───ある教会に、1つの伝説があった。
深い青色の満月の夜。
1人の美しい悪魔が現れる、と
その悪魔は、気に入った人間に所有印をつけ、
夜の向こうへ攫っていく、、
教会のステンドガラス越しに見える月は、怪しげな青色。
ひゅぅっ、と音を立てながら、風が教会の扉をたたいた。
悠佑
悠佑
胸元の十字架をそっと握る。
ふと、目線を上げると、青く照らされたステンドガラス越しに黒い影が見えた。
悠佑
悠佑
ゆっくりと瞬きをし、目を開けると、そこには黒い大きな羽が生えた青い髪の青年がいた。
青年は黒い羽を動かしながら、ふわりと、地面に着く。
if
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悠佑
深海の様な青い瞳と目が合う。
青年は、にこりと笑みを浮かべる。
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悠佑
悠佑
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悠佑
悠佑
黒い羽に、黒く細長い尾。実物の悪魔を見るのは初めてだった。
その悪魔は、薄く笑みを浮かべたまま俺の元へ近付いてきた。
初めて見る悪魔に、圧倒的な威圧感を感じ、思わず身が強張る。
悠佑
if
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──貴方を、攫いに参りました
悠佑
if
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そう言いながら、十字架を握った俺の手に自分の手を重ねた。
顎が細長い指に持ち上げられる。
振り払おうと、腕を動かそうとするが身体が固まったように動かない。
悠佑
if
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「少し、危機感が無さすぎる。」そう呟くと、直後に視界が暗くなって、口元に柔らかい感触がした。
悠佑
薄く開いた口から舌が入り込んできて、口内で生き物のように動く。
悠佑
くちゅくちゅという水音が教会内に響く。
抵抗したいのに、身体が動かなくてされるがままになっている。
息が苦しくて、生理的な涙が浮かぶ。意識がふわふわしてきた頃にやっと口が離された。
悠佑
悠佑
軽く咳き込みながら、目線だけでもと目の前の悪魔を睨む。
if
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悠佑
俺の手をとり、手の甲に口付ける。
すると、手の甲に青いハート型の模様が浮かんできた。
悠佑
if
正常にはたらいてない脳で必死に考えるが、理解が追い付かない。
if
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すっ、と手で視界を塞がれた。そうすると、何故か突然意識が遠のき、強烈な睡魔に襲われる。
薄れていく意識のなかで、俺は自分の身体が抱き上げられていることに気づいた。
悠佑
悠佑
そこで、俺の意識は途絶えた。
──やっと、手に入れられた。
俺の、俺だけの悠佑。
不安そうな顔をしなくても大丈夫。
俺が何があっても守るから、
─────だから、
安心して、こっちの世界へおいで?
その悪魔は想い人を抱え、笑みを浮かべながら、青い月夜へ飛び立った。
コメント
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え?神…………やば……ゾクゾクするわ…つ、続きとかってありますか…!