コメント
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やばい、、何回も見返してしまう、、! これで3度目です笑
うわぁ!この物語も最高です!!!! 続き待ってます( *´꒳`*)
紅葉side
浅緋紅葉
プルルルル…プルルルル……
浅緋紅葉
浅緋紅葉
浅緋紅葉
浅緋紅葉
浅緋紅葉
浅緋紅葉
浅緋紅葉
浅緋紅葉
浅緋紅葉
浅緋紅葉
あの様子だと、また泣いたな、アイツ。
アイドルの『阿部亮平』も、俺らの親友である『阿部亮平』も人前では滅多に泣かない。
それは、アイドルとしての意識も高く、優しい心を持ったアイツの長所、
……でもあり、短所でもある。
そんな阿部が人前で泣くのは『織部翡翠』として『浅緋紅葉』の前に立つ時だけ。
この仕事をしている時だけ、アイツは他人に素の表情を見せる。
メンバーやファンの前には強いように見えても、本当の「阿部亮平」は弱くて、脆くて、まるでガラスの様なんだ。
でも、俺は阿部に『みんなの前でも泣いていいんだよ』なんて言わない。
どこまでも優しくて、自分よりも他人を優先してしまうようなアイツのことだ。
きっと"自分のせいで心配をかけたくない"なんて言って、もっと自分を苦しめてしまう。
浅緋紅葉
『阿部亮平』の素顔を知るのは、俺1人で十分なんだ。
アイツが理想とする『阿部亮平』は、誰にも壊させない。アイツのことは俺が守るって決めたんだ。
だから、俺がはけ口になる。
阿部が苦しい時、辛い時、しんどい時、俺がそばに居て助けてやる。そう決めたから。
そう思ったのは、泣きながら俺に本音を吐き出す阿部の姿を見てからだ。
"紅葉、俺、もう辛いよ"
"なんで、なんでなの?なんで俺達がやらなきゃならないの?"
"俺はただ、皆と一緒に居たいだけなのに"
"ただ、普通に居たかっただけなのに…"
その時、何があっても俺がコイツを守るんだって決意した。
だって、俺はもう"手遅れ"なんだから。 俺が、翡翠の思い描く未来を造って見せてやりたいんだ。
浅緋紅葉
……俺は、翡翠とは違ってこの生活から逃れることなんて望んでない。
俺だって前まではもちろん、翡翠のように"普通の生活"を夢見てたよ。
だけど、1度命を奪ってしまった時点で俺らは穢れたんだ。
そんな奴らが、何も気にせず普通に過ごしていいはずがない。
どんどん穢れて血濡れていく俺らと、どんどん売れて有名になっていくメンバー達。
そこには、どう頑張っても越えられない壁があったんだ。
それに、どう足掻こうが俺らはこの運命から逃れることはできない。
どうやってもまだ綺麗なメンバーとの境界線は越えられないって、俺は気づいたんだ。
だからもう、俺らが皆と同じように過ごすことは出来ない。
でも、俺が諦めてしまった夢を、翡翠はまだ思い描いていた。
泣きながらぽつりぽつりと本音を零す翡翠を見て、胸がぎゅうっと締め付けられるのを感じた。
……俺が翡翠の夢を叶えることは、出来ないのか?と考えた。
だけどそれは、今のまだ弱い俺には到底無理な話だったんだ。
ごめん、ごめんね。ごめんなさい、翡翠。
今はまだ、いや、もう少しだけ。お前の気持ちに、涙に、気づかないフリをさせてくれないかな。
浅緋紅葉