応永7年(1400年) 冬
?
寒い……
閉じ込められてから、どのくらい経ったんだろうか……?
はっきり言って、覚えてない──
逃げられないように、鎖で繋がれている
“子どもながら、妖艶で人をたぶらかす──“
“鬼の子──“
?
…………
隙間風が入り、寒さに身体が震える
ぐううぅぅぅ
?
……お腹、空いた…………
もう少しで、あの子がごはんを持ってきてくれる
それまでの辛抱だ
?
(……でも、無理はしないでほしいな…………)
1日ぐらい抜いても問題はない
?
??
──気が付いたようだな
黒い羽飾りを付け、長髪の男が覗き込んでいた。前髪で右目を隠してる
?
…………?
??
しばし休もうと、あばら屋に立ち寄ってみれば
??
人間の子どもがいるとは、思わなかった
?
(……誰…………?)
??
案ずるな
??
危害を加えるつもりはない
隙間風で身体が震える
?
……っ……
??
寒いか?
ぎゅっ
腕を回され、抱きしめられる
??
少しはマシになると思うが──
?
(…………あったかい)
腕の中でうずくまる
??
おもしろいな、お前は──
?
……?
??
私の前で、そんな無防備でいるものなど
??
今までいなかった──
??
??
お前が、気に入った
??
かつて、全盛を誇った私なら
??
いとも簡単に、助けられたはずなのにな…………
??
“力“を一部封印され、それもままならん
?
…………
??
年を積み、ある程度成長したら──
??
お前をわが伴侶として、迎えに行く
?
……はんりょ?
??
それまで──
現代
紅紫
紅紫
…………夢……?
紅紫
(……しかも、子どもの頃の…………)
上半身を起こす
紅紫
…………
慎哉は寝息を立てて眠っている
紅紫
……はぁ…………
紅紫
(今さら、あんな夢を見るなんて…………)
紅紫
紅紫
(……あのとき、ボクをぎゅっとしてくれたのは──)
紅紫
(誰だっけ?)
『お前をわが伴侶として、迎えに行く』
『それまで──、生きろ』
『“約束“だ』
紅紫
紅紫
ダメだ……、全然思い出せない──
慎哉
──なにがだ?
ぐいっ
紅紫
……!?
腕を引っ張られ、布団の中に引き込まれた
ぎゅっ
紅紫
……眠ってたんじゃ
慎哉
今ちょうど、目が覚めた──
チュ
紅紫
……!
慎哉
紅紫
……なんで、キスした……?
慎哉
──したくなったから
紅紫
……ちょっ、やめ…………
今度は濃厚なキスをされた