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歩くたびに、靴の裏が水たまりを踏んでぐちゃりと音を立てる。

天井は低く、証明はところどころ切れていた。

私はいつのまにか、学校の地下通路にいた。

こんな場所、あるなんて知らなかった。

でも、どこか懐かしい匂いがする。

埃と湿気と、秘密の匂い。

レイ

目、覚めた?

背後から声がした。

振り返らなくてもわかる。

レイだ。

日向

ここ、どこ?

レイ

君の心の中さ。現実と夢のはざま。"優等生"の仮面を外すには、まずここを通らなきゃ

レイの足音は軽やかで、私の数歩前を歩いていく。

道の脇には、使われなくなったロッカーや割れた鏡。

どれもどこか"学校"のもののようで、でも形が歪んでいた。

レイ

ほら、あれ見て

レイが指差した先には、巨大な掲示板があった。

掲示板にはびっしりと、「通知表」が貼られている。

全部、私の名前だった。

国語:A、数学:A、理科:A、英語:A

だけどーー「心の健康:F」

私は息をのんだ。

レイ

優等生って、便利だよね。褒められるし、期待されるし、でもーー

レイはそこまで言って、ふっと笑った。

レイ

壊れても、誰も気づかない

私の足が止まる。

何も言い返せなかった。

レイ

出口はあっち

レイが指さした先に、暗闇がぽっかり口を開けていた。

まるで飲み込まれそうな、光のない穴。

レイ

行く?

私は喉を鳴らす。

行くしかない。

このままじゃ、ずっと仮面をつけたまま、生きていくことになる。

日向

……行く

一歩、足を踏み出す。

闇の中で、レイの声が響く。

レイ

じゃあ、ようこそ。本当の自分に会いに行く旅へ

デビルじゃないもん

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