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□2消える転校生
川原 あやな
セイ
川原 あやな
セイ
私の隣の席では、こんなやりとりがさっきからずっと、続けられている
霧島くんは話しかけられたら、無視はしないけど単語でしか返さない感じ
それでも、イケメン転校生の霧島くんと話したい女子は多くて、霧島くんの机の周りはぐるりと女子が囲っている
クラスの中でも目立つグループの子達
そのリーダー的存在でもある川原さんが、特に積極的に霧島くんに話しかけている
川原さんの下の名前はあやなちゃん
だけど、小学校も違うし、まだ下の名前で呼び会えるほど仲よくなれてないから、私は川原さんて読んでる
川原さんは髪を高い位置でサイドポニーテールにしている、お洒落な感じの女の子
流行りのファッションと恋の話が好きで、私とはちょっと違う世界の人って感じ
禁止されている色つきのリップも、こっそりぬっている
私はかわいいコスメよりも、文房具の方が好き。
そんな私は川原さん達と比べるとちょっと子供っぽいのかもしれない
風花ちゃんは、
風花
って言ってくれるけど、私にはお洒落なヘアアレンジなんて、不器用だからできないんだよね
普通に寝癖直して、肩までの髪をおろしてるだけ、
それでもお母さんゆずりの黒髪は、自然にしててもツヤツヤしていて、髪の毛だけはちょっと自慢なんだ。
美羽
私は肩をすくめた
感が鋭いってだけで嫌われちゃう事だってよくある
この学園ではできればあんまり目立たなくていいって思ってるし
風花
風花ちゃんの言葉に私はぷはっと吹き出してしまった
私は人より感が鋭いってだけで、全然神秘的じゃないし、美少女ってガラでもない
風花ちゃんの方こそ、目もぱっちりしていて、まつげも長いし、美少女っえt表現が似合っちゃう子だって、思うんだけどな、
私は一応クラス委員だったちするけれど、目立つタイプじゃないと思う
皆が嫌がってる空気を感じたから、自分から立候補しちゃっただけだ。 委員をやることよりも、その空気感じていることの方がしんどいなって思っちゃう
川原 あやな
川原さんが、ちょっと可愛い声を出して、きく
セイ
霧島くんの答えに女子達のテンションが上がったのが、空気で分かった
川原さん達だけじゃない、 周りじょ女子も皆聞き耳を立てていそう
私だって、ついつい答えに集中しちゃったもんね
セイ
初めて続いた単語以外の霧島くんの言葉に、またまた耳をそばだててしまう
セイ
霧島くんが放った一言に、川原さん達の空気が凍ったの分かった
川原 あやな
川原さんはきごちない笑顔であやまると、そそくさと皆と異同していった
去り際に
川原 あやな
と、しっかり聞こえるように文句をいいながら
私は、川原さん達の後ろ姿を目で追いながら、霧島くんってすごいなって思った
あの川原さんを敵に回すなんて、私だったら絶対出来ないもん
だけど、私は、霧島くんがかまうな、っていったのが、私だけじゃなかった事を正直ほっとしていた
霧島くんがそういった事で、だんまでもが、気を使って話しかけなくなり、霧島くんは初日にして、完全に孤立状態だった。
休み時間は机の伏せて寝ている
風花ちゃんは
風花
とひっそり私に耳打ちした
5源目は音楽の授業だった
私は音楽室に向かう途中で忘れ物の気付いて、一人で教室にもどっていた
美羽
誰もいなくなった教室で、霧島くんは今までの休み時間と同じように寝ていた
美羽
起こしてあげたほうがいいかな
一応私、クラス委員だし
声を掛けようしたけれど、霧島くんの「構うな」って言葉が頭によぎった
話しかけたらますます嫌われるかもしれない
そう思うとのどから声がでなくなった
とりあえず机から忘れ物を取り出す
霧島くんは廊下側に顔を向けているから、本当に寝ているかまでは分からない
私は廊下側に回って霧島くんの顔を覗いてみた
霧島くんは目を閉じている
眠っていても眉毛はキリッとしたままだし、ふせている眉毛は濃くて長い
だけど起きている時と違って、寝顔はあどけなくて、かわいいと思ってしまった
近くにいるとやっぱり微かに、花の匂いがした
美羽
