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結局、私が紅羽さんを連れてスタジオに着いたのは、練習開始時刻よりも3時間も遅れてだった。

先に来ていた奏さんのお稽古はとっくに終了し、

今は紅羽さんが、ダンスの先生の残り時間を使って、必要最低限のレッスンだけ受けている。

私は初日からの失態をマネージャーさんに謝罪したが、彼は全く怒らずに『連れて来こられただけですごい』と逆に褒めてくれた。

すみれ

(そうは言われても…)

本来はもう帰っていいのだが、私は責任を感じて帰る気にもなれず、

ドキュメンタリー用に回しているカメラの後ろで、紅羽さんの練習を眺めながら、膝を抱えてため息をついていた。

すみれ

(初日からこんなんじゃ、先が思いやられるよ…)

すみれ

(どうしたらいいんだろう…)

あ、すみれちゃんだ!

すみれ

奏さん、

すると、不意に後ろから私服に着替え終わった奏さんが現れた。

眠り姫の王子様係、お疲れさま。

すみれ

奏さんこそ、お稽古お疲れ様です。

すみれ

紅羽さんの様子を見に来たんですか?

そうそう。

…ね。
あいつ、起きなかったでしょ

すみれ

全然起きませんでした…

あはは!だよね。

こういうリアルタイムで視聴者いないやつは特にね。でも、連れて来れただけですごいと思う。

すみれ

そうでしょうか…

すみれ

先ほどマネさんにもそう言ってもらいましたけど…、

すみれ

練習に間に合ってないなら、根本的に意味がないというか…

視線の先にいる紅羽さんは、基本的に真面目にレッスンを受けている。

すみれ

紅羽さん、決してやる気がないわけじゃないと思うんですよね…。

お?どうしてそう思ったの?

すみれ

え、いやだって。
練習はあんなに一生懸命やってるじゃないですか。

すみれ

前回の配信のときも、スイッチが入ったというか。カメラが回った途端、全力で撮ってるって感じが伝わってきました。

すみれ

だから。だからこそ、それをうまく活かせなかった自分が、目覚まし担当として不甲斐ないというか…

へえ…

奏さんは、なにか珍しいものでも見るような目で私を見た。

起きれないのは紅羽自身なのに?

すみれ

そりゃあ、自分で起きれるのが1番かもしれませんけど、

すみれ

紅羽さんの仕事はファンの皆さんを楽しませることなので…

すみれ

起きれないこと自体より、どれだけ多くの人を楽しませられたかの方が、本質的だと思うだけです。

先日の配信の後、SNSのトレンドは紅羽さんたちの話で持ちきりだった。

やっぱりそれは、紅羽さんたちにしかできないことだし、

それは明らかに、すごいことだ。

すみれ

だから、それに比べたら起きられないのなんて些末なことというか…

すみれ

それをサポートする人が、ちゃんと紅羽さんを起こせばいいんです。

すみれ

まあ、それがちゃんとできなかったんですけど…

……へ〜。
ねえ、すみれちゃんってさ。

すみれ

はい?

変わってるって言われない?

すみれ

え?!変でしたか!?

突然の奏さんのディスともとれる質問に驚いて聞き返すと、

奏さんは「あははは!」と声を上げて笑った。

あー!ほんっと、すみれちゃんって面白いね!

ねえねえ、紅羽の練習期間が終わったら、俺の目覚まし係になってよ

すみれ

え?!!

すみれ

(できれば自力で起きられる方には自力で起きて欲しいんですけど…!)

奏さんと私がそんなやり取りをしていると、

レッスンを終えた紅羽さんが、何やら怒った様子でずんずんと近づいてきた。

紅羽

お、ま、え〜!

すみれ

あ、紅羽さん!レッスンお疲れ様でした。

紅羽

奏に近付くな!

何が気に障ったのか、紅羽さんは奏さんを私から守るように抱きついて、フシャーと野良猫のように威嚇している。

こらこら紅羽。俺がすみれちゃんとお話ししてたの

紅羽

奏もこんなやつと喋んな!

