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季節は移り 袖が少し暑く感じ、 蝉がうるさく感じる季節となった

教室中に響いた聴き慣れた声 チョークの音 蝉の鳴き声

チョークで白くなった手 少し気怠げな表情 ピアスをしていない耳

せんせーからする甘い飴の匂い 夏らしいジメッとした匂い

いつも以上に先生らしいせんせーは

何処か新鮮だった

授業退屈、めんどくせぇ~

暇で蝉が鳴いている窓を眺め、想いを馳せる

(バシッ

い"っ、

うちの授業を聞かずに 外を見るとは~

知らねーよっ

御前の授業がつまらんのが悪い

これでも頑張って 授業してるんだけどな~、

せんせーは悲しげな顔で俯いた

俺は一気に罪悪感に襲われて

とても申し訳ない気持ちになった

ご、ごめん

笑)っ、フッ

だいじょ~ぶっ

な、なんだよ!

罪悪感を抱いた自分が馬鹿みたいだと思った

ハハッ

そんなんで気病んだりしねーよっ

っう、なにふんだよ

笑)ウケる~

せんせーは俺の頬を常りながら笑みを零した

次夜蛾センの授業でしょ

早く行かないと怒られるよ~

おう

あ、飴食べてくれた?

本当は食べてないけど 食べてないなんて言ったら怒られると思った

だから、俺は嘘を吐いた

…食べた

え、マジ?!

じゃあ~

あ!眼瞑ってて!

おう

今度は沈黙ではなく せんせーの下手くそな鼻歌が聴こえた

いいよ!

ん、

また飴?

そーだよ~

飴には「V」と書かれていた

訳が分からなくて、俺はせんせーに聞いた

ぶい?どういう意味

そのうちわかる

ほらほら

傑も硝子も行っちゃったよ!

あ、え、まじじゃん!

行ってくるわ

いってら~

飴サンキュ!

う、うん/

白side

ほらほら

傑も硝子も行っちゃったよ!

彼は首を振って周りを見渡した

彼の白い髪の毛からふんわりと花の香りがした

あ、え、まじじゃん!

行ってくるわ

いってら~

本当はもっと話していたいなんて

欲深いだろうか

飴サンキュ!

初めてみた笑顔

その笑顔をどうしようもなく愛おしく想った

う、うん/

大きな手を振りながら彼は

教室を出た

あ~疲れた"~

大丈夫か?

硝子

最近御前ら任務出過ぎだろ

それはそう

だけど…、

ガラガラ

たっだいま~

せんせーの方が出てるでしょ

それはそうか

ん?なになに

何の話~?

硝子

最近任務出過ぎじゃないですかっていう話です

笑)あ~ほんとにね疲れる~

いつも弱音を吐かないせんせーが 疲れたと言った

実際もっと疲れているんじゃないか とすら思った

でも星奬体の護衛任務が入ったんでしょ~

みんなの方が大変だって

いや、そんなこと

餓鬼のお守りとか楽勝でしょ

アハハッ

頑張って来なね~

いつからだっけ?

3日後です

そーかい死なないでね~

死ぬ訳ない

笑)すごい自信だね

まぁ精々頑張るんだな

ガラガラ

夜蛾

白いるか

は~い

夜蛾

任務だ

またか~

夜蛾

2日間の滞在になる

夜蛾

岩手だ

岩手?!遠くね

夜蛾

まぁ話を聞け

夜蛾

内容は━━━

また長く会えなくなるね~

そうですね

悟達って何処だっけ

沖縄

笑)真反対

笑)っ、フッ

てか、せんせーも死ぬなよ

うちが死ぬとでも?

硝子

それもそう

笑)

笑)

笑)

硝子

笑)

丁度2日間会えないんだな~

え、何?寂しいの?

な訳ねーだろっ

その時は飴を食べるんだな

あ!もう1個あげるよ

もういらねーっての

いいのいいの

硝子

飴ってなんの事~?

今度は硝子と傑の声が教室に響いた

なんか飴くれんのよせんせーが

ふーん

はいこれ!

実はいらないなんて言ったけど 飴になんて書いてあるのか幼子のように 楽しみにしていた

さんきゅ

次にすぐ飴を見つめた

そこには「L」と書いてあった

前までは砂糖の塊としか思っていなかったけど 今ではせんせーと俺を繋ぐ唯一の物だと思う

次はLか

どういう意味?

まだわかんないか

次には分かるかもねっ

おう

この人はまた次が気になるような言い方をする

次なんてあるのかどうかすら分からないのに

この作品はいかがでしたか?

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