「淡々と降り積もる記憶の中で。」
#2
大きな衝突音と振動、 そして、 ガラスの割れる音がした。
目の前が、真っ暗になる。
目を開けると、遠くから サイレンが聞こえてきた。
僕は地面に寝た状態で… 誰かの声が聞こえる。
𝑚𝑎𝑛
僕はゆっくり隣を 見ると…
𝐽𝐼𝑁
心臓が…止まった。 一瞬、止まった。
体に寒気が走る。
ふらふらする体を必死で 持ち上げ、隣で目を閉じている グガに駆け寄る。
𝑚𝑎𝑛
𝐽𝐼𝑁
グガは…血だらけだった。
でも…体はまだ… 暖かく…息をしている…
どうしよう…っ
状況が理解できない。
周りを見渡す…。
すると…隣にある僕の運転 していた車は…
フロントガラスが割れていて、 車体が…ひっくり返っていた。
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
どうやら…僕は… 事故を起こしてしまった ようだ…
震える手。
震える手で、グガを 揺さぶる…。
サイレンが大きくなってきた。
𝑝𝑜𝑙𝑖𝑐𝑒
𝑚𝑎𝑛
𝑑𝑜𝑐𝑡𝑜𝑟
𝐽𝐼𝑁
僕は…どうする事も出来なかった。
血だらけの…グガ…。
サイレンで真っ赤に照らされる、 街並み。
目の前に起こっている出来事、 全てが…
信じることが出来なくて。
ただ、呆然と立ち尽くすことしか 出来なかった。
僕も救急車に乗せられ。
理解が追い付かない。
心臓は動いているのに…
「グガ…?」
そう呼びかけても…
何も返ってこない。
信じることが出来なくて。
震える手を握り締めた。
警察の方の話によると。
僕が運転していた車に、
何者かが運転していた車が
信号無視で突っ込んできたそうだ。
何者かは、そのまま逃げだして
たまたまその場にいたお兄さんが
救急車に電話してくれたそうで。
グガの容態は…。
意識不明の重体
だそう…だ。
僕だけが…助かった。
そんな残酷な現実から目が逸らせない。
呼びかけても…
何も答えない…。
いつもなら…「グガー?」って言えば、
「なんですか~?ヒョン~」
って、笑顔で答えてくれていたのに。
メンバーが駆けつけてきて、
大声で叫んだり、呼びかけたりしても。
何も答えてくれない。
信じれない。
信じることが出来ない。
ついさっきまで、普通に
笑っていたり、話していたグガが…。
…僕のせいだ…。
グガを助手席に乗せた僕のせいだ。
いや、事務所まで車で 行かなければよかったのかも。
いや、朝、電話に出たのがいけなかったのかも。
思い返せば思い返すほど。
後悔で溢れてくる。
𝑆𝑈𝐺𝐴
𝑆𝑈𝐺𝐴
ユンギが…優しく背中を叩いてくれた。
けど、後悔は収まらず。
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
𝑆𝑈𝐺𝐴
𝐽𝐼𝑁
𝑇𝐴𝐸𝐻𝑌𝑈𝑁𝐺
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
『カチッ』
時計の針が…重なるような
そんな音がして…。
鏡の割れる音がした。
𝐽𝐼𝑁
ここは…どこだ…っ!?
目の前には、先ほど メンバーといた病院 ではなく…
何もない、真っ暗な空間が どこまでも続いていた。
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
𝐽𝐼𝑁
呼びかけた声は、虚しく 空間に反響するだけ。
何も見えない。 何も聞こえない。
どこだ…ここ…
だんだんと意識が 遠のいてゆくのが分かる。
ゆっくりと。
僕は暗闇へと、奈落の底へと 沈んでいった。
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