私
こんな日は、危ない。
私
頭の中に、うすい膜がずっとかかっているようだ。
私
世界の全てがぼんやりして見える。
私
「デスコ」という漫画を人から借りて読んだけれど
私
それにこんなシーンがあった。
私
ヒロインはおかっぱ頭の女の子。
私
その子はまだ子供だけど、凄腕の殺し屋なのだ。
私
殺しをしてない時のデスコはもぬけの殻になる。
私
そして、デスコの頭の上には黒い雲がやってきて、デスコにだけ雷や雨を降らすのだ。
私
この時期、月に一度のこの時期の私も全くそんな気分だ。
私
こんな日は危ない。
私
考えてはいけないと思っているのに、頭の中はそんな願望と破滅的な夢で、いっぱいになってしまう。
私
男に、殺されたい。
私
私を殺す男が、現れる。
私
甘い言葉で私を誘い、ホテルに連れ込み、優しく抱く。
私
だが、昂ぶってきた男はやがて本性を現す。
私
彼は私の目を見つめながら、世紀を結合させたままで、私の首を締めるのだ。
私
映像が、頭の後ろに見える。
私
まるで、後頭部がスクリーンにでもなっているように。
私
息が荒くなる。まっすぐ家に帰れない。
私
私の足は、何かを求めるように、流川へと向かって行く。
私
普段通勤に使うバス停から1本入っただけで、街は一気にいかがわしくなる。
私
心のどこかで、私を殺す男との邂逅を願いながら、ゆっくり、ゆっくり、のろのろした足取りで歩く。