あのお昼休みから、
一向に近づく気配のない駿佑。
高橋も十分に注意を払って
今日はなんか、
彼女と帰る約束があったとかなんとか言ってたけど
断ったらしい。
そこまで守らなくていいよっていったら、
"このお礼は浴衣やからな!"
って。
まだ浴衣諦めてなかったんかい。
高橋恭平
ゆうか
ゆうか
高橋恭平
高橋恭平
ゆうか
ゆうか
駅で高橋と別れ、
家の方向のホームに向かう。
定期を軽く乗せれば
小さなドアが開いた。
いつもと変わらない道を歩いた。
ホームに着いて数分。
やや遅れてきた電車に乗り込み
がたんごとん揺られ
眠気に襲われながらも
家に近い駅に降りた。
少し歩いて、
やっと見えてきた家。
やや早歩きになりそうなのを抑えながら歩いていると、
いきなり誰かに腕を掴まれた。
道枝駿佑
"あいつ"の声と共に。
ゆうか
つま先から頭のてっぺんまで、
嫌な感じが走る。
これまで以上に最悪で、
怖くて。
道枝駿佑
道枝駿佑
道枝駿佑
駿佑。
学校で会った時より制服の着方は雑。
髪の毛もぐしゃぐしゃで
一瞬グレたかのようだった。
駿佑は、
私が1人をいいことに
家まで追ってきたんだ。
中学は同じ、
しかも昔付き合っていた訳だから
家も当然知るはずだ。
…最悪
家が目の前なのに帰れない。
高橋は隣にいないし
スマホを持った所で奪われるだろう。
道枝駿佑
道枝駿佑
道枝駿佑
ゆうか
ゆうか
道枝駿佑
道枝駿佑
伸びてきた腕
大きな手が
私の頬を優しく気持ち悪く触る。
昔はこいつが大好きだったなんて
今じゃ吐き気しかしない。
道枝駿佑
道枝駿佑
顔を近づけて耳元で言う。
全身に鳥肌がたった。
ニヤッと笑ったこいつにイライラする。
…ふざけんな、お前に好かれて嬉しくない
そう言おうとしたが、
その言葉は発せられる事はなかった。
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うれぴーまん??←
なこまみ 神回♡♡
ごまちゃん うれぴーまん!←