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この美しい世界で君と

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この美しい世界で君と

3 - この美しい世界で君と

♥

36

2020年08月26日

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…………

エイミー

着いたわ!

エイミー

う~ん…まだ出てないなぁ

ニック

何が?

エイミー

何でもな~い!

エイミー

ちょっと話しましょ?

ニック

うん、分かった

エイミー

そっちの世界のことをもっと聞きたいわ───

少し経ったころ…

「ニャ!」

レオが空に向かって鳴きました

ニック

なんだ?レオ

エイミー

あ、ニック見て!

エイミーが空を指さしました

ニック

わぁ…

僕の目には空いっぱいに広がるオーロラが映し出されました

吸い込まれるような美しさで、僕は目を奪われました

ニック

僕オーロラなんて初めてだよ…!

エイミー

気に入ってくれた?

エイミーはこちらを覗きこみました

ニック

もちろんだよ!

ニック

ありがとう、エイミー!

エイミー

えへへ、どういたしまして!

僕はしばらく空を眺めていました

ニック

もう暗いね…

エイミー

そろそろ帰りましょうか

エイミーはランタンを取り出しました

ランタンの小さな明かりを頼りに家に帰りました

…………

エイミーの家

エイミー

はぁ…疲れた~

ニック

でも楽しかったよ

エイミー

ニックが喜んでくれたんだったら行ったかいがあったわ!

その日は疲れており、そのままベッドに直行しました

ニック

ほんとに一緒のベッドで寝るの?

エイミー

うん、嫌…かな?

ニック

いや!そういう訳じゃないよ

エイミー

じゃあ寝ましょ!

ニック

う、うん

人と一緒に寝るのなんていつぶりだろう

横で寝ているエイミーの体温が伝わってくる

僕の顔は真っ赤に染まりました

エイミー

ニック…?

トロンとした声で話しかけてくるエイミー

ニック

なに?

エイミー

あっちの世界に帰りたいと思う…?

ニック

正直なところ帰りたくないよ

ニック

エイミーといる方が楽しい

エイミー

ほんとぉ?

エイミーは睡魔と戦っているようで

目が閉じかけていました

ニック

うん、ほんと

ニック

エイミー、眠いなら寝てもいいよ

エイミー

でも、もっとニックと話したい───

エイミーの目は完全に閉じ、すやすやと寝息をたてています

ニック

おやすみ、エイミー…

コンコンコン

扉を叩く音で僕達は目覚めました

ニック

うぅん…

エイミー

誰…かしら

エイミー

見てくるわ

フラフラと玄関へ向かうエイミーを静かに見守りました

エイミー

は~い、どなた~?

ガチャ

エイミー

あら、おばあさん!

扉を開けて現れた人物は

優しそうなおばあさんでした

エイミー

今日はどうしてここへ?

おばあさん

ちょっとそこの子に話があるんじゃ

おばあさんは僕を指さしました

ニック

僕…?

おばあさん

あぁ、そうじゃ

ニック

何でしょうか…

エイミー

おばあさん、そこに腰掛けて!

エイミー

私はお茶を持ってくるわ!

おばあさん

助かるよ、エイミー

おばあさん

ありがとう

おばあさんはしわくちゃの顔でニコニコ笑いました

ニック

それでおばあさん、話とは…?

おばあさん

うむ、お主本の外から来ただろう?

ニック

どうしてそれを…!

おばあさん

ほほほ、私はこの世界の役人のようなものだからねぇ…

ニック

役人…

おばあさん

そうじゃ

おばあさん

それで…向こうには帰りたいのか?

ニック

向こう…

おばあさん

ゆっくり考えるといい

おばあさん

そうじゃ、向こうの世界の様子を見せてやろう

そう言っておばあさんが持っていた杖を床にコツンと当てました

その瞬間、僕の頭に映像が流れ始めました

(ニックの脳内)

ママ

ニック~?

パパ

ニック、どこだ?

ママ

どこに行ったのかしら…

パパ

家から出た形跡は?

ママ

ないわ…

パパ

心配だな

ニック

(心配…?)

ニック

(何言ってるんだよ、今更)

ママ

ニック…どこに行ったの

パパ

おい、大丈夫か?

ママ

今まで冷たくあったて…

ママ

本当にごめんなさい…ニック…

ママは泣き崩れました

パパはそんなママを抱き寄せています

ニック

…………

ニック

(僕のこと心配してるの?)

パパ

今からニックを探してくるよ

ママ

私も行くわ

パパ

あぁ、寒いからコートを着なさい

ママ

ありがとう…

おばあさん

どうじゃ?

ニック

あれは、本当にパパたちなの…?

おばあさん

あぁ、そうだよ

ニック

…………

おばあさん

戻りたくなったかい?

ニック

…………

ニック

僕は…

エイミー

はい、どうぞ~!

エイミーが紅茶を持ってきた

おばあさん

ありがとう、エイミー

エイミー

おばあさんのお気に入りの紅茶を入れておいたからね!

おばあさん

エイミーの紅茶は本当に美味しいんだよ

エイミー

ありがとう!おばあさん!

エイミー

さ、ニックも飲んで!

ニック

あ、ありがとう

エイミーが僕の横に腰掛けた

エイミー

何のお話をしていたの?

ニック

あぁ、それは…

おばあさん

ニックが元の世界に帰るかどうかだよ

エイミー

……!

エイミーが真剣な顔に変わる

エイミー

やっぱり…帰りたいの?

ニック

…………

ニック

僕は──
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