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落ちてた恋

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落ちてた恋

6 - 落ちてた恋

♥

603

2019年07月07日

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紫耀 目線

○○

しょおくん〜おかえりなさーい……

紫耀

ただいまぁ……っうわぁっ、…え、、○○、

いつもより少し早く帰るとぎゅっと玄関先で抱き着かれる。

な、なに!? なんで抱きつかれてんの!? てか……やわらか……俺と同じ匂いがする……

…じゃなくて! ○○をよく見て見れば赤い顔に潤んだ瞳。俺もあまり飲めない、アルコールの匂い。

紫耀

…………酔ってるの?

○○

ん……飲みすぎちゃったぁ……

抱きつかれたままリビングに向かうと、机に転がる缶が3本。

3本でここまで酔えるとは俺より弱そうだ。

っていうかよかった。ちゃんと成人してたんだ、この子。

ソファーに座れば、まるで俺が膝枕してあげてるみたいになって。

頬を撫でれば甘えた様な顔をするから、なんだか切なくなって。

…………本当に名前以外、お互いのこと何も知らないんだなぁ。

○○

……しょおくん

紫耀

んー?

○○

……私ね……許嫁がいるんだ

紫耀

い、いいなずけ……

○○

うん……いろいろと投げ出したくて、自由になりたくて
……逃げちゃったんだぁ……

つまりはかなりのお嬢様。 てか、本当に許嫁とか、居るんだ。

なんだか現実離れしていて、俺にはよく分からない世界。

○○

でも、パパは私のこと…多分必死に探してるから……あんまり外に出たくない

"連れ戻されちゃう"

そう呟いた○○は粉れもなく泣いていて。

……どうしよう、どうすればいいんだろ

○○

……しょおくんと、ずっとここにいられたらいいのに……

すがりつくように俺の腰に抱きつく○○。 この前だって雷の時に初めてあんなにくっついたのに。 あの、スパンが短いですお嬢さん。

紫耀

いればいいじゃん

○○

……そんなの出来る訳ないよ

紫耀

どうして?

○○

しょおくんだっていつかは彼女ができて、結婚するでしょ?……というか今だって彼女くらいいるんじゃない?

少し投げやりにそう言う彼女は間違いなくお酒が回っていて、いつもより口数が多い。

紫耀

……ええ、?なにそれ、嫉妬?やきもち?

○○

……っちがうもん…!

紫耀

俺に彼女、いるかもよ?

○○

……え…、いる、の、?

より一層潤んだその目に何故か意地悪したくなって。 彼女なんていないし、○○をここから無理やり出す気もないのに。

紫耀

……どっちだと思う?

不安げにこちらを見上げる○○はモジモジしていて、答えを急がしたくなるけどぐっとおさえる。

○○

しょおくんは……

紫耀

…うん?

○○

しょおくんかっこいいし、……すごく優しいし、お金もありそうだし…………

紫耀

おい(笑)最後のなに(笑)

○○

…絶対モテるし、彼女いない訳ないと思う…………けど

紫耀

ん、?

○○

いないで……ほしいなぁ……

紫耀

…っ……な

それは、それは反則だと思う。 そんなのちょっとした告白みたいなもので、だけど本人は全くそれに気づいていないようだ。

○○

……眠くなってきちゃった

紫耀

は、?ちょ、おい

え、このまま寝るの? いや、俺どうすればいいの(笑)

……あぁ分かった、明日になればもう忘れてるんでしょ?

自分の身の上話も今の爆弾発言すらも忘れてるんでしょ?

紫耀

…お前、ずるいぞ

弱ーーーーく本当に弱く手加減して デコピンをすればすりすりと擦り寄ってくる。 まるで実家にいた、猫みたいだ。 ……そういえば、あの猫も拾ったんだっけな。

まだどこか幼さを感じさせる寝顔。 そして何より無防備。 触れようと思えばどこでも触れられてしまう。

…さっきの事を忘れるならさ。 これもちゃんと忘れろよ。

○○の唇にそっと触れる俺の唇。 やわらかくて、お酒に入った甘い果実の匂いと、やらかしたとばかりに訪れる背徳感。

そっと離して頭を撫でれば、ふわりと微笑んだ感じがした。

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コメント

11

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こちらこそコメント、♥ありがとうございます!

ユーザー

ありがとうございます、

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50いいね押させていただきます。コメントありがとうございます

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