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昔から、幸せは主人公が持つ物だと思っていた。
Nakamu
ただ同い年の子と遊んで、ただ優しい両親と笑って。 そこに在った幸せを、ただ享受していた。 それは、
Nakamu
呆気なく壊されていった。
Nakamu
国が行った理不尽な制裁で、小さな村は燃えて。 ついさっきまで感じていた人の温もりはもう無く、 嫌になる程に熱い赤と冷たい肌が転がっていた。
Nakamu
ただ一人生き残って、孤児院に拾われてから。 幸せだったから、不幸になったんじゃないかと。
Nakamu
そう、考えた。
ある日、道に迷う旅人を見つけた。 俺は大人を旅人の方に連れて行き、案内を頼んだ。 ━━正解を引き当てた気がした。 不幸にならない為に、脇役でいればいい。 苦難を乗り越える正義のヒーローや、それを支える仲間じゃない。 彼等に手を貸し見守って、ラストシーンには登場しない。 そんな脇役でいればいいのだ。
そう思いついて六年後。 十五になった俺は孤児院を出た。 コツコツ貯めていた金で部屋を借り、事情を話して雇ってもらった店で働いた。
Nakamu
それでも。
Nakamu
また、壊されてしまった。 あの日と変わらない赤と熱が、また俺から全て奪った。
そうか、俺は幸せを望んではいけなかったのか。 ならばなにを糧に生きればいい? 答えは案外直ぐに出た。
Nakamu
もし。 もしこのまま、この世界が続いたとして。 それは、王族が笑う物語になるだろう。
Nakamu
俺が好きな物語は、そんなのじゃない。 もっと幸福に満ち足りた、ハッピーエンドに変えてやろう。
Nakamu
俺が、動こう。 革命軍を作って、主人公を据え置いて。 彼等に幸せになってもらおう。 それが叶えば。 きっと俺は、事足りる。
Nakamu
目指すは不幸の無い未来。 目標に向けて駆け出した。