それはムリだよ。すみれちゃんがいないと、紅羽が練習に来ないじゃん

紅羽

それはぁ〜
次から頑張るっていうかぁ

まあ、今日もここまで遅刻したのによく来たじゃん。偉いよ

奏さんが紅羽さんの頭をそっと撫でると、紅羽さんは褒められた子供みたいな顔で「へへ」と笑った。

すみれ

(紅羽さん、あんな顔もするんだ)

すみれ

(私の前ではクールな野良猫っていうか触ったら切れそうな雰囲気だし、配信中はテンション高い陽キャっぽい感じなのに)

すみれ

(あんな安心しきった顔するの、意外だ)

それだけ2人のコンビ仲が良いということだろうか。

紅羽も、すみれちゃんにはこれからしばらくお世話になるんだから、あんまり意地悪しちゃだめだよ?

紅羽

意地悪じゃねーし。あいつの起こし方が下手なだけだし

俺でも起こせないんだから下手とかないでしょ

紅羽

なぁ〜、俺やっぱ奏がいい!
奏が起こしに来てよ

無茶言うなw
俺だって配信あるし

すみれ

(なんだか飼い主と飼い猫みたい)

不意に猫じゃらしをふりふりさせる奏さんと、それに猫パンチを喰らわす紅羽さんの幻覚が見えて、私は思わず笑ってしまう

すみれ

ふふっ

紅羽

あ?何笑ってんだよ!

すみれ

………。
いえ?べつに?

紅羽

なんだそのむかつく間はよ〜!💢

私は現実でも飛んできた猫パンチを笑いながら避けた。

紅羽さんの様子は、すっかり頭も冴えているようで、

あの短い時間で相当詰め込んで練習したようで、Tシャツには滝のような汗が染み込んでいた。

すみれ

(やっぱり、この人、憎めないと言うか)

すみれ

(見れば見るほど、一生懸命なんだよなぁ)

一見ちゃらんぽらんの陽キャ配信者に見えるのに、

その怠惰なところを見ているからこそ、彼の仕事ぶりがいつも全力投球なのがよくわかる。

すみれ

(やっぱり、私、もっと頑張ろう)

紅羽さんのその全力投球を、私も全力でサポートしたい。

紅羽さんは私の事を邪険に思ってるようだけれど、

そんなのはどうだっていい。

すみれ

(むしろ、嫌いな人が起こしにきたほうが目が冴えるかもしれないしね)

すみれ

(このキラキラした人がどこまで階段をかけ上がっていくのか)

すみれ

(ここまできたら、私も見てみたい)

私にできることは、ただ、彼を起こすこと。それだけ。

でも、今は、私にしかできないことなのだ。

すみれ

(頑張ろう)

奏さんとじゃれあう紅羽さんを見つめながら、

私は、心の中でそう、小さく呟いた。

すみれ

(でも、頑張るって
一体どうやって頑張ればいいのー!?)

紅羽さんと奏さんを見送った後。

私はスタジオの外の廊下のベンチで、ママの仕事が終わるのを待っていた。

先ほどチラリとすれ違ったママから、「あと20分で終わるから待ってて!」と言われてから、もう30分以上経っている。

すみれ

(ママ、遅いな。今日のこと相談したいのに…)

私が頭を抱えていると、ちょうど収録が終わったのか、別のスタジオから突如人がゾロゾロと廊下に出てきた。

すみれ

お、お疲れさまでーす

会社のマナーとして、すれ違う人たちに挨拶をしていると、

不意にその中から1人の男の人が「あっ」と声を上げて近づいてきた。

すみれ

(えっ…、えっ…?)

ママの知り合いだろうか、と私が怪訝な顔をして見ていると、彼はにやりとイタズラっぽく笑って、開口一番、こう言った。

???

