病室のノックから数日後…
わたし
わたしはまだ、混乱してる…
わたし
事故で記憶が曖昧?らしくて目覚めた時に家族が訪れたんだけど…
わたし
わたしの兄と名乗ったのはあのグループのEmさんだった…!
わたし
当然すぐには信じられなかった。
わたし
だけど話してみると辻褄が合い、どう考えても兄ということに…
わたし
最初に彼は心配してくれたけど「私みたいな不甲斐ない兄が病室を出入りするとそれだけで悪い気みたいなの呼んじゃいそうですし~」みたいなこと言ってた。
わたし
でも、親が来れない代わりにあれやこれをしてくれるうちに結局毎日お見舞いに来てくれるのだ。
わたし
そういう人の良さが、らしいなぁって。
わたし
でも、でもわたしが妹…?
わたし
弟がいることは知ってるけど…妹である実感わかないのよ…!
コンコン
わたし
あっ、どうぞ!
Em氏
おはようございまーす。
わたし
はい、おはようございます。
カーテンをしなやかな動きで開けるその手から、ふわりとタバコと コーヒーの香りが漂う。
屈託のない無邪気な笑顔を向けられるとそれだけで元気が湧いてきそうだ。
Em氏
はいこれ、えーと頼まれてた、化粧水?
わたし
あ!ありがとうございます、顔洗ったあとこれつけないと皮ふが突っ張って痛くて痛くて…助かりました。
Em氏
いえいえ、またいつでもどうぞ。
全然嫌みなく笑ってくれるから安心する。
彼が椅子に腰かけて、天気の話なんかした。
Em氏
もー、すっかり寒いね。こういうときは鍋よ鍋。熱々の湯豆腐大変素晴らしい!
わたし
ふふふ、いいですねぇ食べたくなってきました。
Em氏
退院したらさ、鍋物の美味しいお店行こうよ。あ、辛いのと辛くないの選べるから大丈夫やで。退院祝いや、奢りますよ。
わたし
わ…楽しみにして、療養に専念します。
Em氏
うんうん、賢くて優しい妹を持って、兄ちゃん鼻が高いわ。
わたし
いやいやそんな、そんなことないから恥ずかしいです…。
Em氏
あはは、ほんま、ええ子やわ…。それなのにこんな大怪我して…大変やったなぁ…。
彼の目がわたしの頭部の包帯を見つめて細くなる。
まるで自分が痛むかのように心配してくれた。
わたし
ありがとうございます…その、兄さん。
Em氏
へへへ、急に呼ばれると照れくさいな、んフフ
Em氏
そろそろ休んだ方がええやろ、体きつくないか?
わたし
きつくはないんですけど、ちょっと眠くなってきちゃって…
Em氏
じゃあ今日も寝かしつけの本読もうか。
わたし
お願い、します…よく眠れるんですよ…
Em氏
OK、OK
Em氏
じゃあ、オホン…ン”ンッ、えー、本日のタイトル読み上げます。
Em氏
文明人の、桃太郎
わたし
待って内容気になりすぎて眠れません
Em氏
んふふふふふw
おわり






