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なんでこんな従者しか 来なかったのかしら。

計画が台無しじゃない!

そうさっきまで文句をぶちまけていた ターナー家の姫君は

名を【マリア・ターナー】 といいました。

彼女は城の中で唯一 クリジアの王族の血を引くお姫様で

クリジアの王族の末裔と ギリカール人から生ました。

ルシタス城の中で、 ギリカールとクリジアの混血は マリアだけです。

よって

彼女は城の中で異色な存在として 扱われていました。 

マリア

…シ、

マリア

シゼといったわね。

マリア

私のことはマリア様とお呼びなさい。

シゼ

はい、マリア様。

マリア

…よろしい。

マリア

早速だけど、私はこれからギリカールの友人とお茶会なの。

マリア

シゼもついてきなさい。

マリア

そこで私の食の好みや、貴族のテーブルマナーを目で学ぶと良いわ。

シゼ

かしこまりました。

シゼ

(表情が固いなー…。)

シゼ

(お互いに気まずいし、何話せばいいのか分からないよ…。)

シゼ

…。

シゼ

シゼ

(…でも、まぁ)

シゼ

(時間をおけば隔たりも消えるだろうし)

シゼ

(今はこれからのお茶会に集中しよっと…。)

マリア

シゼ。

バッ (急にマリアが振り返る)

シゼ

っ?…

マリア

一つ言い忘れていたわ。

マリア

私の従者は恋愛を禁止しているの。

マリア

もし好きな人ができた場合は私にその人が誰か必ず言いなさい。

マリア

破った場合は即解雇するわ。

マリア

いいわね。

シゼ

シゼ

はい…かしこまりました。

シゼ

(??…)

マリア

お茶会は月に一回必ずあるの。

マリア

天気のいい日は大概この先のお庭でやるわ。

シゼ

なるほど…。

シゼ

!…

シゼ

(お茶会って室内じゃないんだ。)

シゼ

(見たことのない花がいっぱい咲いてる、とっても綺麗…。)

ギリカールの貴族女性

あら!マリアじゃない!

ギリカールの貴族女性

ごきげんよう。

ギリカールの貴族女性

ほら、貴方達も挨拶なさい。

ギリカールの貴族女性

ごきげんようマリア。

ギリカールの貴族女性

今日も素敵なドレスね。

ギリカールの貴族女性

さ、はやく座ってくださいな。

マリア

ごきげんよう。

マリア

シゼ、頭を下げなさい。

シゼ

はい。

シゼ

…。ペコッ

シゼ

(この人達がギリカール人の貴族か…。)

シゼ

(前にアークはギリカール人は私達クリジア人を差別してるって言ってたけど)

シゼ

(クリジア人のマリア様を笑顔で迎えるあたりこのグループは仲良しなのかな…?)

ギリカールの貴族女性

あら、

ギリカールの貴族女性

ひょっとして、新しい侍女?

ギリカールの貴族女性

とってもかわいいわね。

ギリカールの貴族女性

ギリカールの貴族女性

馬鹿でブサイクなお前にはもったいないくらいよ。

シゼ

シゼ

(えっ…?)

マリア

…。

ギリカールの貴族女性

まだ小さいけれど、親の七光りのアンタより全然かわいいし、

ギリカールの貴族女性

大きくなったら

ギリカールの貴族女性

また前の侍女みたいにあっという間に婚約者を奪ったりして…ふふふww

ギリカールの貴族女性

不運な女よね〜w

ギリカールの貴族女性

まぁクリジア人だから仕方ないですわww

シゼ

っ…?

ギリカールの貴族女性

ほらっ!

ビチャッ!!

(マリアのドレスに紅茶がかかる)

マリア

!…

ギリカールの貴族女性

あははははは!

ギリカールの貴族女性

クリジア人のくせに姫とか名乗ってんじゃないわよ、この間抜け。

ギリカールの貴族女性

とっととこの城から出ていけばいいのにw

ギリカールの貴族女性

いっとくけどお前の味方なんかどこにもいないわよ?

ギリカールの貴族女性

頼むからとっとと実家に帰ってくれない?

ギリカールの貴族女性

ほら、黙ってないで何か言って見なさいよwww

シゼ

…。

シゼ

(…酷い。)

シゼ

(残念ながらアークの言ってたことが正解だったみたい。)

シゼ

(ギリカール人はクリジア人をこうやって扱ってるんだ…。)

ギリカールの貴族女性

ほら、アンタ達。

ギリカールの貴族女性

今日はせっかく可愛い侍女がいらしたの。

ギリカールの貴族女性

アレをマリアに食べさせてあげなさい。

ギリカールの貴族女性

はぁーい♪

パカっ (壺を開ける)

うじゃうじゃ…

シゼ

!…

ギリカールの貴族女性

とれたての美味しい毛虫よ。

ギリカールの貴族女性

さて、どれからいこうかしら。

マリア

っ…や、やめて。

ギリカールの貴族女性

はぁ?

