れもん
はぁ、はぁ、はぁ、
れもん
(どれくらい走ったのかな...)
れもん
(走り続けて、気がついたら中庭の隅まで来ちゃった)
れもん
...私、なにしてんだろ
れもん
ほんと、嫌になる...
涙を流しながら空を見上げる
れもん
(今まで気が付かないフリをしていたけど、私は女優には向いてないんだろーな)
れもん
(きっとひまりちゃんみたいな女優が芸能界では生き残ってくだろうし)
れもん
...もう、やめようかな
ザァー...
風が頬をすり抜けていく
れもん
ゆうま
...れもんちゃん
れもん
...え
れもん
なんで...
ゆうま
れもんちゃんは
ゆうま
れもんちゃんは俺にとって憧れでっ
ゆうま
今までも、これからも大切な存在で...
ゆうま
だからっ!
ゆうま
告白...取り消したいっていうのは、違うんだ
れもん
ゆうま
俺、好きだって言ってから急に恥ずかしくなって
ゆうま
こんな簡単にして良かったのかなって
ゆうま
今までずっと会えないはずの人だったから
ゆうま
簡単に好きって言ったらダメかもしれないって思ったから...
れもん
れもん
そ、なんだ
ゆうま
っだから!
ゆうま
改めてちゃんと告白したいので
ゆうま
今日の放課後、屋上で待ってます!
ゆうま
来てください!!
ゆうま
ではっ!
れもん
走り去る篠崎くんの背中を見つめて、呟いた
れもん
...毎回、なんで言いたいこと言って私の返事を聞く前に走り去るんだろう
れもん
(なんか、色々馬鹿みたいに思えてきた...)