タクシーの揺れでバランスを崩し そのまま陽の肩に寄りかかった堂珍
陽
(ひぇ…!!寄りかかってる!寄りかかってる!堂珍さんが私の肩に寄りかかってる!どうしよ…)
突然の出来事に動揺している陽だったが、自分に寄りかかったまま眠っている堂珍の姿が気になりチラリと横目で様子を伺ってみる
堂珍
Zzzz...。
陽
(………ドクンッ。
なんて美しい…
ハッ!ダメだダメだ!私はマネージャー…私はマネージャー…私はマネージャー…。)
なんて美しい…
ハッ!ダメだダメだ!私はマネージャー…私はマネージャー…私はマネージャー…。)
窓から入ってくる夜のネオンの灯りが堂珍の顔をキラキラと照らし、その白く澄んだ肌と彫刻のような顔がいつもの何倍も美しさを増しているように見えた…
陽
(私はマネージャー、私はマネージャー、私はマネージャー…
堂珍さんのお家に着くまでこの言葉をずっと唱えていよう…。)
堂珍さんのお家に着くまでこの言葉をずっと唱えていよう…。)
堂珍
ンン…(ガサ
堂珍の体が陽の方へ傾き 更に顔の距離が近くなる
陽
(近い近い近い!!
もしかして堂珍さん起きてる?わざと?いやそんな訳ないか…早く家に着いてくれぇ!気が保たないよー!)
もしかして堂珍さん起きてる?わざと?いやそんな訳ないか…早く家に着いてくれぇ!気が保たないよー!)
思わず体に力が入る陽。
陽
(な、なんか変な汗かいてきた…)
しばらくしてタクシーは堂珍の家の近くに差し掛かった。
陽
(もうすぐ着く…
体に力が入りっぱなしで辛い…
相変わらず堂珍さんは眠ってるけど、そろそろ起こさないと。)
体に力が入りっぱなしで辛い…
相変わらず堂珍さんは眠ってるけど、そろそろ起こさないと。)
陽
堂珍さーん。もうすぐお家に着きますよ?起きてくださーい!(トントントンッ
肩を軽く叩きながら堂珍を起こす陽。
堂珍
んん…?
陽
あ、堂珍さん!起きましたかー!タクシーでお家にむかってますよー。
堂珍
んん…家…
いえぇい……。Zzz
いえぇい……。Zzz
陽
なに今の…
いえぇい、て…
いえぇい、て…
陽
もうー!堂珍さん!ふざけてないで!起きてくださいってば!(ユサユサユサ!!!
陽は少し強引に堂珍を起こす
堂珍
んもう…なにぃ…?
陽
なにぃ?じゃないです!家に着きましたよ!
タイミング良くタクシーは堂珍宅のマンション下に到着。
堂珍
ぉえ…?もう家?
なんでえ?
なんでえ?
陽
なんでぇ?じゃないですよ!堂珍さん居酒屋で寝落ちしちゃったんですよ!
堂珍
そのままにしてくれてたら、また復活したのに…
陽
いや、そんなの気が気じゃないですよ…
堂珍
もっとお酒呑みたかったぁ、今からさっきの居酒屋に戻っ…
陽
ダメに決まってるでしょ!
それに川畑さんも寝落ちしちゃって帰りましたよ。
それに川畑さんも寝落ちしちゃって帰りましたよ。
堂珍
え…?そうなの?珍しい。
陽
それは堂珍さんもでしょ…
とりあえずタクシーから降りてください!
とりあえずタクシーから降りてください!
堂珍
ん……
ガサッゴソッ…
陽
あーもう、フラフラだ…。
コケないでくださいよ?
コケないでくださいよ?
堂珍
うん…。(ガチャッ
あ…
あ…
バサッ タクシーを降りた途端、歩道のわずかな段差に躓きコケた堂珍。
陽
あーあー!堂珍さん!
