微かに声が聞こえる。 私の耳にチクチクと刺す、それに鼻につくあの笑い声…。
佐伯こはる
熊谷りお
夢だったのか。 彼女は私が動揺しているにも関わらず うなされていた私の真似を続けた。 顔が徐々に熱くなるのを感じた。
佐伯こはる
熊谷りお
りおは少し焼けた額の汗を拭い真剣な眼差しをこちらに向けた。
佐伯こはる
熊谷りお
佐伯こはる
引き止めるりおの言葉を無視して、私は家へと帰った。 それから5日、前回と全く同じ夏休みの日々を過ごした。 今日も自習室に向かい、勉強をして 帰る。ただそれだけ…。
佐伯こはる
しかし、りおからの誘いの電話は来なかった。前のプールの件もあり、気遣ってくれているのか…。 やはり「前回と全く同じ」とはならず 少しずつ夏休みの日々が変わり始めていた。
仕方なく学校の図書室で課題を終え 学園の門を出るところだった。
佐伯こはる
水嶋なづき
誰かと電話をしているのだろうか。 携帯電話を眺めながら、水嶋さんは 棒立ちしていた。
水嶋なづき
佐伯こはる
なぜ知っているのだろうか…。 夏休みを繰り返している私以外に、 水嶋さんの死を知るすべはないはずなのに…。 頭が混乱して私は何も 考えられなくなっていた。
私はとにかく、水嶋さんに 気づかれないように走って帰宅した。
佐伯こはる
ピロン
りおからメッセージが来た。 なぜ謝るのだろう、 夢なんかで取り乱したのは私の方なのに。 私は既読をつけずに、そのまま眠りについた。
__ピンポーン 早朝に玄関のインターホンが鳴った。
佐伯こはる
熊谷りお
佐伯こはる
私はあのメッセージをなかったことに そして、夢の内容と水嶋さんのことは忘れ、切り替えようと思った。
熊谷りお
私は目を丸めてりおの背後から現れる人影に視線を奪われた。
熊谷りお
水嶋なづき
淡々と自己紹介を済ませた彼女の表情は至って優しいものであった。
コメント
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続きが気になりすぎる…!