その文鎮、ちゃんと使いこなせてますか?

すみれ

…………ああっ!

思い出した!この人は…

ロビーで困っていた外国人を一緒に助けてくれた人だ!

すみれ

あの時は、ありがとうございました。

???

いやいや!最初に声をかけたのは君だったでしょ

すみれ

でも、ヒアリングはできるんですが、ほとんど会話ができなくて…

???

そうだね、スピーキングはもうちょっと勉強した方がいいかも

すみれ

あなたが助けてくれて助かりました。
あの…

???

ん?ああ、僕は…、

星也

天ヶ瀬星也(あまがせせいや)。
星也でいいよ。

すみれ

星也さん…

星也と名乗った彼は、烏の濡れ羽色の前髪をさらりと重力に揺らして、

その隙間からのぞいたすっきりした瞳を細めてニコリと笑った。

紅羽さんが外国のお人形さんのような美形なら、星也さんは韓流アイドルのようなイケメンだ。

一瞬、私はそのビジュの強さにぼうっとしてしまったが、ふと、頭の中に疑問がよぎった。

すみれ

あれ、でも星也さんって、30階の会社の方じゃ…。あの日、英語でそう言ってましたよね?

そう、あの日、あの困っていた外国人さんは30階の会社に行きたがっていたのだ。

ママの会社は31階だから違うと思っていたら、星也さんが「僕たちの会社だから案内するよ」と英語で言って彼を連れて行ったのだが…

星也

え?やだな。30階も僕たちの会社ですよ。

すみれ

え?

星也

下の階は会議室とか休憩スペースとかがあるんだ。

星也

面接なんかもそこでやることが多いね

すみれ

あ、なるほど…

星也

すみれさん、知らなかったの?

すみれ

はい…
って、え…?

すみれ

名前…、私、言いましたっけ?

突然、星也さんの口から私の名前が出てきて驚いていると、星也さんは笑って、言った。

星也

紅羽の寝坊対策係でしょ!三神Pの秘蔵っ子の!

すみれ

なぜそれを……

星也

会社のグルチャで話題になってましたよ。
紅羽を配信に間に合わせた強者がいる〜!って。

星也

日付的にも、なんとなく君のことかなって思って。三神Pに聞いてみたらビンゴ。

すみれ

ひえ…
そんな噂が広まってたんですか…

星也

あの紅羽だからね。いままで遅刻10分以内で済んだことなかったんじゃないかな?
生放送はごまかしごまかしやってたみたいだけど。

すみれ

なるほど…恐ろしい…

となると、前回私が時間ギリギリにでも間に合わせて連れてきたのは、本当に奇跡に近いと言うわけか。

すみれ

でも…、本当に前回はたまたまなんです。今日は全然起こせなくて…

星也

ふうん?

そう返すと、星也さんは話の続きを促すように、私の隣に座った。

少し迷ったが、複数の意見を聞いてみるのもいいかもしれないと思い、

私は星也さんに話を切り出す。

すみれ

紅羽さん、多少粗暴ですけど、仕事に前向きなのは見ててわかるんですよね。

すみれ

だからどうにか起こしてあげたいんですけど…、今日はたたいてもゆすっても起きなくて。

すみれ

もちろん、親しいわけじゃないので遠慮が入っちゃうのもそうなんですけど

すみれ

なんかこう…騒音を立てる以外のもっといい起こし方はないものかと…

星也

遠慮せずに叩いちゃえばいんじゃないの?それがすみれさんの仕事だし。

すみれ

う。それは…
若干寝起きすぐが怖いと言うか…

すみれ

報復されそうで…

星也

さすがに三神Pの娘さんにそんなことしないと思うけどね。

すみれ

でも寝起きですよ?紅羽さんの寝起き、やばいんですよ?

星也

あはは、それは確かに

星也さんはそう笑ってから、「うーん…」と顎に手を当てた。

すみれ

何かいい案はありますか?

