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魔叉琉

――伏せて

電話越しに 紗羅が息を呑んだのが伝わる

藤野警部

み、稔君!?

ふぅ、と深く息を吐き、吸う

引き金に指を掛け

力強くそれを引いた

高峰刑事

(くそ、
少しずつ持ち上げられて…)

紗羅

高峰刑事っ

片山晶子

あはは!

片山晶子

動かないでね探偵さん

片山晶子

貴女が動けば全員が死ぬのよ

紗羅

ッ…

高峰刑事

(俺は…死ぬのか)

高峰刑事

(申し訳ない…ことをしたな)

紗羅

(嫌…お願い…!)

紗羅

――魔叉琉ッッ!

  ダ

   ア   

ン 

・   

         ・

      ・

紗羅

っ、銃声!?

片山晶子

ぅぐっ…?!

晶子が痛みを堪える声と共に 起爆スイッチを落とす

それは今の一瞬の間に 破壊されていた

と同時に クレーン車のワイヤーも切れ

高峰はその場に落下する

高峰刑事

ゲホッ…ゴホッ

紗羅

高峰刑事!

高峰刑事

……っは、はぁ…

高峰刑事

……大丈夫、俺は何ともない

紗羅

よかった……

片山晶子

何…一体何が起きたのよ……

紗羅

動かないでください片山さん!

片山晶子

ッ……

紗羅

高峰刑事、今外しますね!

紗羅は袖から針金を取り出し 少し震える手で手錠を外した

魔叉琉

紗羅!

紗羅

あ…魔叉琉!

魔叉琉

怪我とかしてねーな?

紗羅

うん、大丈夫

高峰刑事

おせーぞ…

魔叉琉

すいません

魔叉琉

でも、駆け付けるより

魔叉琉

外から1発でケリつける方が
早いと思ったので

高峰刑事

……ありがとな

魔叉琉

いえいえ

片山晶子

ど、どうしてここが…?

片山晶子

2手に別れたと思ったのに

魔叉琉

…今回は奴に助けられた

高峰刑事

イオリか?

魔叉琉

ああ

紗羅

魔叉琉、藤野警部は?

魔叉琉

警部なら片山和樹を
逮捕してるところだ

片山晶子

どうして…

魔叉琉

貴女方がイオリの名を
使ったからだろ

魔叉琉

今回の事件に関しては
イオリは無関係だ

魔叉琉

濡れ衣着せられちゃ
堪らないんだろうな

片山晶子

嘘…嘘よ……

片山晶子

だってこの計画は

片山晶子

夫がイオリに助言を貰って…!

高峰刑事

は?

魔叉琉

大体俺の推理通りだな

紗羅

え?

魔叉琉

ずっと引っ掛かってたんだ

魔叉琉

2件目…ああ、
永野警部のを併せれば

魔叉琉

3件目だけど

魔叉琉

…爆弾が使われた、あの事件

魔叉琉

素人である貴女方が
どうやって

魔叉琉

爆弾を手に入れたのか って

紗羅

イオリは無関係じゃ
なかったってこと…?

片山晶子

……

沈黙が落ちる

その時、足音がして

藤野警部

全員無事だな?!

魔叉琉

はい、無事です

高峰刑事

生きてますよ、俺も

藤野警部

良かった…ホッとしたよ

藤野警部

片山和樹を連行してきた

魔叉琉

てことは、
応援が間に合ったんですね

藤野警部

ああ

紗羅

取り調べの時、イオリのことも
聞いてください

藤野警部

え?

紗羅

今回の件、イオリは
無関係なんかじゃないです

藤野警部

いや、でもイオリ本人が…

イオリ

無関係だよ、僕は

魔叉琉

っ!

高峰刑事

い、イオリ…!

イオリ

別に身構えなくていいよ

イオリ

僕は、ここにいる人間は
傷付けようなんて思ってない

紗羅

無関係ってどういうこと?

イオリ

僕は片山和樹に

イオリ

『憎い人を殺した時に、
よりスッキリする殺し方』

イオリ

を聞かれて答えただけだからね

魔叉琉

それは殺人幇助だな

魔叉琉

立派な犯罪だよ

イオリ

まさか本当に実行するとは
思わないだろ?

イオリ

……話が逸れた

イオリ

驚いたよね

イオリ

気付いたら保管していた筈の
爆弾が持ち出されていた

イオリ

僕は使っていいなんて許可
出してないんだけど

片山晶子

お、夫は貴方から
貰ったって……

イオリ

っはは!

イオリ

まさか、信じたの?

片山晶子

っ…私は夫から
話を持ち掛けられて…

魔叉琉

それは違うな、片山さん

片山晶子

え?

魔叉琉

探偵事務所に来た時
貴女は

魔叉琉

さも夫が犯人であるかのような
発言をした

片山晶子

それは怖くなっt

魔叉琉

怖くなったから言いに来た?

魔叉琉

いいや違う

魔叉琉

高峰刑事を誘い出したのは
連絡が取れる状態にあった

魔叉琉

貴女だ

片山晶子

……!

紗羅

…もともと持ち掛けたのは
片山晶子さん、貴女です

紗羅

その計画に、夫である
片山和樹が賛同し

イオリ

片山和樹が僕に質問して
僕は答えた

イオリ

それから片山和樹は
僕を犯人に仕立てあげようと…

イオリ

僕に罪を擦り付けようとした

イオリ

これは立派な

イオリ

手下の裏切りだよね?

魔叉琉

イオリ、お前まさか…!

イオリ

全員動くなよ

イオリ

僕が電話を掛けるまでね

藤野警部

何をするつもりだ!

イオリ

別に?

イオリがスマホを取り出し 電話を掛けようとした、その時

〜♪

藤野警部

…俺?

イオリ

出ていいよ

藤野警部

……もしもし?

警官

け、警部!

警官

すぐ来てください!

藤野警部

どうした?

警官

片山和樹が…自殺、しました

魔叉琉

っ…!

紗羅

嘘…!

藤野警部

なんだと!?

藤野警部

すぐ向かう!

電話を切り 藤野警部が外に飛び出していく

イオリ

……裏切り者を
処分したかったんだけど

高峰刑事

何をするつもりだった?

イオリ

僕が電話を掛けると

魔叉琉

片山和樹のスマホが爆発する

魔叉琉

そういう仕組みじゃねーの?

イオリ

そういうこと

イオリ

…それじゃあ僕はこれで

イオリ

魔叉琉くんは今度殺させてね

魔叉琉

っ待て!

紗羅

魔叉琉ダメ!

イオリを追って 部屋を出ようとする魔叉琉の腕を

紗羅が掴む

魔叉琉

さ、紗羅?

紗羅

あ…ごめん

紗羅

イオリの左肩、上がってたから

高峰刑事

拳銃を携帯してる、か

魔叉琉

…ありがとう、紗羅

魔叉琉

俺が殺されるところだった

紗羅

ううん…

高峰刑事

21時3分
片山晶子、逮捕する

片山晶子

犯人は私じゃないわ…

片山晶子

違う…私じゃない……

片山晶子

夫よ…夫が全て悪いのよ……

紗羅

片山さん

紗羅

どちらが先か、後かは
関係ありません

魔叉琉

犯罪に手を出してしまったら

魔叉琉

その時点でもう
犯人になるんだよ

片山晶子

っうぅ…あああ!

今回の事件は 片山晶子の嗚咽と

拭いきれない嫌な感覚を残して 幕を閉じた

【死という名の贈り物】完

カレカノ探偵事務所

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