早速、コケてるじゃないですか…
早速、コケてるじゃないですか…
堂珍
うう…。
陽
運転手さん、ありがとうございました!お騒がせしました…
タクシー運転手
いえいえ。笑
ありがとうございました。お気をつけて!
ありがとうございました。お気をつけて!
ブォーン… 走り去るタクシー
ヨレヨレの堂珍を抱えマンションのエントランスまでなんとか移動した陽
陽
よいっしょ……っと。はぁ…堂珍さん!オートロック開けれます?
堂珍
ん、開けれるう……
陽
早く開けてください…
ガチャッ ウィーン。
陽
ふぅ…。ここまで来たら大丈夫ですよね?
堂珍
んん…大丈夫ぅ
陽
………。
いや、大丈夫じゃないですね。
申し訳ないですけど、お家に入ったのを見届けてから帰りますね。
いや、大丈夫じゃないですね。
申し訳ないですけど、お家に入ったのを見届けてから帰りますね。
堂珍
家の中見られんの恥ずかしいなぁ…
陽
こっちだって家に上がり込むの恥ずかしいですよ!
ほら、行きますよ!
ほら、行きますよ!
堂珍
うぅ〜。
陽
(大きな赤ん坊だ…)
ガチャッ
陽
お邪魔しますっと……。
やっと着きましたよ、お家!
やっと着きましたよ、お家!
堂珍
ただいまぁ…
ありがと……Zzz
ありがと……Zzz
陽
いや、玄関で寝ないでぇ…!
ちゃんとベッドまで行って寝てくださいー!
ちゃんとベッドまで行って寝てくださいー!
堂珍
ここで寝るから大丈夫…。
陽
大丈夫じゃないです。
堂珍
Zzz…
陽
えぇ…。
(こんな状況のまま帰れない。)
(こんな状況のまま帰れない。)
陽
もーう!!!(グィー!
堂珍の体を強引に引っぱり ベッドルームへ運ぶ陽。
堂珍
イテテ…
陽
痛いならちゃんと起きてください!
堂珍
分かった分かった…起きるから痛いのやめてえ…
陽
ふぅ…。
ようやく起き上がり目を虚ろに開けフラフラと歩き出した堂珍。
堂珍
んん、お風呂入ってから…寝…る。
陽
そ、それはご自由にどうぞ!ふぅ…やっとちゃんと起き上がって歩いてくれましたね。
陽
(もう大丈夫そうかな?)
陽
もう大丈夫そうなので、私はこれで失礼しますね!ゆっくり休んでくださいね?
おやすみなさい。
おやすみなさい。
ガシッ
堂珍
なんで…?
陽
……!!///
堂珍は帰ろうとする陽の腕をおもむろに掴み引き留めた。
陽
ちょ…!
なんでってどういう意味ですか…///
なんでってどういう意味ですか…///
堂珍
なんで帰るの?
陽
はぁ?//
堂珍さん酔っ払っておかしくなってますよ!
堂珍さん酔っ払っておかしくなってますよ!
堂珍
酔っ払ってないよ
陽
明らかに酔っ払ってます!
私は帰ります!
私は帰ります!
堂珍
やだ。
陽
やだって…。
(なんなんだこの目の前にいる最強にヤンデレな生き物は…。)
(なんなんだこの目の前にいる最強にヤンデレな生き物は…。)
堂珍
もう終電ないでしょ?夜道危ない。
陽
いえ、タクシーで帰るので大丈夫です。
堂珍
んん…。そんなに俺と一緒にいるの嫌?
陽
………!?///
(いつもあんなにクールでミステリアスな雰囲気なのになんなの…!こんなの反則すぎる。)
(いつもあんなにクールでミステリアスな雰囲気なのになんなの…!こんなの反則すぎる。)
ギュッ 堂珍の陽の腕を掴む手に更に力が入る。
陽
ちょっと堂珍さん…///
力強いですって!
力強いですって!
堂珍
だって帰ってほしくないもん。
陽
な…///