病室のノックから、数日後…
わたし
どうしよう…まだ、信じられない。
わたし
わたしが病院で目を覚ましたその日に訪れたのは…
わたし
推してるグループのZmさんだった…!?
わたし
これは夢?幻?ドッキリ?わたしが中々信じられないでいると
わたし
「しぬほど心配したのになんでそんなひどい言うん~」って拗ねてしまわれたから
わたし
流れでなんか、こう受け入れてしまったけど
わたし
これってアリエナイ事態よね…。
現実を見るので精一杯のわたしの運命の奇跡は巡りめぐる
事故で入院して動けないわたしを気づかってZmさんは 毎日お見舞いに来てくれるのだ。
それもとびきりのサプライズを用意して
コンコン
わたし
あっ、どうぞー
Zm氏
チーッス、チチチチチーッス
わあ…綺麗!
バスケットいっぱいのオレンジや黄色の花たち
お洒落な庭園の一画を丸ごと持ってきたような華々しさに思わず わたしは言葉を失った。
その花束に負けないくらいの笑顔が輝いている。
Zm氏
お兄ちゃん参上~っと。寂しかった?
わたし
素敵…お花、ありがとうございます。
わたし
大丈夫ですよ、寂しくなんてありません。
毎日仕事帰りに面会時間ギリギリまで粘って明るい話をしてくれる 彼に心配かけまいと言ったつもりだったんだけど…
満開の花がしおれて見えるくらいZmさんは落ち込んで 目に見えてしょぼくれてみせた。
Zm氏
うそ…なんでや、俺は妹がおらんくて毎日寂しいのに…
わたし
あー!ああー!もう超寂しいです!
わたし
お兄ちゃんに会えるまで寂しくてたまらなかったんですけど!いつも来てくれるから嬉しいなー全然寂しくないなー!最高だなー!
Zm氏
パアア(*゚∀゚)
Zm氏
なんや、そう言うことかいな、びっくりしたやんか。
わたし
ふふ、すみません
ご機嫌を直してくれたZmさんはウキウキと花バスケットから スイートピーを一本だけ引き抜いて花瓶に挿してくれた。
Zm氏
全部あげたいけど、毎日そうしてたら花屋敷になってまうからな。
いい香り…それほど馴染みのある花じゃなかったけれど、 傷が痛むときや不安になる夜、スイートピーの優しい香りに 何度も助けられることがあって好きになった。
Zm氏
明日も持ってくるからな、覚悟してけ~?
わたし
ふふふ、楽しみにしてます。
たった今まで無邪気にニコニコ笑っていたZmさんが おもむろにわたしの寝てるベッドの端に額を寄せて しゃがみ、ハアアと特大ため息をついた。
わたし
あの…もしかして仕事終わりに毎日わたしのとこに通っているから疲…
Zm氏
はよ退院してくれや…そんで、俺のこと構ってぇや。
Zm氏
ここで会うだけじゃなくて飯屋も行きたいしゲームもしたい。
わたし
ふふ、兄さんはわたしを甘やかしてくれますよね。
Zm氏
逆ちゃう?
Zm氏
俺が妹に甘えてるんやで。
わたし
早く治るようリハビリ頑張りますね。
Zm氏
おっ…いいね、オナシャス。なんか食害したい気分やからEmあたりを呼び出そう…どうせ暇やろうし。
ああ…何も知らない食害被害者が増えていく…
わたしが早く回復しないと
Zm氏
あいつ…電話して呼ぶわ、最終手段家凸してくる。じゃ、また明日な!
わたし
ええ、また明日。おやすみなさーい。
頑張ってください、みんなの胃袋…。
おわり