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桃高校 屋上

涼介

__うりと連絡がとれない……ですか

ゆあん

……はい

ゆあん

文化祭の日に……その………ちょっと、話をしたんですけど……それ以来…

涼介

……なるほど……

ゆあん

でも……ゆいさんとは連絡とれてるなら、 やっぱり、俺と話したくないってことですし___

ゆあん

………こうやって走り回ってるのも、 きっとうりは、望んでないんだろうな

涼介

………

ゆあん

だけど、このままじゃ……駄目な気がするんです

涼介

…駄目、というと

ゆあん

このままだと、うりが…………

ゆあん

どこからも、いなくなっちゃうよな………そんな気がするから

ゆあん

だから___話したいんです

涼介

………なるほど

涼介

難しいですね

涼介

僕には、ゆあんさんの背中を押すことも、 引き止めることもすべきではないように思えます

涼介

だからこれは………ただの、僕自身の話です

ゆあん

え…

涼介

……僕には、少し似た経験がありまして

涼介

もうこれまでだと___離れようとした相手から、 強引に壁を突破されたことがありまして

涼介

それを迷惑だと思ったこともありましたが…… 結果、僕は今、彼と同じ道を歩めている___

涼介

そう考えると、あの強引さは、 僕にとって必要なものだったんだと思います

ゆあん

そう、なんですか………

涼介

はい。当時は、なんて強引なんだろうと思いましたけどね

涼介

ただ、これはあくまで僕の話です。ゆあんさんとうりにとっては、また違うのかもしれません

ゆあん

………

涼介

特に___昔のうりであれば
『もう構わないでくれ』と、 完全に関わりを断とうとするでしょうし

ゆあん

え……うりが………?

涼介

はい

涼介

本当は__勝手に話すべきではないと思うのですが

涼介

昔の………僕が出会った頃のうりは、ずっとひとりでいました

ゆあん

ずっと……ひとりで……?

涼介

はい。僕とうりは、中学時代 ………こんな風に、学校の屋上で出会いました

涼介

かくいう僕も、長らくひとりだったんですけどね。いつも周りとうまくやれなくて……

涼介

そして___それはうりも、同じようでした

涼介

あの頃のうりは、今と違って周りを拒絶するような………他を寄せ付けない雰囲気を持っていました

涼介

僕らは屋上で出会うたびに ぽつぽつと言葉を交わしたのですが__

涼介

そこでなんとなく感じたんです

涼介

ああ、きっと僕らは似た者同士なのだな、と

涼介

___どこにいても心の内で、孤独を抱えているのだな、と

ゆあん

うりが……孤独を……

男子生徒A

君もうりみたいにオカマ的なのだったりする?

ゆあん

(もしも__)

ゆあん

(うりが、昔から、ああいう目を向けられてたら……)

ゆあん

(周りからひどい態度をとられて、 あんな言葉を投げかけられてたら___)

ゆあん

……どんなに……うりは………

涼介

…………

涼介

きっと、あの頃のうりならば 強引に向かって行っても、 どうにもならなかったと思います

涼介

ですが………今は、僕からは“わからない”ように見えます

ゆあん

え……

涼介

うりは、皆さんと出会ったことで変わっていった

涼介

諦めたように笑うのではなく、屈託なく笑うようになった

涼介

そして……………うりは、僕に言っていたんです

涼介

一緒にいたいと思えるような人達を__居場所を見つけられたと

ゆあん

………!

涼介

きっと、うりは___

うり

あはは、待ってよぉ〜!

涼介

皆さんといる未来を、望んでいた

ゆあん

…………

涼介

友人として、うりが前向きに生きられる未来を願いたいです

涼介

だから………ゆあんさんの勇気と、うりへの想いを___

涼介

そしてなにより、うり自身が、まだ願いを手放していないことを……僕は信じたい

ゆあん

あ……

ゆあん

(まだ……終わってないのかな……)

ゆあん

(どこかで、まだ、重なってる部分があるなら……)

ゆあん

(このまま……終わりになんてしたくない__!)

ゆあん

(うりと、友達でいたいから___!)

うゆ

次回は

仲間だから

傷だらけの手で、僕達は

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