私が期待してそう問いかけると、星也さんはニコリと笑って、言った。

星也

お腹すいたな!

すみれ

えっ?

私は驚いて目を丸くする。

星也

いや、昨日仕事で遅くまで起きてて。紅羽じゃないけど、僕も午後から起きてここ来てるんですよね。

すみれ

はあ…

星也

起きてからもなーんも食べてなくて。寝起きって自分で何か食べようって気持ちにはならないんですよね。

すみれ

あ、それなら、母の夜食のために持ってきたおにぎり、食べますか?作りすぎちゃったのが余ってて…

星也

え!いいんですか!

私が鞄からおにぎりを取り出すと、星也さんは嬉々としてそれを受け取った。

そして、早速ラップをあけると、その場でぱくりと食べ出す。

星也

んー!美味しい!

すみれ

よかったです

すみれ

(こないだは英語ペラペラですごい人だと思ったけど、案外天然…?)

私が苦笑いをしながらそんなことを考えていると、星也さんがおにぎりを頬張りながら、言った。

星也

朝ごはんって、準備してる音とか匂いがしてくると、食べたいなーって気持ちになりません?

すみれ

準備?

星也

そう。台所でネギ切る音とか。卵焼きの焼ける匂いとか。

すみれ

あ…。なんかわかる気がします。

星也

疲れ切ってる時に、そんな匂いがしたら、お腹が空いてきちゃうよね〜。

すみれ

そうですね

星也

たとえば、長時間配信の後とか。

すみれ

………あ。

あれから紅羽さんの配信やアーカイブをいくつか見た。

紅羽さんは夜に配信を始めて、夜通し朝までゲームし続けていることも少なくない。

時によっては8時間以上になることもザラで、

夜、紅羽さんの配信を見始めて、朝起きたらまだ続いていたこともある。

すみれ

(紅羽さん、配信中には何も食べていないみたいだったし…)

すみれ

(そのまま12時間ぐらい寝て起きたら、かなり疲れてるのでは…?)

すみれ

(叩いたりゆすったりして起こしてたけど、)

すみれ

(意外に体はぐったりしてるのかも…)

挙げ句、起床後はそのまますぐ現場へ連れて行っているので、紅羽さんがなにかエネルギーを補給しているところを、私は見たことがなかった。

すみれ

(もしかして、ほとんど何も食べてないとか…?)

私は、ぐるんと星也さんに向き直った。

すみれ

ありがとうございます!

星也

え?なにが?

すみれ

星也さんのくれたヒントのおかげで、ちょっと、試してみたいことができました。

星也

僕はただ世間話をしてただけですよ。

星也さんはそう言って、ニヤリと笑うと

おにぎりの最後のひとかけらを口に入れて、両手を顔の前で合わせた。

星也

ご馳走様でした!

翌日。

トントントントントン

カチャカチャカチャ

ジューーー

紅羽宅のキッチンには、軽快な音が響き渡っていた。

すみれ

(慎重にひっくり返して…っと、上手に巻けた!)

綺麗に焦げ目のついた卵焼きに満足して、ふうとため息をつく。

そう、私は紅羽さんに朝ごはん(と言っても夕方だが…)を作ることにしたのだ。

名付けて、「朝ごはんの準備音作戦」

ドンドンと頭に響く騒音ではなく、睡眠に入り込む程度の生活音。

そして、万が一イヤホンで聴覚を遮断されてしまっても、なかなか防御しきれない卵焼きの香ばしい匂い。

すみれ

(場合によっては無視されるだけに終わる可能性もあるけど…)

すみれ

(昨日もあの後帰ってから何か食べてたとしても、そのまますぐ配信してるし、そうなると1日1食しか食べてない)

すみれ

(食べれそうなら、食べてもらえるといいけど…)

すみれ

(でも、なんとなく『他人の手作りとか食べない』とかいいそうだな〜…)

対私の攻撃力高め紅羽さんを脳内で再現しながら、時計を見るともういい時間だった。

そろそろ部屋のノックくらいしてみてもいいかもしれない。

そう思い、コンロの火を止めて振り返ると、

すみれ

っ………

私は驚いて、一瞬息をするのを忘れてしまった。

すみれ

紅羽、さん…

紅羽

…………くぁ……

なんとそこには、紅羽さんが立っていたのだ!

