テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
649
25,527
組織の豪華な屋敷の屋根、その最上階にあるテラス。
下界の喧嘩を嘲笑うかのような静寂のなか、二人は月明かりに照らされていた。
死線を潜り抜けたばかりのまぜ太の頬にはまだ、生々しい傷痕が残っている。
しかし、彼は痛みを微塵も感じさせないような所作でけちゃの好むヴィンテージワインをグラスに注いだ
けちゃ
けちゃがグラスを置き、まぜ太のネクタイの結び目に指をかける。
そのままグイと強引に引き寄せると二人の鼻先がふれあうほどの距離になった。
まぜ太は抵抗するどころか、吸い込まれるような視線をけちゃ預けた。
まぜ太
まぜ太の声は低く、熱を孕んでいる。普段の冷静なヒットマンの仮面がけちゃの前では「狂信者」の素顔へと溶け落ちていく
けちゃ
試すような、残酷で無邪気な問い。けちゃの瞳が月明かりを反射して怪しく光る
まぜ太は迷いなく懐から愛用のナイフをけちゃの方へ差し出した。
まぜ太
まぜ太
その言葉にけちゃはゾクリと背筋を震わせた。自分に向けられる重たすぎるほどの忠誠。世界を敵にしても揺るがないこの冷徹な男の全存在が、今、自分の指先一つに委ねられている
けちゃ
けちゃは満足そうに唇を吊り上げ、まぜ太のネクタイをさらに強く絞った。
まぜ太は、首を絞められる苦しみさえも悦びであるかのように、けちゃの靴先に、額を寄せる
まぜ太
けちゃ
まぜ太
冷静沈着な死神は、狂った主君の足元で、最も深く甘い服従を誓う。
夜風が二人の髪を揺らし、裏社会の闇へと溶けていった。
コメント
3件
推しに命令される気分って最高!!