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整地組メイン+緑
第三話 魔王と神
面白い本を見つけた
久々に町にやってきたシャークんは
スマイル達と図書館にやってきた
あまり本を読む方ではないが
なんとなく目に留まった
魔法の歴史
とか言う胡散臭そうな
ぼろぼろの本を読んだ
その本で見つけたものを
ぜひスマイルに教えたいと思い
シャークんは図書館をうろついていた
スマイルは大量の本を 机に持ってきて
椅子に座って読んでいた
その姿を見つけたシャークんは
スマイルに近付いた
シャークん
スマイル
シャークん
シャークん
スマイルの前に魔法の歴史と
標された本を差し出す
スマイルはじっと
それを見据えた
シャークんはその本を開いて
ある一文を指差した
シャークん
シャークん
スマイル
シャークん
シャークん
シャークん
スマイル
スマイル
きりやん
スマイルの家が新築されて以来
きりやんもそこに 住まうようになった
今日は三人で町に来ていた
きりやん
きりやん
きりやん
シャークん
シャークん
きりやん
きりやん
きりやん
シャークん
シャークん
きりやん
きりやん
スマイルは立ち上がって
机に置いていた
大量の本を持って
本棚へと移動した
きりやんとシャークんは
慌ててスマイルを追いかけた
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
二人はおとなしく
本を片付けるスマイルを待って
三人で図書館を出た
三人はそのまま町で
食事処に入って
昼食を食べる事にした
スマイル
シャークん
きりやん
きりやん
どちらもスマイルの名を 上げてはいるが
少し違うようだ
スマイル
スマイル
魔王スマイルの話は
スマイル自身も知っている
この世界で広く知られている
童話の一つだ
魔王スマイルが 世界を支配しようとして
勇者がそれを滅ぼした
至極単純明快な話である
シャークん
シャークん
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
シャークん
きりやん
スマイル
スマイル
シャークん
きりやんは首を傾げた
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
きりやんはシャークんと雑談を続ける
スマイルを見据える
それを暴いて出てくるものは 一体なんだろうか
きりやん
きりやんは小さく 笑みを浮かべた
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
深夜二時――
スマイルの部屋を 訪れたきりやんは
屈託のない笑みを浮かべながら 囁いた
スマイルは読んでいた本から 視線を外して
きりやんを見据える
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやんの言葉にスマイルは
本を閉じて立ち上がった
ようやくきりやんと
話をする気になったらしい
スマイル
きりやん
スマイルが用意する飲み物は 全て自家製だ
彼が育てていた
コーヒーの木から豆を摘み
コーヒーになるまでの過程を
すべて自分でこなす
既に下処理を済ませて
瓶に詰められていた
コーヒー豆を取り出すと
コーヒーミルに入れて 豆を挽く
きりやんはその工程を
ぼうっと眺めていると
挽かれた豆から
良い香りが漂ってきた
湯を沸かしに
キッチンへ行くのかと思いきや
彼はその場にあった
アルコールランプに火を点けた
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
スマイルは三角フラスコに
水を入れて火にかける
きりやん
スマイル
きりやん
この調子だとその辺に置いてある
ビーカーで飲めと 言われそうだったので
きりやんはキッチンから
自分とスマイル用の
マグカップを持ってきた
用意されたマグカップに
礼を言うこともなく
スマイルはさらさらと
コーヒーの粉を入れていく
それから三角フラスコを手に取った
スマイル
きりやん
スマイルは手を振りつつ
手袋を用意した
丁寧に淹れられたコーヒーから
良い香りが広がって
鼻腔をくすぐる
きりやん
ふーふーと息を吹きかけて
少し冷ますと 一口含んだ
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
スマイルは視線を落として
コーヒーにティースプーンを入れて
くるくると回す
そんなスマイルの顔を見て
きりやんはきょとんとした
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
魔族に心なんてないもんな?
ぴたりとスマイルが ティースプーンを回す手を止めた
きりやんはにこにこと 笑みを浮かべていた
スマイル
きりやん
スマイル
スマイルは感情のない目で
きりやんを見つめる
きりやんは目尻を下げた
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやんは頭を抱えた
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
スマイルが人差し指で
とんとんとテーブルを叩くと
水色の妖精がやってきた
水色の妖精は
スマイルときりやんが座る
テーブルを囲うように
白い粉を振りまいていく
床に白い円ができると
白い粉は淡く輝き
その場から消え去った
水色の妖精は用事は済んだのか
スマイルの周囲を
ふわふわと浮いている
きりやん
スマイル
スマイル
結界に包まれた二人が 座るテーブルは
周囲に一切の音を 漏らさないし
その姿を捉える事もできない
これはスマイルが
昔住んでいた小屋の周辺にも
使用していた結界である
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
きりやんの煽り言葉に
スマイルは無言を返す
きりやんは苦笑して
両手を上げて見せた
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやんは金色の目を光らせた
俺はこの世界を創造した――
きりやん
スマイルは僅かに 目を見開いた
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
ウインクするきりやんに
スマイルはため息を吐いた
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイルがちょいちょいと
人差し指を動かすと
水色の妖精が
一冊の本を持ってきた
それはテーブルに置かれる
魔法の歴史
昼間にシャークんが借りた
魔王スマイルの本だ
スマイル
スマイル
スマイル
きりやんが神であると聞いて
スマイルは躊躇いもなく
自分の正体を明かした
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
きりやんは創世の頃から
この世界を観察していた
その昔この世界には
魔力があった
しかし今
この世界に魔力はない
魔法など
御伽話の世界だけの 存在だというのが
世界共通の認識だ
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
――魔法使いの終戦
古代の文献に残る
魔法使いと人間たちの
本当にあったとされる戦争だ
勝利を収めたのは
人間だとされており
魔法使いはそこで絶滅して
現代の考察では
この戦争が原因でこの世界から
魔力が消失したのではないか
と言われている
スマイルは本に 視線を落としながら
ページを捲った
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
きりやんはこの世界に
魔力も魔族も存在しない事に
納得した
スマイル
スマイル
スマイルはそこでようやく
冷めたコーヒーを口に含んだ
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
俺は、ただのスマイル
きりやん
傲慢だな、スマイル?
パリッ――
雷の音が鳴った
スマイルの視線の先では
きりやんが僅かに発光していた
神
神
神
神
スマイル
スマイル
スマイル
反論したスマイルに
きりやんは神々しく輝き
スマイルを威圧した
神
神
神
神
スマイル
神
神
神
スマイルは目を見開いた
――これは紛れもない
神の審判である
スマイルは今――
その舞台に立たされていた
何が神の気に触れたのかは
皆目見当もつかない
スマイルは神を前に
冷や汗を流した
スマイル
スマイル
神
神
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
それは、自分の力で 皆を笑顔にすることだ
神
スマイルは力強く
神の目を見た
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
そうしてスマイルは
彼の魔法使いの名前すら
知らない事に気付いた
聞いたこともなかったし 今まで気にする事もなかった
力強く神を見つめていた スマイルの眼は揺れて
徐々に下がっていった
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
きりやんは既に
神々しい光を
放ってはいなかった
審判は終わったらしい
スマイルは首を傾げた
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやんはそう言って
微笑んだ
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやんは頭を下げた
スマイル
スマイル
そう言ってスマイルは
コーヒーを飲み干した
そんなスマイルを見つめながら
きりやんはテーブルに
肘をついて微笑む
きりやん
きりやん