古坂の家に向かう途中で俺は悩んでいた。
昨日からずっと、古坂のことを考えると胸が痛む。
今まで人間関係で、何も悩むことはなかったが
これほど人に対して悩んだことはない。
そんなことを考えてると、古坂の家に着いた。
ピンポーン
奈緒
斎先輩っ!
突然後ろから背中を叩かれた。
斎
痛っ、古坂かよ…
奈緒
ごめんなさい。ちょっとコンビニ行ってて、先輩見つけちゃったんで
奈緒
驚かせちゃいました!
ニカッと笑う無邪気な笑顔にまた鼓動が早くなる。
斎
そ、そうか…
奈緒
…?
奈緒
いつもみたいに毒舌じゃないんですね〜
斎
…お前は毒舌の方が好みなのか?
奈緒
そーゆわけじゃないですよ!
奈緒
とりあえず公園にでも行って話しましょう
斎
あ、あぁ。
なんか今日は、あいつのペースに乗せられてる気がする…
俺と奈緒はすぐ近くにある公園のベンチに座った。
奈緒
先輩、心臓の痛みの正体。
奈緒
教えてあげますよ
斎
古坂は知っているのか?
奈緒
…ふふっ
奈緒
もちろんですよ
奈緒
私も同じですから
斎
?
古坂も…同じ?
奈緒
先輩、
斎
なん…
その瞬間、古坂は俺の唇を奪った。
奈緒
…私、先輩とこういうことすると、ドキドキするんです
奈緒
先輩はどうですか…?
斎
…っ
俺は無意識に顔を手で隠した。
斎
…おれ、も、する。
奈緒
!!
奈緒
私が先輩に思ってる気持ち、それと同じなんです
奈緒
…わかりますか?
…わかった、
…わかってしまった。
俺は、古坂が好きなんだ。
斎
……俺の負けだ
奈緒
…え?
斎
俺は、古坂が好きだ。
斎
……約束通り付き合ってやるよ。
奈緒
なんで上から目線なんですかっ!
少し怒り気味の膨れた顔が可愛くて
俺は、古坂にキスをした。
奈緒
…っ!…ふぁ……んっ
奈緒
…んぁ…せ、せんぱ…ぃ
奈緒
…くる…しいです…んっ…
俺は無性に古坂をめちゃくちゃにしたくなった。
舌を絡めると、古坂は俺の腕を掴んで必死に息をしているようだった。
斎
…んっ…はぁ…
斎
…古坂
奈緒
…な、なんですか…?
斎
これだけで済むと思うなよ?
奈緒
あ、悪魔先輩だ…!
【完】