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僕の住む小さな町には、雨の日に外に出てはいけないという決まりがある。
子供の頃、突然の雨に見舞われたことがある
幼稚園から帰ろうとしていた頃だったかな。
ザアアアアア…
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結構な大雨だった。
窓に打ちつける雨粒と雨音が心地よくて、外に出たらよく聞こえるかなぁと、子供心の好奇心で訊ねた。
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「だめよ」
「いい?水浠」
「雨の日は外に出ちゃいけないの」
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「悪い悪い神様に連れ去られてしまうからね」
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「もう母さんとは会えなくなっちゃうね」
「そうなったら母さんとっても寂しいわ」
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結構ショックを受けたことを覚えている。母親に二度と会えなくなるなんて話を聞かされたら、小さい子供は皆恐ろしく感じるだろう。
「絶対に外に出ちゃいけませんからね」
「約束よ」
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サーサー…サー…
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ここ数日雨が降り続けており、俺たちは退屈している。
俺たちと言うのは、高校に入ってからルームシェアを始めた友達と一緒に住んでるから。お互いあだ名で呼び合うほどの仲だ。俺を含めて六人で、今目の前にいるシャークんはとてもつまらなそうな顔をしている。早く雨があがって欲しいという顔だ。
雨が降っている間は誰も外に出ないので、学校は勿論店や公共交通機関も止まる。だから今外に出ても出来ることは少ない。まぁそもそも外に出てはいけないのだが。そうなると必然家で時間を潰すしかないのだが、数日も過ごすと流石に飽きてくる。
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何故そんな決まりがあるのか、考えたことはなかった。この町に住んでて、困るくらい長期間雨は降ったことがなかったし、そういうものだと思ってたし。
でも何故か、この決まりは破ってはいけないような、そんな予感がする。
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その間にも、シャケは外出の準備を進めている。慌てて声をかけた。
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雨の日に外に出てはいけないという決まりがあるので、俺らは傘を持つ慣習が無い。このまま外に出たら小雨とはいえ全身濡れて体が冷えてしまう。
引き留める明確な理由が思いつかず、せめて濡れて欲しくないと思い、部屋にあるアレを取りに行くことにした。
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シャケは行ってしまったし、仕方がないので部屋で日記を書くことにした。
どうも自分は、昔から記憶力があまり良くない。なので、こうして日々を記録することにしている。
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ザー…ザー…
ゴポ…
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ゴポッ!
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手足を動かすも体はどんどん沈んでいく。
ザーザー…ザー…ザー…
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何故だろう。ここは水の中だというのに、雨が降る音が聞こえる。
まるで頭の中に雨が降っているようだ。
頭に靄がかかっていく。頭の中をぐちゃぐちゃにされる。
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嫌な悪夢を見た。しかもやけにリアルで気分が悪い。
ザーザー…ザー…
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昨日より雨脚が強い。今日も一日家で過ごすことになるだろう。
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支度をして、“4人”に挨拶しようと部屋を出た。
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いつもの日常で安心する。先ほどの悪夢も忘れてしまおうと、皆を見回して気づく。
“一人足りない”
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シャケって誰だ?
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俺は何を言ってるんだ?
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おかしい
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なんで?
皆を見回すと、一様に訝しげな顔をしている。
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そう言いながら食器棚の方へと駆け寄る。六人分の食器があるはずだ。シャケが愛用していた鮫柄のマグカップなら分かりやすいだろう、そう思って棚を開ける。
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なんだか自信が無くなってくる。おかしいのは俺だけで、シャークんは本当に居ないんじゃないかって…
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周りをよくよく見ると食器だけじゃない。彼がよく使ってたクッションも、椅子も、綺麗に無くなっている。
それだけじゃない。昨日あんなに話したのに、存在することに自信が無くなるだなんて只事じゃない。
おかしい、なにが起きてる?
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ダッ!
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バァン‼︎
パラパラパラ…
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日記にはシャークんの名前があった。間違いない。昨日書いたものだ。
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引き出しも確認する。そこにあった筈の傘は無くなっていた。
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「家に籠りっぱで飽きたシャークんが決まりを破って外に出た。」
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カーテンを開け外を見る。雨が窓を強く叩いている。この雨がシャケの存在を隠している?
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俺も、忘れ去られてしまったらーー?
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一通り見て回ったところ、シャケの私物は殆ど消えていることが分かった。
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写真や日記は残っている。きっとそれらはシャークんの“記録”だからだ。
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シャークんが消えてから一日が経とうとしていた。手掛かりは、まだ無い。
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ザアアアアアァァ…
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そういえばカーテンを開けっ放しにしていた。閉めようと近づく。
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友人はこの雨の中に消えてしまった。
窓を開けて外を見た。雨に当たらなければ大丈夫だろうと、息を吸い込む。
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長らく雨の日は外に出ていないものだから、この匂いがとても懐かしく感じる。
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雨の日に外に出たことは無いのに、?
ポツ、
雫が顔に触れた
ズキッ
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意識が霞む
ザー…ザー…
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雨が降っている。
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振り返るとそこには、まだ六歳にもならないだろう、幼い少年がいた。
全身の輪郭が水が滲んだようにぼやけていて姿ははっきりと見えないが、辛うじて、裾の長い白いレインコートに水色の長靴を履いているのが分かる。
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消えていたシャークんの私物を思い出す。
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そう言いながら少年は首を傾げ、告げる。
三日も経てば消滅する。
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ザアアア…ザアアアアア…
雨はまだ、止まない。