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Episode8『記憶』

中学生の頃の記憶で鮮明に覚えていることがあるんだけどさ

この記憶は忘れたくても忘れられないし どうしても忘れたくない。矛盾だよね〜

中学生2年生の時 クラスに可愛い女の子が居た

可愛いと言っても顔が可愛いとか そういうのじゃなくてさぁ

髪は少し傷んでて 肌には少し吹き出物があって 平凡な顔つき

何かが上手って訳でも無い、本当に平凡

なんなら周りより劣ってるし、 嫌われそうなタイプ

クラスの中心にいる子の周りに引っ付いて いつもヘラヘラ笑ってる

そんな簡単に言えばキショい子 地味でクラスの真ん中よりちょっと端辺りに居る子

けどね、中学生だったあの頃いまだ未熟だった頃に出会った その女の子は他のどの子よりも可愛くて

最高に反吐が出そうなくらい最低だった

その女の子を誘ったことがあってさ

簡単な甘い言葉を吐いただけで その子はすぐに虜になったの

ベッドの中で交わったけど、正直最悪だった

体型は微妙だし抱き心地は悪い

キスをするにしても唇がガサガサで痛い

声もブッサイクで耳が痛かったし ほーんと最悪!

けど可笑しいことに、 そんな女の子に惹かれてしまった様な自分も居た気がするんだぁ

え?

なんで惹かれたかって?

んー…そうだなぁ

強いて言えば

グレイ

今まで全く見たことの無いタイプの子だったからかなぁ

グトナ

全く?

グトナの持ってるウイスキーのグラスに入っている 丸い氷が揺れカランと音を鳴る

時計は夜の1時を軽く回っている中 グレイはヒグレのバーで数人の友人たちと話している

グレイはカクテルをくいと飲んで話す

グレイ

そ、全く

レミッシュ

えー…そんな周り陽キャだらけだったのぉ…?

グレイ

いや、陽キャというよりはぁ…

?、どゆこと?

グレイ

容姿にお金をジャバジャバ注ぐ人ばっかだったからね

グレイ

あーんな中途半端な不細工をあんま見た事なかったんだよね〜

レミッシュ

中途半端な不細工ってぇ…

フィル

とんだ暴言だな

レミッシュやフィルから注がれる呆れ気味な視線を感じながらも グレイはケロりとした様子のままだ

そんな軽い雰囲気の中、グトナがグレイに尋ねる

グトナ

…グレイってさぁ

グトナ

この業界(夜職)だったらまぁ、普通のことだけどさ

グトナ

自分の素性とかあんまり言わないよね

グトナ

なんで?

その瞬間、先程までのグレイの軽い雰囲気が一瞬にして消え

笑顔が真顔に変わった

真っ暗な髪と瞳の美人の真顔は相当迫力があり なんとも言えぬ不気味さがる

周りの空気が冷えた瞬間、 ようやくグレイが口を開く

グレイ

……"私"の素性…ですか

背筋を伸ばし、真顔で丁寧で抑揚の少ない声で話しているものの 何処か目は虚ろであり

普段の少々幼さの残る姿からは想像がつかないくらい 洗礼され、高潔な印象を受ける

カクテルを持っているグレイの手は 震えていて、

今にも零してしまいそうになっている

グレイ

大変申し上げにくいのですが…私めの語彙が少ないばかりにご不快な思いをさせてしまう可能性がありますが故…

グレイ

先にご理解の方をお願いさせて頂きます

グレイ

では、まず…そうですね…

グレイが口元に手を当てながら 話を続けようとする

グ、グレイ?

グレイ

ん〜?なぁに〜?

樹の声に反応した瞬間、笑顔が戻り いつもどうりの軽い口調に戻る

グレイ

え、みんなどしたの?

グレイ

なんか暗くなーい?

グレイは何事も無かったかのように へラりと笑う

グトナ

いや……

レミッシュ

……

グレイ…

フィル

少々気まづさが残る空気の中 フィルが口を開く

フィル

…グレイ

フィル

…正直に言ったらどうだよ

グレイ

ん〜?

グレイ

なにを〜?

ヘラヘラと笑い 足を組み直しながらグレイが首を傾げる

フィル

っ…だからッ…!

フィルが声を荒らげた時、 店の奥からヒグレが顔を出し、グレイを呼ぶ

ヒグレ

グレイ、少し手伝って欲しいことがあるの

ヒグレ

奥に来てくれる?

グレイ

?はーい

グレイ

皆んなまたね〜

四人に手を振り、グレイが店の奥に行ったのを確認すると

ヒグレが四人のことを見て少々声の大きさを落として話し始める

ヒグレ

あの子も…相当苦労しているのよ

グトナ

…苦労?

ヒグレ

えぇ、私も断片的にしか教えられてないのだけれど…

ヒグレ

さっきの件も…自己防衛でね、

ヒグレ

無意識のうちにしている事だと思うから…もう触れないであげて

ヒグレ

…グレイの為にも、貴方達の為にもね

ヒグレの珍しく深刻そうな雰囲気に 四人が少々萎縮して、空気が重くなる

そんな中、樹が意を決した表情でヒグレを真っ直ぐと見る

あの…教えてください

知ってる限りで良いんで…グレイのこと…グレイの過去について…

ヒグレ

…樹ちゃん、そう言ってもね…

ヒグレ

…貴方達に教えられることじゃ…

ヒグレが樹の肩に触れようとした時、 樹が手を払い、泣きそうな声を押し殺したまま大声をあげる

分かってるってばッ!!!

無責任だってこともッ!
うちはそんな覚悟を決められる様な人間じゃ無いって事もッ!

レミッシュ

い、樹ちゃん…

けどッ…

屑だし、いつでもガキだし…面倒臭いし…最低だけど…

…唯一友達で居てくれて…仲良くしてくれた彼奴の助けになりたい…

だからお願いです…教えてください…

レミッシュ

…ボクからもお願いです…

レミッシュ

曖昧で気分屋だけど底抜けに明るいグレイ…友達のことが…

レミッシュ

…柄じゃないけど……心配なんです…

フィル

…後輩の家族兼友人の過去を知らないでいたら気分が悪い

フィル

…教えてください

グトナ

…3人とも、いい子だね

グトナが静かに笑ったあと、 席を立ちヒグレに頭を下げる

グトナ

柄でも無いし、大して深い関わりでも無いというのは承知の上です

グトナ

けど

グトナ

全員グレイ…友人について知りたいんです

グトナ

…クズはクズなみに色々考えてるんです

グトナ

ヒグレさん、お願いします

ヒグレ

……

ヒグレ

本当に…私も本当に断片的にしか知らないけど

ヒグレ

…それでもいいの?

四人は目配せをした後ヒグレの方をじっと見つめ、 ヒグレはそれを承諾と受け取る

すると、カウンター越しに立ち、 グレイと初めて出会った時の事を話し始めた

次回…Episode9『黒色の思い出』 投稿日…未定

煌びやかなモノクロの世界

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コメント

15

ユーザー

重たいのやめて欲しいなぁ!!!!!ねぇ!!!やめてよぉ!!!!(実質DV)

ユーザー

(っ'ヮ'c)<ウヒョォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ グトナが頭を下げた!!!!あのグトナがッッッ!!!(((( グレイの過去か…絶てぇ重いよな、自己防衛でめっちゃ雰囲気変わるんだし… 親の前とか姉の前ではああいう風になるんだろうか…

ユーザー

更新タスカルゥ( ¯꒳¯ )♡ 今回も面白かったです(白目)(げんじつからめをそむけたい) 次回のグレイ過去編(?)楽しみにしてます

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