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そら💫
そら💫
――ドリームサンズ。 静まり返った屋上。 重なり合う視線の中で、ゆいの喉はひくりと鳴った。
ゆい
名前を呼んだ瞬間、空気が変わる。 ドリームサンズは一瞬、驚いたように目を見開き――そして、ゆっくり微笑んだ。
ドリーム
歩み寄る足取りは静かで、柔らかい。 けれど、他のサンズたちを無言で制する“確信”があった。
ドリーム
胸が苦しい。 逃げたいのか、縋りたいのか、自分でも分からない。
ドリーム
ふわり、と抱きしめられる。 暖かい。優しい。安心する――はずなのに。
ドリーム
他の視線が、遠のいていく。 いや――“消されていく”。
気づくと、森の中にいた。 柔らかな光が満ち、風は甘く、木々は優しく揺れている。 世界そのものが、夢みたいに美しい。
ゆい
ドリーム
ゆい
ドリーム
手を取られる。 その指先は、どこまでも優しい。
もう、他の場所に行かなくていいんだよ
最初は、幸せだった。 花はいつも咲いていて、空は曇らない。 ドリームはいつもそばにいて、微笑んでくれる。 けれど――
ゆい
ドリーム
ゆい
一瞬。 ほんの一瞬だけ、空気が凍る。
ドリーム
ゆい
ドリームは、相変わらず優しい顔で首を傾げた。
ドリーム
ドリーム
その言葉で、理解してしまった。 ――ここは理想郷じゃない。 管理された楽園だ。
ゆい
声が震える。
ドリーム
笑顔のまま、はっきり言う。
ドリーム
ゆい
ドリーム
肩に、そっと額を預けられる。
ドリーム
囁きは、どこまでも甘い。
ドリーム
ドリーム
日々は光に包まれて過ぎていく。 欲しいものは、すべて与えられる。
その代わり―― 自由だけが、どこにもない。 ゆいは微笑む。 微笑まないと、いけない。 だって彼は、こんなにも優しいから。 でも、その笑顔の奥にあるものを―― もう、見なかったふりはできなかった。
BAD END⑩ ― 夢の檻
ドリームを選んだゆいは、 光に満ちた理想郷へと連れていかれた。 そこには恐怖も痛みもない。 ただ、自由と外界だけが存在しない。 愛という名の管理。 守護という名の監禁。 ゆいは今日も、 優しい夢の中で微笑み続ける。 ――ここが夢か現実か、 考えることすら、もう許されないまま。
GAME OVER
*スタート
*コンテニュー
*終了
❤*スタート
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