私は、スー・パー子。スーパーの店員をしている。夜間の仕事が多く回ってくる私は、寝不足などでストレスが溜まっている。
スー・パー子は、この生活を変えたいのに変えられない、そんな悩みに直面していたのだった。
スー・パー子
はぁ…。

高坂
あ、あのー、すいませんがー。

スー・パー子
あ!はい。なんでしょうかお客様。

高坂
あ、あのですねー、ここに、

スー・パー子
はい。

高坂
嫁って売ってませんかね?

スー・パー子
はい?

高坂
いやだから、嫁です。

スー・パー子
はい?(何この人…。)

高坂
いやぁ、実は俺、最近、家に誰かが待ってくれていることの良さに気づいたんです。

スー・パー子
は、はぁ。

高坂
それで、ここのスーパーってスーパーの中では結構大きい方じゃないですか?

スー・パー子
え、あー、まぁそうですねぇ。(だからなんだよ。)

高坂
だから、嫁売ってるんじゃないかなーっと思って。

スー・パー子
嫁っていうのは、売っておりません。申し訳ありません。(いや、当たり前だけど…。)

高坂
あーそうでしたかー、ところで、あのー、良かったらこれ、どうぞ。

スー・パー子
え?ティーバッグ?なんで?

高坂
目をつぶって、これをお湯につけて冷ました後につけてください。

スー・パー子
え?え?(何言ってんだこいつ?)

高坂
くまがとれるとかなんとか…。

スー・パー子
え?くま!?あー、なるほど…。(変な客だ…。)

高坂
いやぁ、俺の勝手な予想なんですけどね!もし温まったティーバッグで目を温めて充血がなおるのなら、もしかしたらくまもなくなるんじゃないかなぁとか思いましてね。

スー・パー子
(いや!充血とくま一緒にすんな!)あー、今度やってみますね。

高坂
それにしても、ここのスーパー、雰囲気がとても重く感じます。

スー・パー子
えっ?

高坂
見たところ、店員さん、みんな笑顔じゃないんです。

スー・パー子
…。(そりゃそうでしょ、だって、ここ、休憩時間も少ないし、店長は厳しすぎるし…。)

高坂
店員さんの中でも特に、あなたは悲しそうに見えました。

スー・パー子
っ…、(この人には、わかっているのか、ここの現状と、私の心情が…。)あっ、あのー、お客様…におたずねするのもあれなんですが…。

高坂
はい?なんでしょうか?

スー・パー子
…、私は、どうすれば抜け出すことができると思いますか?

高坂
…、誰でも、何かから抜け出すことはできます。

スー・パー子
っ…それじゃあ、そこから素敵な場所へ向かうことはできるんですか?

高坂
できます。俺は信じています。誰でもできますよ。あなたにも、できると思いますよ。

スー・パー子
!、すっ、すみませんこんなことおたずねしちゃって!

高坂
いいえ、いいんですよ。それじゃあ、俺はなすび🍆でも買って帰りますね。それでは、またいつか。

スー・パー子
はっ、はい。また!

店員
ちょっとー!パー子さーん!手伝ってくださーい!

スー・パー子
あっ!はーい!

高坂
あっ!ちょっまっ!あぁ…、なすびはどこに売っているのか聞こうとしていたのにな…、まぁ、気長に探しますか。(こいつは方向音痴であった。)

謎の客、高坂に勇気を貰ったスー・パー子は、ここで働くことをやめ、もっと自分にあった仕事を探していくことに決めたのだった。
因みにこの話からもわかるように、高坂は独身であった。(どーでもいいですよ。)