貴方の為なら

何も考えられなかった

目の前で君が刺されそうになるのを見て

またあの大切な人の周りに広がっていく血の光景を見ないといけないの…？

また失うの…？大切な人を、目の前で？

嫌だ…そんなの絶対に…

なら、せめて…

ｻﾞｼｭｯｯｯ!!!!!

ﾄﾞｻｯ…

目の前の大切な人を守りたい

ﾄﾞｻｯ…

目の前の光景を信じたくなかった、 見たくなかった

でも、そこには体から血が大量に流れ出ている

大切な人がいた

その瞬間俺の中でナニかが壊れた音がした

マズイマズイ…！

ないちゃんがこっちに見向きもしないで 戦いに行ってもうた…ｯｯ

ｶﾞﾁｲｲｲﾝｯｯ！

聞こえますか〜？

ごめんね〜？君達のリーダーもう捕らえたから♪

だから君達はさっさと降参してね？

だから君達はさっさと降参してね？

彼が何を言ってるのかよく分からない

なんでずっと謝ってるの？ なんで泣いてるの？

なんで最期みたいな事言い始めるの…？

ずっと自分に嫌気がさしていた

俺のせいでみんなが悪く言われて

俺のせいでみんなに迷惑かけて

俺のせいでみんなに気をかけて

そんな自分がずっと嫌だった

もうこれ以上一緒にいても、今までの恩を返せない

りうらや初兎は価値なんて気にするなって言ってくれたけど無理だった

俺には価値なんて無い

生きる資格も無い

だからずっとみんなに言いたかった

＿＿＿価値の無い人間だから

彼が何を言ったのか分からなかった

価値の無い人間だと…

体には血しぶきで飛んだまろの血や、 反乱軍の返り血も付いていた

ﾊﾞﾀﾝ…

<🐰いむくん、そっちにみんなおる？

沢山の点滴が彼に繋がれている

包帯が至る所に巻かれている

脈も普通とは言えないくらい弱い

ｶﾞﾁｬｯ