すとぷり　短編集②

ピンポーン

ｶﾞﾁｬｯ

また、すごいイケメンが来たな.....

これは、僕が高校3年生の時のお話。

当時成績が伸び悩み、受験に向き合えず、当時付き合ってた人に会うことばかり考えてたんだけど.....

今までの生活から一転。

それからは、学校が終わるたびにさとみ君は僕の家に来た。

何とかサボろうとしても行動を読まれてしまい、さとみ君が来る日は勉強漬けになっていった。

恋人との時間もあまりとれなくなって、ヤキモキしていたある日。

恋人が以前から別の人と付き合ってたことが分かった。

そのまま即別れを告げた。

その日もさとみ君が来る予定だったけど.....

勉強なんかする気になれなくて、お母さんに今日は勉強できる状況じゃないと伝え、部屋に戻った。

サボっちゃったなぁ。

ﾋﾟﾛﾛﾝ

少しすると、携帯に一通のメッセージが届いた。

お母さんから話聞いたよ。 大丈夫？ 少し勉強詰め込み過ぎたかもね。 ごめん。 お詫びに今度の休み、息抜きいかない？ 何でも好きなものおごるよ。

なんて思ってきたわけだけど,,,,,

来るの早っ！

そしてやっぱり顔めちゃくちゃいい！！

ﾊｯ

別の人に気が向いてる自分に嫌気がさした。

その後は、約束通り好きなもの(パフェ)を奢ってもらって、いろんなところに遊びに行った。

思ってた以上に楽しくて、とても心地よい時間だった。

自宅までの帰り道、途中にある公園でさとみ君と話した。

他愛もない話から始まって,,,,,

それからは、押し寄せてくる気持ちを抑えられず...

受験で悩んでいたこと、そして、恋人に浮気されていたことを話した。

ああ、僕、さとみ君に

恋、しちゃったんだ。

さとみ君の大きく温かい掌。 その薬指にはシンプルな『指輪』が付いていた。

さ と み 君 に は 恋 人 が い る 。

直接聞いたわけではないけど、いつも左手の薬指に指輪を付けていた。

なんて、聞く勇気もないし

あー！！もう考えない！僕は受験勉強をするの！！

………落ち着け、僕。大丈夫。

そういえば、あれからさとみくんの授業で変わったことがある。

それは＿＿＿＿。

ほめてくれる時。

あの時と同じように、頭をなでてくれるようになったこと。

付き合うことなんかできないし、高校生なんて相手にされないだろうと思い込んでたから、それだけでも嬉しかった。

そして、ついに受験を迎えた。

さとみくんからもらったお守りをバッグにつけて挑んだ。

出せる限りの力を出し切り、後は結果を待つのみ。

結果発表はいよいよ明日。

早く寝ようとベッドに入った時、

明日。会いに行く。

さとみくんからのメッセージをみて、僕は眠りについた。

そして、合格発表。

ゆっくりと1つずつ番号を確認していく。

受験に合格したことだけでいっぱいいっぱいだった僕は動揺しながらも涙をこぼして何度もうなずいた。

その後、さとみくんに指輪のことを聞くと、少し、女性が苦手みたいで、声を掛けられる回数を減らしたかったらしい。

今ではそのための指輪じゃなくて、ちゃんとお揃い指輪を付けてるし、

喧嘩もするし、楽しいことばっかりじゃないけど、さとみくんとは、

来年、同性結婚が認められたら日本で初めてのカップルになろうねって、やくそくしてますw