テラーノベル
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意識を手放した大飛を抱えて ベッドに連れて行こうとしたが、 躊躇してソファーに寝かせる優太
汗でおでこに張り付く前髪を 掻き分けてタオルで汗を拭ってあげる
意識を手放す直前に大飛が放った 言葉を何度も何度も 頭の中でリピートする
優太
優太が前世の記憶を 思い出したのはつい最近
執拗いくらいに飲み会や食事に 誘ってくる大飛に初めは苛ついていた
諦めたのか誘ってくることは 無くなり、話しかけても来なくなった
けれどもその夢はある日急に訪れた
何度も何度も繰り返される夢に 飛び起きては嗚咽が出るほどの 涙に泣き疲れて眠る日々
どうして泣いているのか なんでこんなにも苦しいのか 初めは分からなかった
回数を重ねるごとに 鮮明になる夢
夢の中で優太に微笑む相手は 間違いなく同期の大飛
その笑顔に次第に愛おしさと恋しさが募る
だけどその笑顔の後に続く夢は 大飛の亡骸を抱き抱えて泣き喚く夢
夢の最後に
いつも言われる言葉
大飛(前世)
その夢は長く、苦しい夢だった
大(なんだ…これ…) (夢…?)
機械の音が響く病室
古びた病室のベッドに寝ているのは大飛
それを上から見ている コンコンと小さくノックされて 開く扉から中に入ってきたのは優太
大(佐藤…?) (何…何が起きて…)
優太(前世)
優太は小さく微笑むと 眠る大飛の肩に布団をかけてあげる
大飛(前世)
大飛は寒かったのか、 掛けられた布団の中でもぞもぞと 動いて鼻から下を隠すように潜る
優太(前世)
その様子を愛おしそうに 見つめて微笑む優太は 大飛の髪を梳くように撫でる
急に写り変わる場面に まるで映画をみているようだった
部屋で言い合いしているのは 病室で見た大飛と優太
大飛(前世)
優太(前世)
大飛(前世)
ドクン…と心臓が跳ねる
大(兄貴…?)
優太(前世)
大飛(前世)
優太(前世)
そう言って大飛の頭を撫でる優太
大飛(前世)
優太(前世)
優太(前世)
大飛の涙を拭って優太がチュッと口付けると 優太の首に腕を回してそれを受け入れる大飛
啄むようなキスを数回して 薄く開いた唇から舌を 差し込んで深いキスをする2人
大飛(前世)
ソファーに押し倒される大飛と 優太の服に手を差し入れて Tシャツをスルスルと捲りあげる大飛
大(もう…わけわかんない…)
大飛(前世)
優太
口から血を吐いて 胸を押さえて苦しむ大飛 と部屋に響き渡る警告音
その音を聞いて駆けつける 数名の医師や看護師
大(痛い…苦しい…助けて…) (嫌だ…怖い…怖いよ…) (死にたくない……)
大飛(前世)
優太
優太や体を押さえる看護師達の 手を振り払う大飛
大飛(前世)
優太
大(その薬を打ったら…また…) (…もう嫌だ……これ以上…) (〇〇が消えるのは……耐えられない…) (もう…俺から……何も奪わないで…)
その姿が自分の感覚とリンクして 胸が痛くて苦しくて涙が溢れて 誰かに助けてもらいたいけど どうしようもできない苦しさに ただ耐えるしか無かった
優太
大飛(前世)
優太
体を押さえつけられて腕に薬を 打たれる大飛の頭を撫でる優太は 苦しみに歪んだ顔をする
大飛(前世)
大(苦しい…はやく…) (はやくこの夢から覚めたい…)
海を眺める大飛と優太 車椅子に座る大飛の目に 光は無く、ぼーっと海を見ている
優太(前世)
大飛(前世)
優太(前世)
大飛(前世)
大(眠たい…) (感覚が麻痺してるみたい…) (指1本も…動かせない…) (……死ぬんだ…俺…)
優太(前世)
大(なんでだろ…) (泣いてほしくない…) (最後くらい…笑ってほしい…)
大飛の膝に頭を乗せて俯く 優太の頬を撫でる大飛
優太(前世)
勢い良く顔をあげた優太に 柔らかく微笑む
大飛(前世)
そう言ってぐらっと傾く大飛の体を 支えて痛いくらいに抱きしめ 声を上げて泣く優太
優太(前世)
コメント
17件
遅れすぎたよね..ごめん😿😿
いいですね〜🥰✨最っ高‼️続き楽しみ!!