アルファントバース

ｶﾝｶﾝｶﾝｶﾝｶﾝｶﾝ

ｼﾞｭｰｰｯ、ｼﾞｭｰｰｯ

ｶﾝｶﾝｶﾝｶﾝｶﾝｶﾝ

ｶﾝｶﾝｶﾝｶﾝｶﾝｶﾝ

MS 高さ20メートルほどの有人操縦式の人型機動兵器

道具を置いて直ぐに工場の外に出た

ずっと集中していたからなのか、既にもう外は真っ暗だった

工場のすぐ外にはスーツ姿で端末をタップしていたダニエルが立っていた

ダニエルは私に気づくと端末の画面を消して笑顔で私の名前を呼んだ

ギュッと抱きしめるとダニエルは片手で私の頭を撫でた

ベイリーグループ 今宇宙で力を1番持っているアンドリア家がトップに立つ、MSを主に作成しているグループ

ギュッと背中を掴むとダニエルは私の背中をポンポンと叩いて鞄からタブレットを取り出した

地球人がベイリーグループの学園に通う、それは地球人に希望を与えると同時に試練を与える事である

宇宙生まれと地球生まれでは大きな壁がある

それゆえ今も対立している

ダニエルは私の頭を優しく撫でて微笑んだ

小さい頃から嗅いでる鼻につくお酒の匂いと顔色を伺うようなお世辞

もう嫌になる、逃げ出したい、こんな所

顔も見たくない父親が話しかけてきてあからさまに不機嫌な声で返す

数分してから学園へと向かう列車に乗り込んだ

アンドリア家の中で唯一Ωとして生まれた私

早く番を見つけないといけないと父親に言われてる、うざいけど、そっちの方が早いし楽

発情期が来ても襲われる心配も無いし、α‬の匂いさせてればα‬も寄ってこない

でも、誰でもいい訳じゃない

ましてや運命の番…そんなの現れる確率なんて無いに等しい

列車の窓から見える地球を見つめてボソッと呟いた