ギリカールの貴族女性

「やめて。」じゃなくて「やめてください。」が正しいのではなくて?

ギリカールの貴族女性

もう一匹追加しましょう。

ギリカールの貴族女性

まったく、親はどんな躾をしたらこんな女を育てられたのかしら。

マリア

!…

マリア

や、やだ…っ、

マリア

たすけて…。

シゼ

!…

シゼ

シゼ

…あの、

シゼ

少し待ってくださりませんか?

ギリカールの貴族女性

シゼ

先程、その虫だらけのティーカップの中から一際大きい虫が、

シゼ

貴方様のドレスの上を這っていったように見えたのですが

シゼ

大事ありませんか?

ギリカールの貴族女性

!?

ギリカールの貴族女性

えっ…

ギリカールの貴族女性

む、虫が…。

シゼ

はい。

シゼ

一瞬そう見えただけで、はっきりとは言えませんし、

シゼ

私の見間違いの可能性も十分あると思いますが…

シゼ

開けた瞬間、元気よく這い回っていたので

シゼ

最悪の場合

シゼ

ドレスの中に入って…

ギリカールの貴族女性

!!!??

ギリカールの貴族女性

ギリカールの貴族女性

ひいっ!?

ギリカールの貴族女性

いやぁあぁあッ!!!!!

マリア

ギリカールの貴族女性

か、考えただけでも気持ち悪い!

ギリカールの貴族女性

帰るわよ!アンタ達!

ギリカールの貴族女性

マリアに構ってるどころじゃないわ!

タッタッタッ…

(ギリカールの貴族女性達が 走り去っていく)

シゼ

…。

シゼ

(よし、これで完了っと)

マリア

…。

シゼ

!…

シゼ

マリア様、大丈夫ですか?

マリア

…。

マリア

ええ。

シゼ

それはよかったです。ニコッ

シゼ

とりあえず、そのドレスをなんとかしましょう。

マリア

…そうね。

マリア

部屋に戻って着替えることにするわ。

マリア

マリア

早速部屋に帰るわよ、シゼ。

シゼ

はい。

シゼ

汚れた服は洗濯しておきますね。

マリア

…。

マリア

……ええ。

シゼ

…。

シゼ

(気まずいな…。)

マリア

ごめんなさいね。

シゼ

?…

マリア

申し訳ないけれど、あれが私に対するギリカールの扱いなの。

マリア

先程の醜態を見て、がっかりしたでしょう。

シゼ

シゼ

いえ、そんな…。

マリア

遠慮しなくていいわ。

マリア

マリア

私自身も自分にがっかりしてるもの。

マリア

所詮私は

マリア

ギリカールの中の邪魔者。

マリア

クリジアの血を持つ私に、優しくしてくれる人なんてここには1人もいない。

マリア

それどころか

マリア

毎日笑われて、けなされて

マリア

マリア

侍女だったギリカールの女に婚約者を奪われる始末…。

シゼ

!…

マリア

…っ、

マリア

思い出すだけで涙が出そうだわ。

マリア

本当に好きだったの。

マリア

…私を愛してくれたあの人のことが。

マリア

奪われたなんて、騙していたなんて信じたくなかったわ…。

マリア

もっと…そばにいたかったわ。

シゼ

…。

マリア

…。

マリア

……これからもずっと、ギリカールの嫌がらせは続くと思うわ。

マリア

誰からも愛されないまま馬鹿にされて私は死ぬの。

シゼ

!……

シゼ

(マリアの唇…震えてる。)

シゼ

シゼ

(従者もいなくて私が来るまでは1人ぼっちだったんだよね。)

シゼ

(…私が来るまでは今みたいな時、泣いてたのかな…。)

シゼ

シゼ

そうですか…。

シゼ

…なら、

シゼ

私も喜んで馬鹿にされましょう。

マリア

っ!?

シゼ

私はマリア様の侍女です。

シゼ

誰も味方がいないのなら私を味方にしてください。

シゼ

今日から働く身ですので未熟ではありますが、

シゼ

マリア様の思い通りに望むままに動くのがここでの私の仕事なんです。

シゼ

私は裏切りませんし、

シゼ

馬鹿にもしません。

シゼ

婚約者を奪うほど忠誠心がない女でもないのでご安心を。

シゼ

というか、そんなことをする人は侍女とは呼びません。

シゼ

前のギリカールの侍女と同じにされては困ります。

マリア

!…

シゼ

それに。

シゼ

私もマリア様と同じクリジア人ではないですか。

シゼ

それに、私達はこれからここで一緒に生活するんです。

シゼ

今は信じれなくても

シゼ

私はマリア様と仲良くなりたいです。

マリア

ほ、

マリア

本当に…?

