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むかしむかし、あるところに小さな島が ありました。
その島の東・新月の里には送り犬が 住んでおり、
西・宵影の里には迎え犬が住んで おりました。
また、新月の里は、月がめったに昇らないことからその名が付けられました。
これは、新月の里に住む子供たちの、 ちょっと不思議な御伽噺。
今夜も涼しい夜の世界が訪れる。
私・咲蓮(さきは)は双子の兄である 小萩(こはぎ)と街を歩いていた。
街の人は、みんな穏やかな笑顔を 浮かべている。
でも、それはどこか切なさを感じさせた。
小萩
咲蓮
カランカラン♪
食堂の店員
咲蓮
小萩
食堂の店員
咲蓮
私がそういうと兄もこくりと頷いた。
食堂の店員
しばらく席に座って兄と向き合って いると、美味しそうな匂いが鼻先を かすめた。
食堂の店員
食堂の店員
食堂の店員
食堂の店員
咲蓮
小萩
出来たての料理を口に運ぶと、いつもの 大好きな味が口いっぱいに広がった。
しばらく食べ続けていたころ。
小萩
咲蓮
咲蓮
小萩
咲蓮
小萩
咲蓮
食堂の店員
トコトコ……
小萩
咲蓮
咲蓮
小萩
咲蓮
昔のお兄ちゃんは無愛想ではなかった はず。
もっと元気で明るくて、今みたいに 一人で家事をすることなどなかった。
二年前―
咲蓮
小萩
咲蓮
小萩
小萩
咲蓮
友達
友達
咲蓮
小萩
友達
友達
友達
友達
小萩
友達
仲がいい友達はみんな、同じような 理由で次々にこの里を離れていった。
それでも、私たちには霞(かすみ)が いたから大丈夫だった。
彼は数少ない子育て狼の仲間で、 物心ついたときから私たちのそばにいた。
咲蓮
霞
霞
咲蓮
霞
兄が忘れていった買い物かごを手に、 私は町へと飛び出した。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