国見さんがカフェに訪れた日から2日後
○○のカフェは
平日の割に少しだけ賑わっていた
るい
るい
るい
カウンターの向こうでるいちゃんがそういった
○○は髪をまとめ直しながら
カウンター越しに顔を出した
〇〇
〇〇
〇〇
るい
るい
〇〇
〇〇
るい
るい
るいちゃんが手をぽんと叩いた
その表情が
なにか言いたそうにうずうずとしていた
るい
るい
〇〇
るい
るい
るい
るい
〇〇
るい
るい
るい
○○は一瞬だけ手を止めた
〇〇
〇〇
〇〇
るい
るい
るいちゃんは納得したように笑った
るい
るい
〇〇
〇〇
るい
るい
るい
〇〇
るい
るい
るい
るい
〇〇
○○は笑って返すけど
カップを拭く手が僅かに止まった
〇〇
〇〇
〇〇
るい
るいちゃんは意味ありげに眉を上げ
それ以上は何も言わなかった
その沈黙がカウンターの上に薄く残る
窓の外では、木々の葉が少しずつ色を変えている
季節の移り変わりと同じように
気づかないところで何かが静かに動いていた
書類を揃えた国見が
丁寧に最後の印を押した
その音がやけに静かな室内に響く
国見
国見
〇〇
○○の声は思ったよりも小さく
国見が少しだけ微笑んだ
国見
国見
国見
彼の指が書類をそっと整えながら
机の上に名刺を差し出す
国見
国見
国見
〇〇
〇〇
国見
国見
仕事としての言葉なのに
どこか優しさを含んでいた
○○はぺこりとお辞儀をした
〇〇
〇〇
その言葉に国見は一瞬だけ目を開き
ふっと口元が緩んだ
国見
国見
それからいつものように淡々と
椅子を引いて立ち上がった
国見
まるでその言葉が
なにかの区切りのように響いた
手元の書類をまとめながら
○○は小さく頷いた
これで...終わりなんだ
胸の奥に、ほんの少しの空白ができる
一緒に過ごした時間なんて
数時間にも満たないのに
その空白が思ったよりも大きかった
国見は軽く頭を下げ
静かにドアを閉めた
その音だけが静かに残り
○○は暫く動けなかった
夜
小さな部屋の照明の下
○○はカップを片手にぼんやりしていた
書類の山も
新メニュー準備のメモも
テーブルに拡がったままだった
なのに頭の中では仕事のことではなく
国見の横顔が浮かんでいた
〇〇
彼の声が何度も反芻される
思わずカップの中を覗く
表面に映る顔が
なんとなく赤い気がした
〇〇
その考えが浮かんだ瞬間
心臓がはねた
自分で思ったよりも早く
その言葉にたどり着いてしまったことに驚く
〇〇
〇〇
そう首を振って誤魔化すけど
頬の熱は冷めなかった
視線を逸らすと
マグカップの側面に描かれた
青い波の模様が目に入る
その瞬間
頭の中でなにかが弾けるように痛んだ
〇〇
痛みは一瞬で
けれど強烈だった
両手でこめかみを抑える
なにこれ
息を整えようとするうちに
一瞬だけ知らない場所が脳裏に浮かんだ
夏の日差し
波の音
でもそれはすぐに霧の中に消えた
〇〇
しばらくのち
痛みはスッと引いた
○○は深呼吸をして
震える指でカップを置いた
思い出しそうなのに
思い出せない...
なんで、波の音なんて
静かな部屋に時計の針の音だけが響き渡る
コメント
6件
○○ちゃんの最後のシーンの頭痛…もしかしてフラッシュバックとかPTSDですかね…??🤔 過去に恋人を突然の事故で亡くしてますし、夏の日差しとかは○○ちゃんの脳が防衛本能で奥底に閉じ込めた恋人さんとの思い出だったり… あの頭痛の正体と記憶のかけらのようなものがどんな意味を持つのか、 これからの展開がもっと楽しみになってきました!🤭💫💫 さらに国見ちゃんへの恋の予感…!🥹🫶🏻
新作最高すぎる😀
新作だァ‼️しかも国見ちゃんのお話待ってましたァ‼️続き楽しみにしてます‼️