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咲蓮
小萩
小萩
咲蓮
小萩
咲蓮
家から15分ほど歩いて、青果店に着いた。
店主はミツルさんという男の人で、 みんなミツさんと呼んでいる。
実はミツさん、子供が大好きなのだ。
ミツル
咲蓮
ミツル
ミツル
小萩
ミツル
小萩
咲蓮
ミツル
咲蓮
小萩
小萩
咲蓮
ポツポツ……
ザアァァ……
咲蓮
まずい。洗濯物が濡れてしまう。
そう思って、駆け足で家へと向かう。
咲蓮
咲蓮
シーン……
咲蓮
いつもなら霞がおかえり、と返して くれるはずなのに、
今日はそれがない。
違和感を覚え、今へと恐る恐る足を運ぶ。
カラカラ……
襖を開けると、兄が佇んでいた。
咲蓮
いや、
兄は私に先に帰るように促したので、 まだ家には居ないはず。
そう思った途端、背筋が一気に 凍りついた。
そして、兄らしき人影が、
ゆっくりとこちらを振り向き、 咆哮を上げた。
その恐ろしい鳴き声を聞いて思い出した。
化け狼。
目が合った人で生きて帰れた者はいない。
何年か前に友達に教えてもらった。
逃げようと思っても体が動かない。
そのときだった。
霞
バッ!
霞が目の前に現れ、化け狼に一撃を 喰らわせた。
化け狼は一瞬怯んだものの、
それでも私から視線を外すことなく、 襲いかかってきた。
ビュウウゥゥ!
すると、目の前が強い風と水色の 花びらに覆われた。
霞の術だ。
そして、気がついたときには押し入れの 中にいて、外の轟音が止むまで 震えながら過ごしていた。
いつから意識を失っていたのだろうか。
目を覚ましたときには襖から朝日が さしこんでいた。
おそるおそる、襖を開ける。
霞のおかげで、化け狼は絶命していた。
でも、化け狼の横には、
霞が瀕死の状態で横たわっていた。
咲蓮
咲蓮
小萩
ふと後ろに気配を感じて振り返ると、 そこには本物の兄がいた。
気のせいか、その瞳には光が 入っていないように見えた。
すると、霞の足が少し動いた。
霞
咲蓮
小萩
霞
そう言うと、霞はもう一度目を閉じ、
そのまま、二度と動くことはなかった。
そんなことを思い出しながら、 布団の上に寝転がっていた。
前みたいな輝かしい日々は、 もう戻って来ないのだろうか。
ヒュウゥゥゥ……
すると、部屋の中に夜風が 吹き込んできた。
いや、夜風だけじゃなかった。
咲蓮
よく見ると、その葉には 文字が刻まれていた。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