シゼ

はい。

マリア

貴方は、私の恋人を取ったりしないのね…?

シゼ

しません。

シゼ

シゼ

といっても、

シゼ

会ってまだ少しなので信憑性ありませんね。

シゼ

これから信頼が掴めるよう頑張ります。ニコッ

マリア

シゼ…。

マリア

ありがとう。

マリア

早く立ち直れるよう、私も頑張るわ。

マリア

…ところで、

シゼ

?、はい。

マリア

シゼのお兄様から聞いたのだけど

マリア

貴方、物語を書いてるのよね?

マリア

私にも読ませてくれないかしら?

シゼ

!…

シゼ

えっ、

シゼ

(((マーキス何話してるの)))

シゼ

(絶対無理なんだけど…)

シゼ

いや…その、

シゼ

私の作品など、マリア様のお目汚しになると思い…

マリア

主人からも命令よ。

マリア

見せなさい。

シゼ

!…

マリア

ふーん…。

マリア

雨を降らせる精霊のお話なのね。

マリア

かわいい設定だわ。

マリア

30分ほど読ませて頂戴ね。

シゼ

…。

シゼ

((((((うわぁぁぁあぁああ!!!)))))

シゼ

(私の人生もうここで恥一色に染まった…。)

シゼ

(まだ書きかけだし、タイプライター使ってないから走り書きだし、)

シゼ

(穴があったら入りたい…。)

30分後

マリア

……。

マリア

マリア

ンッ…。

マリア

…シゼ、

シゼ

マリア

読ませてもらったわ。

マリア

面白かった。

シゼ

それはよかったです…。

シゼ

汚い字で読みづらくしてしまってすみません。

マリア

大丈夫よ。

マリア

マリア

それより、

マリア

一つ聞きたいことがあるのだけど、良いかしら?

シゼ

?…

シゼ

はい…?

マリア

シゼは…

マリア

っ、

マリア

その…

マリア

男性同士の恋愛とかに興味はあったりしなくて…?

シゼ

!!?

シゼ

はぁっ!?

マリア

シゼはすごいわ。

マリア

マリア

一人一人の描写が細やかで、キャラクターの姿が目に浮かんでくる。

マリア

ストーリー性も高いけれど一番圧巻されたのはキャラクターの描写。

マリア

人の持つ美しさには花のように色とりどりかつ繊細で複雑ものがあるけれど。

マリア

シゼはその一人一人の美をハッキリと書き表せている…。

マリア

これは素晴らしいわ。

マリア

こんな文章力…

マリア

男性同士の恋愛ならどんな作品ができちゃうのかしら…。

マリア

見たい。

マリア

ぜひとも読みたい。

マリア

絶対いいに決まってる。

マリア

一回でいいわ、シゼ。

マリア

男性同士の恋愛作品を私に書いてくれないかしら。

シゼ

えっ、いや

シゼ

ちょちょ、ちょっと待ってください!

シゼ

ま、

シゼ

シゼ

マリア様はひょっとして

シゼ

そういうものが好きなのですか?

マリア

ええ、好きよ。

マリア

初めて見た時は衝撃的だったけど、今では公務の後いつも読んでるの。

マリア

結構好きな人多いのよ?

マリア

そういう書籍もたくさんあるわ。

シゼ

……。

マリア

そんなわけで、

マリア

書いてもらえないかしら?

シゼ

…う、

シゼ

うーん…

シゼ

そうですね。

シゼ

(BLものか…書いたことないし、読んだこともないなー…)

シゼ

…個人的にそこの世界は嫌いではないんですが

シゼ

恐れ入りながら私は男女の恋愛が堪らなく好きでして…

マリア

!!

マリア

そんな…。

マリア

ッ…お願いっ!

シゼ

っ!?…

マリア

お願いーーっ!

マリア

書いて書いてお願い!

マリア

貴方が書く可愛い男の子同士がキャッキャウフフしてるのを読んでみたいの!

マリア

あ、

マリア

でも1人に対して4、5人が一斉に群がるのも好きよ(早口)

マリア

ねーお願い…!

シゼ

…く、苦しい…。

第2話 おわり

とある物書きの挑戦譚【第二期】

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コメント

11

ユーザー

マリア様、気が合いそうね←

ユーザー

シゼ様。もしお描きになられたならばどうかその書物を私にも((( なんだろう…すごいキャラクターに感情移入できる…本当にそこら辺尊敬

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