私は気になってしかたがなくなってしまい、どこから香るのか確かめようと霧島くんに鼻を近づけてみた
制服の襟首あたりに鼻を近づけたら、突然霧島くんがいなくなった
まるで消えたみたいに
セイ
教室のロッカーの方から声がして、そっちに顔を向けると、霧島くんが立っていた
美羽
目をパチパチさせてみたけれど、霧島くんは相変わらず一メートルくらい、離れた位置で警戒するように構えている。
飛び退いたみたいな体制をとっているけど、霧島くんが席から立ち上がった所を見ていないから、それはない
私は、今起こった出来事を、頭の中で整理しようとしたけれど、まるで無理で、じっと食い入るように、霧島くんを見つめてしまった。
よく見ると、霧島くんの顔はうっすら赤かった
霧島くんは居心地が悪そうに、片腕で顔をおおって赤くなった頬を隠そうとしている
セイ
美羽
匂いの事を言うと、霧島くんの頬がぴくっと動いた
セイ
霧島くんはそう言うと教室から出ていこうとした
美羽
それで私はあわてて、教室を移動する事を、霧島くんに伝えた
霧島くんは振り向いて、しかめっ面をしたまま、ボソッと呟いた
セイ
そのまま教室から出ていってしまう
取り残された私は、
美羽
と呟くのが精一杯だった
さっきのは一体なんだったんだろう
美羽
クラスの皆からして、転校生の霧島くんは、とても気になる存在だ。
まず、かっこいいだけじゃなくて、頭がすっごくいい。多分
授業中もノートをとっている様子は無いのに、当てられた質問には全部答えるし、英語の授業なんか、本当の外国の人みたいの流量だ。
そして、運動神経も、ものすごくいい
必死な顔なんて一切していないのに、動物みたいにしなやかな動きで、ハードルを軽々と越えていく
冷たくされて怒っていた川原さん達も霧島くんの事かっこいいって、またはしゃぎはじめた。
私も例外じゃなく、霧島くんの事が気になっている、。
川原さん達とは違う理由で、だけれど
霧島くんが、なにか普通とは違う行動をとるんじゃないかって、授業中もつい、チラチラみちゃう
霧島くんも、そんな私に気づいているみたい。
それで余計に嫌われたのか、私は霧島くんに避けられているみたい
授業中から休み時間まで、霧島くんは、ずっと私と反対方向の廊下側にばかり顔を向けているんだ
私の事を視界から遠ざけようよとしてる感じ
美羽
川原さんなんて、霧島くんの委員を決める時に、
川原 あやな
ってちゃっかり同じ委員に推薦してるって言うのに
二人が話す回数が増えると私のもやもやは大きくなっていく
まあ、私は佐野くんと一緒に、クラス委員してるから、元々霧島くんと同じ委員なんて、最初から可能性は無かったわけだけど。
クラス委員なんて、大層な役目っぽいけど、実際は先生から用事をたのまれる雑用係なんだよね
今日も私は先生に頼まれた課題プリントを、職員室へと運ぶ事になっていた
美羽
美羽
佐野くん
男子のクラス委員の佐野くんは優秀だからってよりも、人がいいから引き受けちゃったって感じの、元気な男の子
短い髪がツンツン立っていて、いがぐりみたいだいよねって風花ちゃんに言ったら、
風花
って、注意されたっけ
美羽
佐野くんからプリントを受け取って、枚数を確認して、教室を出ると、向かっている方向に霧島くんの姿が見えた。
見かけた事のない、明るい髪色の男子生徒と一緒にいる
美羽
見ていたら、霧島くんもこっちを見たから、目があってしまった
ぱっと目を伏せたのは、私の方だった
美羽
いつもは盗み見してるだけだから、実際に目が会っちゃうとどうしていいか分からない
後ろめたいことなんてないのに
そうおもってもう一度、視線をあげてみると、霧島くんはまだこっちを見ている
霧島くんはいつも私に見られて、こんな感じなのかもしれない
美羽
気まずくなって、こっちに背中を向けて霧島くんと話している人の方へと視線を向けた
霧島くんも小顔だなって思ったけど、一緒にいる人も負けないくらい頭がちっちゃくて、スタイルがよかった。
廊下の窓によりかかるようにしてたっている姿がまるでモデルさんがポーズをとってるみたいだった
すみません。長いので、次回この作品の続き書きます
あと、遅れました。すみません
Heart→15