け入れようや

どないしたん？

ここで、諦めるん？

もう少しやから、やれるだけ
頑張ろ、お互い無理せぇへん
程度にやけどさ

あ。真にいちゃん

せやろなーとは思たわ
タイムリープ繰り返しすぎて
そろそろ疲れたなら、俺に任して！