主
主
主
主
主
主
主
主
悠佑side
ん?なんか声するな…
初兎
悠佑
目を開けた瞬間、初兎のドアップの顔面が広がった
どうやらさっきまでの声の主は初兎やったらしい
初兎
悠佑
にっこにこで言う初兎に俺も一応挨拶を返す
朝からテンション高すぎてついていけそうにない
流石に寝起きでいきなりテンション上げられん
初兎
悠佑
誕生日…?
あ、そうか
今日俺の誕生日やん
初兎に言われて気づいたわ…w
初兎
悠佑
初兎に勢いよく腕を掴まれ、引っ張られる
少し怒り気味に言う俺に対して、 初兎は楽しそうにしとって訳がわからん
離してくれそうにないから、とりあえず従っとくことにする
白黒組
ガチャ
初兎
悠佑
初兎
ダイニングテーブルの上には立派な朝ごはんが広がっとった
白米に味噌汁、焼き鮭にだし巻き卵と和食の朝ごはんが並んどる
普段料理をせぇへん初兎にしては大した出来栄えや
初兎
少し照れくさそうに言う初兎
家事分担は俺が料理担当で初兎が掃除と洗濯担当や
やから初兎が作った料理を食べるんなんていつぶりかわからんぐらいや
悠佑
悠佑
初兎
初兎
俺の言葉を聞いて安堵と喜びの表情を浮かべとる
表情がコロコロ変わって見てて飽きひん
本人は無意識やろうけど、声のトーンも上がっとる
子供っぽくてかわええな、と思った
悠佑
初兎
白黒組
白黒組
悠佑
だし巻き卵を一口頬張る
出汁がしっかり効いとって美味しい
ただ、焼きすぎたんかちょっと卵が硬いけど、許容範囲内や
悠佑
初兎
初兎
悠佑
よくある失敗やな
料理を普段からする俺でもたまに同じようなことになったりする
時間がもったいないから並行して違うもん作るんはいいアイデアやけど、 卵はすぐ火が通るから向いてないんよな
まぁ食べれないぐらいの失敗やないから、いい経験になったやろ
悠佑
出汁のいい匂いを感じながら味噌汁を飲む
薄すぎず濃すぎず丁度いい味や
具材も味がしっかり染みとって美味い
悠佑
出汁の風味を感じながら続けて鮭を口に含む
カリカリの焼き目と柔らかい身が絶妙なハーモニーを醸し出しとる
鮭の旨味によって脳は白米を求める
欲望の赴くままに白米を口に運んだ
落ち着く味わいは和食の大きな特徴や
どこか懐かしさを感じるんは、古くから日本で食べられてきたからなんやろうか
それとも子供の頃を思い出すからなんやろうか
真意はわからんけどほっとする味や
悠佑
初兎
悠佑
初兎
俺が完食しとるんに対して、初兎はまだまだ残っとる
あまりのおいしさに箸が止まらんくなって、ぺろっと平らげてしまった
やから初兎が食べ終わってないんはしょうがない
普通のスピードで食べっとたらそんなもんやと思う
初兎
必死に食べとる姿は名前の通りウサギのようや
だんだん頭にうさ耳が生えとるように見えてきた
と、同時に幸せオーラも漂っとる気がした
初兎
初兎
悠佑
初兎
初兎
悠佑
初兎
悠佑
作ってもらって、さらに食器を洗ってもらうなんてなんか申し訳ない
初兎
初兎
初兎
言われてみたらいつもは俺が両方やっとる
初兎は俺が誕生日やからやってくれとるんやし、ここで断るんも違う気がする
相手の善意は素直に受け取っといた方がええ
悠佑
悠佑
初兎
初兎が胸張って言うもんやから、笑いそうになるが寸前で堪える
頼もしくはあるが、まだまだあどけない
こういうところは俺より年下や
悠佑
初兎
ガチャ
数分後、着替えを終えてリビングに戻ってきた
初兎の姿は見えへんからまだ着替えとるんやろう
悠佑
とりあえずソファに座る
いつも通りふかふかで座り心地がええ
ガチャ
初兎
悠佑
初兎
悠佑
悠佑
初兎
初兎
悠佑
白黒組
ガチャ
初兎
外に出た瞬間、初兎が声を上げる
冬の朝はやっぱ寒い
昼間やったらそこまでやけど、朝は比べもんにならんぐらい冷え込む
悠佑
初兎
初兎
悠佑
名案やと言いたげな顔で言われた爆弾発言に思わず固まる
周りの目を気にして、手を繋ぐなんて滅多にせぇへんから恥ずかしい
いつもはほとんど照れへん俺やけど、こればっかりは慣れてへんから無理や
やけど、たまには手を繋ぎたいと思っとったんも事実や
せっかく初兎が言ってくれたんやから断るんも悪いよな
悠佑
悠佑
初兎の手にそっと俺の手を重ねた
繋いだ部分から初兎の体温が伝わってくる
心臓がうるさいぐらいに鳴り響いて止まへん
ギリギリ平常心を保つんで精一杯や
初兎
悠佑
初兎
俺を愛おしそうに見つめるその瞳に、思わず顔を逸らす
きっと今の俺は林檎みたいに真っ赤な顔をしとると思う
悠佑
悠佑
初兎
照れとる顔を見られたくなくて、初兎を引っ張るように歩く
後ろから言葉は嫌がっとるようやけど、声色的に楽しんでそうな初兎の声が聞こえる
俺はその声が聞こえないふりをして、足早に歩き続ける
悠佑
初兎
悠佑
目の前に広がるんは、すっかり葉が落ちた広葉樹
色褪せた幹はこの時期しか見れへん
数ヶ月前は青々と繁っとったと思うと感慨深い
四季の移ろいを視覚的に感じた
ビュー🌀
悠佑
突然吹きつけた強い風に身震いする
着込んでこんだけ寒いことに驚く
体が芯から冷える感覚や
初兎
悠佑
繋いだ手ごと初兎の上着のポケットに入れられる
突然なことに呆気に取られる
初兎
悠佑
風が当たらへん分、さっきより寒ない
ポケット越しに初兎の体温を感じる
変な感覚や
初兎
悠佑
初兎
悠佑
急に告げられた愛の言葉に驚きと嬉しさが入り混じった感情が膨らんでいく
さっきより真剣で、それでいて優しい笑みを浮かべて初兎は俺を見つめる
真っ直ぐなその視線に射抜かれるように見つめられると、平常心やいられんくなる
悠佑
初兎
初兎
悠佑
初兎
意地悪い顔をして言う初兎
いつもは言葉にして伝えることなんてせぇへんのやし、今日ぐらいはええかもな
意を決して想いを口にする
悠佑
悠佑
初兎
これは俺の心からの本心
この世界中で初兎以外に愛しとる相手なんておらん
それこそ一生一緒におりたいぐらいや
初兎
悠佑
頬にキスをされ、そこからどんどん熱が上がっていく感覚がする
寒さを感じないほど体温が上昇していく
初兎
悠佑
こうして俺たちは、さっきよりも強く手を繋いで歩き始めた──────
〜終〜