春海暗
春海暗
春海暗
春海暗
春海暗
大学の友達と飲んだ帰り。
風に当たりたくて ぶらぶらと、街を歩いていた
りうら
まだ冬にはなっていないが 既にマフラーが無いと 寒くらいだった
夜の店やらの勧誘を無視して 行くとこもなく歩く
ふと、細い路地裏を見つけた
何かあるかもしれない…!
その好奇心に負けた俺は ゆっくりと路地裏に入っていった
少し明かりがついているが とても暗い
少しずつ足を進める
グスッ…
りうら
誰かの泣く声
その正体は 少し目線を下げた所にあった
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
薄く毛布を羽織って 震えている男性
見た感じ年上だろうか
りうら
男性がパッと顔を上げる
桃色の目をしていた
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
りうら
りうら
りうら
警戒されないように 優しく話す
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
寒さのせいか 声が震えている
りうら
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
りうら
ないこ
りうら
戸惑いながらも着いてくる その足は小さく震えていた
りうら
ないこ
りうら
ないこ
あだ名で呼んだことに 少し驚いていたが
すぐに話し始めてくれた
ないこ
りうら
ないくんは目を丸くした 俺はニコッと笑ってみせる
りうら
ないこ
りうら
ないこ
ソファに座ってボーッとする
ないくんの首 赤い跡があった
りうら
俺だったら 不安になんてさせないのに
ないこ
りうら
汚れが落ちて 血色も良くなったないくん
綺麗な桃色の髪と目が 俺を魅了した
ないこ
りうら
りうら
ないこ
りうら
ないこ
苦笑いをしながら 頭を抱えている
…かわいいな 表情がコロコロ変わる
りうら
ないこ
りうら
ないこ
りうら
りうら
ないこ
ないこ
りうら
ないこ
りうら
ないこ
ないくんが悲しそうに俯く
りうら
ないこ
ないくんの目に涙が浮かぶ
俺ならそんな顔させないのに…
ないこ
ないくんがフワッと笑う 少し安心してくれたみたいだ
ないこ
ないこ
りうら
ないこ
りうら
りうら
ないこ
俺が拗ねたような顔をしたからか ないくんは笑ってくれた
もっと一緒に居たかった
りうら
俺たちが会った路地裏の入口
りうら
ないこ
ないこ
りうら
俺のアドレスが書かれた紙
そっとシャツのポケットに入れた
ないこ
りうら
そっと…頬に手を伸ばそうとした
いふ
ないくんが呼ばれた方を 振り返る
青髪のおそらく彼氏が 走ってきた
ないこ
いふ
いふ
ないこ
ないこ
ないくんに手を振り返す
いふ…と言うやつに睨まれたが 全く気にしていなかった
りうら
好きになっちゃったじゃん…
数日後
ないくんから連絡があった
久しぶり。 よかったら遊びに行かない? お礼もしたいし
俺は二つ返事で了承した
あまりに楽しみで だいぶ早く着いてしまった
ないこ
あの日とは違う
ネイルにピアスに… 着飾ったないくんに見惚れていた
りうら
りうら
ないこ
でも、少し不自然だ
身体を隠すように着込んでいる
今日はさほど寒くない
その証拠にないくんは 汗をかいている
何か隠しているのは 一目でわかった
りうら
ないこ
それでも今は楽しんでほしい
2人で約束していた 場所に向かった
りうら
ないこ
カラオケやらカフェやら 行ったあと
「今日帰らないって 言ってあるから…」
そう言われ家に連れてきた
きっと許可なしに遊びに来ているのだろうが、それは聞かなかった
りうら
ないこ
りうら
気になっていたことを口にする
ビクッとないくんが 反応した
りうら
ないこ
無言で服を脱ぎ始めたないくん
りうら
青あざだらけで やせ細った身体
見ているだけで痛々しい
りうら
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
話す声は震えている
異常だ。 恋人に傷をつけるなんて
りうら
りうら
自然と口から出ていた
でもないくんは その言葉に顔を上げた
ないこ
ないこ
その夜。ゆっくりとないくんを抱きしめた
不安なんて感じないように
ないこ
りうら
ないこ
あの日、俺たちが会った路地裏
ないくんの下には 赤く染まった 青髪の彼
ないこ
りうら
すっかり赤くなった 全身のあざ
ほんのり染まった頬 飛び散った血
りうら
りうら
ないこ
腕を広げると ぎゅっと収まるないくん
異常だった彼。
いや…それよりもっと
異常なのは 俺たちなのかもしれない
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