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裏社会で最も恐れられている「氷の処刑人」まぜ太の朝は、血の匂いではなく、焼きたてのパンと、淹れたてのコーヒーの香りで始まる。
今日は組織の抗争も、暗殺の以来もない、けちゃが強引にねじ込んだ「完全休日」だ。
まぜ太
まぜ太は、シルクのシーツにくるまって丸まっている「主君」の枕元に膝をつく。
今日は任務の時の重いスーツではなく、ゆったりとしたグレーのカーディガンを羽織った彼は、どこか毒気を抜かれた猛獣のようだ。
けちゃ
まぜ太
けちゃ
まぜ太
まぜ太
けちゃ
けちゃが無防備に両腕を広げる。まぜ太は当然のように軽いその体を抱き上げた。
廊下を歩く間、けちゃはまぜ太の胸板に耳を寄せ、規則正しい心音を聞きながら満足げに呟く
けちゃ
まぜ太
朝食の席でも、まぜ太の献身は止まらない。
けちゃがナイフを持とうとすると「危ないですから」と制し、一口に切り分け、口元まで運ぶ。
まぜ太
けちゃ
まぜ太
まぜ太
けちゃが自分の唇を指差すと、まぜ太はナプキンを使わず、自分の親指でそれを拭い、そのまま自分の唇に寄せた。
けちゃ
まぜ太
午後は、二人きりで庭園の散歩にでかける。けちゃが少しでも階段でよろければまぜ太の手が瞬時に支え、日差しが強くなればどこからともなく出した日傘で影を作った。
けちゃ
まぜ太
けちゃ
けちゃが悪虚っぽく笑い、芝生の上でわざとバランスを崩してみる。まぜ太は自分の体が汚れることなど一顧だにせず、芝生に膝をついて、優しくけちゃを受け止めた。
まぜ太
けちゃ
重なりあったまま、けちゃがまぜ太の首に腕を回し、耳元で囁く。
けちゃ
まぜ太
けちゃ
まぜ太
沈み行く夕日が二人の影を長く、深く、一つに重ね合わせていく。
甘い苺の香りだけが残る、二人だけの静かな休日だけの静かな休日が更けていった。