すみれ

お、おはようございます。

紅羽

………ん。

紅羽さんは寝ぼけ眼のまま、眠そうに目を擦っている。

私は突然のことに思考が完全に停止してしまったが、慌てて、味噌汁の火を付け直した。

すみれ

あ、朝ごはんを作ったんです!キッチン勝手にすみません。もしよければ、召し上がりますか?

紅羽

…うんにゃ

すみれ

すぐ準備するので、座って待っていてください。

YESともNOともわからない返事だったが、とりあえず都合よく解釈して、私は紅羽さんをリビングのソファに座らせる。

フライパンなどの調理器具がないことは予想して持ってきていたが、この家にはちゃんとしたお皿もなかった。

私はマグカップにお味噌汁を、平皿にご飯と卵焼きを盛り付けて、紅羽さんに出した。

すみれ

どうぞ。

紅羽

………ん

紅羽さんは半分眠ったまま、緩慢な動きで卵焼きに箸をつける。

そして、口に入れると、少しだけ目が開いた。

紅羽

………んまい。

すみれ

ほんとですか!よかった!

悪くない反応に、ほっとする。

勝手にこんなことをして、紅羽さんには怒られることも覚悟していた。

しかし、意外にもすんなり起きてきて、箸までつけてくれるとは。

すみれ

(なんだか、思ってたのと違うな)

そのまま紅羽さんは半分眠りながらもゆっくりと箸を進め、

私が洗い物を片付け終わる頃には、すっかり目も覚めた様子でソファーでタブレットをいじっていた。

私は紅羽さんの食べ終わったお皿を片付けながら、話しかける。

すみれ

すみません。勝手に悪いかもと思ったんですが、大声で起こされるよりはいいかと思って。

紅羽

うん。

すみれ

目は覚めましたか?

紅羽

まあまあ

紅羽さんはタブレットから目を離さずにそうとだけ答える。

相変わらず私への塩対応に苦笑いしつつも、私は心の中でひっそりガッツポーズした。

すみれ

(やった!朝ごはんの準備音作戦、大成功…!)

私は嬉しさを堪えきれずに、にやけそうになる頬をなんとか引き締めながら皿洗いをする。

すみれ

(紅羽さん、他人は一切寄せ付けないタイプなのかと思ってたけど)

すみれ

(案外、エサで釣られるタイプなのかな?)

すると、タブレットをいじっていた紅羽さんが、「あのさぁ!」と声を上げた。

すみれ

はいっ

私は心を読まれたのかと、ビシッと背筋を正して身構える。

そして、紅羽さんの厳しい毒舌が飛んでくるのを待ったが、

しかし、意外にも

飛んできたのは、こんな声だった。

紅羽

明日は……
味噌汁、もう少し濃いめにして。

すみれ

………はい?

わたしは、ポカンとして、思わず聞き返してしまう。

私がフリーズしていると、紅羽さんはもう一度、少しだけ声を荒げて投げやりに言った。

紅羽

だから!明日は味噌汁はもっと濃くしろ!

すみれ

は、はい!

紅羽

あと!ネギ入れんな!

すみれ

はい!

私が勢いで返事をすると、紅羽さんはジトッとした目でしばらく私を見つめたが、

すぐに怒ったようにツンと顔を逸らすと、タブレットに目を戻す。

すみれ

………ふふ

すみれ

ふふふふ!

なんだか野良猫が少しだけ触らせてくれた時のような気持ちになって、

私は、ニコニコ笑顔になりながら、洗い物を続けたのだった。

超人気Vtuberの目覚まし係になりまして

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