「淡々と降り積もる記憶の中で。」
#1
鏡に映る、くたびれた顔。
人生に疲れ切ったような、そんな顔。
人生を長く生きすぎた気がするよ。
まだ、20代なのにさ。
いつから、僕の人生はこんなにも、
つまらなく感じるのだろうか。
目に映る景色全てが、灰色に見える。
当てはまらない、記憶のピース。
足りないひとかけら。
必死で繋ごうとしても、気づけば、
また初めに戻っている。
この灰色と化した世界で。
淡々と降り積もった記憶の中で
君だけを拾い集めて繋げて
今日も僕は一人、もがき続けている。
抜け出すことが無い、出口のない、
この世界で。
終わりのない、この世界で。
僕は今日も一人、
佇んでいる。
「ソクジン…」
「貴方だけは…貴方だけは。」
「幸せになりなさい。」
「貴方は…」 「幸せにならなければいけない。」
「絶対に。」
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
目を開くと、そこは見慣れた ベッドの上で、
喉は不自然なほどに カラカラで乾ききっていて、
背中にはじっとりと 汗をかいていた。
ここ数日、毎日のように見る、 同じ夢。
母さんの最期の 病院での夢だ。
耳に張り付いて、離れない。 母さんが最期、僕に言い残した言葉は、
あれから15年程経った今でも、 不思議なほど鮮明に、色鮮やかに、 色あせる事を知らず、
衰えることを知らず、 僕の記憶に残り続けて離れない。
胸騒ぎと、激しい動悸に、 いやに落ち着かなくなり、
僕は、ベッド横の机の上に置いていた 結露で濡れたコップを手に取った。
水を一口含み、 ゆっくりと喉を通すと、 次第に潤いを取り戻していった。
脳裏にちらつく、 母の姿。
僕は心を落ち着かせ、 明日の仕事に向け、もう少しだけ
睡眠をとることにした。
プルルルル プルルルル
スマホの電話の音に目を覚ますと、 カーテンからは朝日が入り込んでいて もうすっかり朝になっていた。
携帯を見ると、そこには、 同じメンバーでマンネの グガから電話がかかってきていた。
あいつから電話を掛けてくるなんて 珍しい…不思議に思いながら 電話に出る。
𝐽𝑈𝑁𝐺𝐾𝑂𝑂𝐾
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝑈𝑁𝐺𝐾𝑂𝑂𝐾
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝑈𝑁𝐺𝐾𝑂𝑂𝐾
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝑈𝑁𝐺𝐾𝑂𝑂𝐾
𝐽𝐼𝑁
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𝐽𝑈𝑁𝐺𝐾𝑂𝑂𝐾
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝑈𝑁𝐺𝐾𝑂𝑂𝐾
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝑈𝑁𝐺𝐾𝑂𝑂𝐾
僕は急いで着替え、
会社に出かける準備をし、
戸締りをしてから車を出した。
今思えば。
もしかしたら、この時からすでに
運命は決まっていたのかもしれない
もし、あの時…
グガの電話に出ていなかったら…
グガの家の前に車を止め、 電話を掛ける。
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝑈𝑁𝐺𝐾𝑂𝑂𝐾
まだ眠そうな声だったなㅎㅎ
ハンドルを指でトントンと リズムを刻みながら、
窓の外を眺め、 グガを待っていた。
𝐽𝑈𝑁𝐺𝐾𝑂𝑂𝐾
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝑈𝑁𝐺𝐾𝑂𝑂𝐾
住宅街の中を ゆっくりと車を走らせる。
助手席に目をやると、 眠そうにあくびをして
目をこすっているグガが おとなしく座っている。
𝐽𝑈𝑁𝐺𝐾𝑂𝑂𝐾
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝑈𝑁𝐺𝐾𝑂𝑂𝐾
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝑈𝑁𝐺𝐾𝑂𝑂𝐾
そんな他愛もない話で 盛り上がるこの瞬間が
僕は、好きだ。
日常を切り取ったような
平凡な瞬間が、 メンバーと過ごすひと時が
一分、一秒。
僕には、かけがえのない、 宝物のように思える。
そんなことを考えながら、 事務所に向かって
車を走らせていた。
…車を… 走らせていた…
ほんの、一瞬の出来事だった。
ほんの、一瞬。
ここから、全てが壊れて行った。
全ての悲劇の始まりの、
元凶。
気づいた時には、
全てが、終わっていた。
僕、キムソクジンの
物語は、
ここから、始まる。
全ては、
全ては。
大事な仲間を救うため、
そしてー。
幸せだった頃の「日常」
を、取り戻すために。
物語は、
ここから始まる。
コメント
1件
どんな話か分からないけどめっちゃ続きが楽しみっ!